19番の独り言

3月29日(土)

「Close to You」　柴田よしき著



この本も分厚かったけれど面白かった～。

社内の権力闘争に敗れてぷー太郎になった主人公。
昼間から酒をくらい、パチンコに行く生活を続けていた。
そんな状況であれば普通は奥さんに愛想をつかされるのが
落ちだけれどところがどっこい、「専業主夫」になって
くれないか？と言われてしまう。

家事なんかは全くできないでいた主人公。悪戦苦闘でこな
していくうちに事件に巻き込まれて・・・

二人とも郊外に暮らし、都心に勤める夫婦だった主人公たち。
そういう彼らを主人公としながら昔ながらの地域社会だったり
人間関係のしがらみと言うテーマを持ったところに非常に新鮮
さを感じる。

事件だから当然犯人がいて、そこにいたるまでの葛藤なんかも
ある訳である。でもそれでもこの作品においてはそう言った
犯人探しよりも「何故それが起こったか？」の方が余程重要
であり、そこの部分の謎解きに興味深々なのである。

ラストは賛否両論あると思うけれども難しいテーマを良く
描ききったなぁと素直に感心してしまう。

なかなかの作品でしたよ。

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