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カテゴリ:アレなゲーム
マブラヴオルタ、任官式終了。
次は、武の提案によって開発された戦術機用新型OS「XM3」の実証試験エピソード。 沙霧大尉一派が決起した事によるクーデター未遂事件の話。 まさかギャルゲ・エロゲの類をやって愛国心について考える事になるとは思わなかった。 「前のこの世界」からやって来た武は、地球放棄計画「オルタネイティヴ5」の発動によって対BETA戦争に地球人類が敗北するのを経験している。 その経験が、彼の心に「全人類が力を合わせてBETAと戦わなければならない」という考えを根付かせる事になった。そしてその考えこそを最優先していた。 その漠然とした観念のためか、「この世界」=オルタ世界の日本帝国に対する愛国心を、元々武はあまり持ち合わせていない。 そのためか、将軍を蔑ろにしている日本の現状を憂えるあまりクーデターまで起こした沙霧大尉の心情を当初は理解できなかったようだ。 いわゆる「想像の共同体」というヤツの一成員であるとは、武は自らの事を考えていなかったという事になるのだろうか。 武は元がオルタ世界の人間ではないから当たり前とも言えるが、そもそもまず地球人類は地上に幾多の国を作って存在している。 確かに「人類」という包括的なくくりで大局を見なければならない状況にオルタ世界が在るのが動かしがたい事実だ。 しかし、地球人類というくくりで見るより以前に、人間は自分を国家に属する存在として自覚する。 「人類のため」という非常に漠然かつ最終的な目標を掲げてはいても(よく考えてみると、国家という想像の共同体よりもなお大きく曖昧な存在だ)、そのくびきから逃れるのは容易ではない。 国家に属する人間に愛国心を抱かせるきっかけになるアイデンティティ――劇中の言葉を借りるなら「立脚点」だろうか――とは、人間をその国の国民たらしめている象徴的な存在だ。 それは「共通の言語」だったり「政治への参加」であったりするが、オルタ世界の日本帝国の場合は「征威大将軍(誤字に非ず)への崇敬」という側面が存在しているように見える。 つまり、元々オルタ世界の人間でないごく普通の少年だった武に(少なくともこの場合の)愛国心が備わっていなくても仕方の無い事だったのではないか。 しかし、「愛国心を持ち合わせていない」というのは武に限った話ではなく、現実の日本にも通じる話であるように思う。 現代の日本人は、自らを日本人と自覚しているだろうか? 一つの国家に属する人間としてのアイデンティティを持っているのだろうか? その意味で「国の事を考えるのなんてオリンピックやサッカーのワールドカップの時だけだった」という言葉には、非常に印象深いものがある。 この言葉、そして立脚点を持たない事に苦悩する武の姿そのものが、一国家に属する国民としての、アイデンティティを喪失しかけている現代の日本人を思わずにはいられない。 そして多くの同胞の命が失われた後。 「3つの世界を生きた日本人」として立脚点を自覚し、新たな決意を確かにした武。 この決意をした瞬間、武は確かに「日本人」としての存在を手に入れたと思う。 ――――――― 追記(この文章の反省点) 1.よく解ってないのに「想像の共同体」という言葉を使用した。 2.そもそもベネディクト・アンダーソンの著作を読んだ事が未だ無い。 3.まず何が言いたいのか伝わってこない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.02 19:46:40
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