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テーマ:関東と関西 文化の違い(10)
カテゴリ:【大阪】に関わる単語
関東では髪の毛を束ねる事を「毛を括る」とは絶対に言わない。当然、俺の嫁も「毛を括る」とは言わず「髪を結ぶ」「髪を結う」なんてノタマウのだ。ちなみに「結う」を調べてみると
【結う】むすぶ しばる 髪をたばねる と、集英社【新修】国語漢和辞典には記載されている。何だか【結う】の方が上品な感じがするのは気のせいだろうか。 元々、関西と云う土地柄は“実益主義”であり、建前よりも本音を重視してきた文化だったように思う。だから言葉に関しても遠回しな単語を使うより、直感的に判り易い単語を選んで使われてきたのではないだろうか。 しかし しかし、である。関西人は“実益主義”でありながら、商売人の悲しい性か、他人に対しては“気を使う性質”も持ち合わせている為、単語は直感的に判り易いモノを使うが、言い回しは“遠回し”になったりするのだ。 その代表が「考えときますわ」だろう。 関西の取引先に「考えときますわ」と言われたら、それは商売が不成立になった事、すなわち「要りません」と云う意味なのであるが、関東の人間には、なかなか伝わらなかったりする。 だから「考えときますわ」と言われた関東の営業マンが、数日後に「考えて頂けましたか?」なんて言ってしまって、顰蹙を買う事もシバシバあるみたいだ。 関西では、相手に対し「恥をかかせない」ように行動するのが美徳とされている。だから取引上や公衆の面前で「アナタの商品は要りません」とはっきりと言う事に抵抗があるのだ。だから「考えときますわ」などと遠回しで「断り」のニュアンスを伝えようとする。 逆に関東では「物事を敏速に判断する」事が美徳とされている。だから「考えときますわ」などと遠回しには言わず「要りません」と、はっきりと相手に伝える。伝えられた方も“次の行動”へ敏速に動くことが出来るので、恥を掻くと云う意識は持たないのである。 関西と関東の文化の違いとは“商人”と“武家”の違いと云うけれども、正しく、その通りなのかも知れないなと思う事が、結構あったりするのである。 とは言え、関西人は全て“商人”で、関東人は全て“武士”だと【括る】のは早計である。そういった風土で育ったのは確かだが、全員が、その感性で生きているのではないのだ。 その辺を踏まえて付き合えば、関西と関東の関係も拓けてくるのではないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/02/08 11:49:48 AM
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