『ジョン・カーター』を見てきました。☆☆☆☆
デジャー・ソリスファンのひらたい顔族の区長たぬきじじいです。物語は、アメリカ南北戦争の時に火星にとばされた地球人ジョン・カーターが主人公で、ほろびゆくバルスームの救世主となる。簡単にいうと、ヒロイックファンタジーの原点でしょうか。この物語をきっかけに、アメリカンヒーローズが派生していったと考えているのは、僕だけでしょうか。(この本をきっかけに、ファンタジーの世界にはまったので、こういう評価なのかもしれません)ハヤカワSF文庫で、僕が読んだのは、高校1年生のころですから、遠い昔のこと(約40年前・・・・お客さんの中には、生まれていない人のほうが多いかも・・)そのころは、映画化は不可能と考えていました。出てくる生物をどう表現するか、絶世の美女、デジャー・ソリスを演じることができる女優さんがいるだろうか、と思っていました。それで、映画技術の進化、文明の進化で、表現することが可能になって、映画化・・ファンタジー好きとしては、合格点をつけます。脚本に破たんはありません。セリフの中に原作の表題『火星のプリンセス』のセリフがあって、おもわず、ウフッとおもっていました。原作では、続編もあり、いろんな物語が展開していくので、是非、お楽しみください。映画では、悪役というか、こんな奴がいたっけとおもう悪役がいて、これが、黒幕となって、ストーリーが展開されていきます。ジョン・カーターの甥っ子が、原作者のエドガー・ライス・バローズということで映画に、登場・・・ラストシーンで重要な役割を演じます。これは、脚本がうまい。原作ファンでも、納得して楽しめると思います。(キーワードは、内側からしか開かない墓・・・これで、わかる人は、相当な原作ファン)デジャー・ソリスが、原作とイメージが違うという前評判があり、少し、不安をおぼえながら、確認したのですが、これは、その不安を払底する女優さんでした。特に、アップでみせる顔には、プリンセスである気品と、普通のヒロインではないデジャー・ソリスがそこにいました。戦うヒロインというのも、この物語からかなと思うほど、かっこいい。他の視点でこの映画を評価すると、南北戦争で、妻子を失った英雄の悲惨な過去、結婚指輪の表現がとてもいい。この指輪の取り扱いは見事・・・。そして、その時代背景にある、先住民族との葛藤・・・これを、バルスームに置き換え、原住民の気高さを表現しているのは、原作に共通するものです。こういう点でも、原作の評価は高いし、この映画もその点をバックボーンに活かしていると考えます。映画としては、冒険活劇として、こじんまりとおさまっているということで、大人の鑑賞には、少し不満があると思って、評価をさげています。子供達とみるには、まあまあということで、僕の評価は、だいぶ、ファンタジーファンの欲目が入っていますので、一応、冷静に言うと、おすすめまではいきません。小中学校の男の子と父親の組み合わせで、どうぞ・・ではでは