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カテゴリ:ダブルキャスト
「函館空港のほうに、人員が割かれてね。谷村の件で、道警に警視庁からも職員が来ているときに爆破予告が入ったものだから、警視庁の応援もすべて空港に行ってね。だから、芝居小屋の方は手薄になってしまって…。ただ、磯島さんに助けられて、ジャーナリストっていうのは命知らずなんだ、って思ったわよ」 「それで好意を持ったべ?危機の中を救ってもらったんだから」 「当たり前よ、命の恩人だもの!」 彼女は不敵に笑った。 「隆さんだって人のこと言えないわよ?いま、鮎子さんを舞台に立たせる段取りを考えてるくせに!」 「また、それを言う…。ところでさ、谷村は結局どうなったの?」 「ああ、あの人は銃刀法違反も重なって当分、シャバには出てこられないわよ」 「例のトカレフの件か?」 「ええ」 ナオミはうなずいた。 「谷村って、何のために拳銃なんか買ってたんだかな」 「警視庁の取り調べに対しては、『自分には常に暗殺の危険があり、保身のために暴力団を介して調達した』と言ってるんだって」 「はあ……?」 「例の妄想かと思ったけど…。若いときは色々と、都会で恨みを買ったみたいでね。それなのに、拳銃は忘れて函館を逃げ出し、東京で警視庁の懐に飛び込むなんて、よほど慌てていたのね」 「暴力団がからんでるなら、谷村もこれから面倒な事になるな」 「そう。いまはどこの警察も、暴力団対策にものすごく力を入れてるから…。私だって、あんな粗悪なトカレフを売りさばく連中は、芋づる式に捕まえて欲しいところだわ」 「あれって、ほんとに不良品だったの?」 「もっと危険なものよ。だって、あれは、トカレフの中国製コピーだったんだもの!」 彼女は海に向かって叫んだ。 「何が怖かったかって、それが判ったときがいちばん怖かったわ!!」 「だから、速攻蹴飛ばしたんだな」 隆一はニヤリとした。 「とにかく谷村は捕まり、北上は死んだ…」 ![]() <つづく> ☆人気ブログランキングに参加しています。トップページのバナーをクリックして下さると嬉しいです。 ランキング参加中です。 励みになります、ポッチをお願いします ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 人気ブログランキングへ おかげさまで、20位以内です。 みなさまありがとうございます<(_ _)> ☆連載ミステリー『ダブルキャスト』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。 登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 明日で、11月も終わりですね~ 小説のほうも、なんとか明日で最終回となります。 ちょっと長かったけど、また明日も読んでくださいね。 月末で終わり、と、何気に切れもいいところでほっとしています。 いままで、最終話のあとはすぐに新しいのを書いていたんですけど、ちょっと疲れたので、前にupしたのを再連載します。 新しい話が固まったら、再連載の途中でもはじめたいと思っています。 その時はまたよろしくお願いします。 観光で函館に着くと、たいてい最初と最後に寄るのがここでしょうね。 ![]() 赤レンガ倉庫群です。 函館の象徴のひとつであるこの場所は、今頃の時期は何かしらイベントをやっています。 これから函館へ遊びに行ってみようと思う方、ホームページ ![]() ![]() な~んて、私はどこの観光協会からも、何かもらっているわけではないですよ^^;
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Last updated
November 30, 2011 01:48:21 AM
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