【ウルトラマンZ】第3話を観てみたがこれは…
ウルトラマンZの第3話「生中継! 怪獣輸送大作戦」を観た。冒頭、2号機ロボの開発が行き詰っているという話からスタートし、直後にセブンガーとギガスの戦いが描かれる。ここで良い意味で驚愕した。小山の上に小ぶりな建物のミニチュアをひとつ置いて、煽りで撮るこのシーンは、どこかで見覚えがある。それは、後期のウルトラセブンやウルトラファイト、東宝制作のゴッドマンなどだ。どれもこれも極めて低予算にする必要のあった作品で、屋外にシンプルなミニチュアを用意していまひとつ巨大に見えないシュールな映像を見せる特撮であった。今回のウルトラマンZの冒頭ではそれをパロディしている。もちろん、セブンガーVSギガスの戦闘はサブ扱いなので予算も掛けられない。それを逆手に取ってこの陳腐さをパロディするコメディさこそ、ウルトラマンZの作風の魅力と言える。まさか令和になってこのテイストを観れるとは思わず、ちょっと感動した。笑コメディテイストと言えば、今回のエピソードも終始コメディを交えて展開。物語の中軸は、トンネル工事現場に眠っている怪獣ゴモラを、目を覚まさせずに安全地帯まで輸送するミッション。それに並行して、海外のお偉方とのストレイジの予算会議の模様が描かれる。つまり今回のゴモラ輸送作戦でのセブンガーの活躍次第で、来期(か今後)の予算が決められるという局面なわけだ。(視聴者的にはあまりに季節外れの"花粉症"が出てきたのは、予算会議という作品内の時期的な辻褄を合わせるためだったのかな?)ゴモラが目を覚ます可能性はほぼ無い。とはいえ街中を突っ切っていくのはあまりに危険にも感じる。案の定、ゴモラは"とある理由"によって目を覚ましてしまう。ちなみにこのミッションを見守る、海外のお偉方の面々が良い感じ。吹き替えを使わずカタコトの日本語で話すのが、初代ウルトラマンにたまに出てくる海外の隊員や科学者みたいだった。ちなみに予算会議とか海外のお偉方がカタコトで話す大人の会話とか、ぶっちゃけ視聴者の子供にはなんのこっちゃ分からないだろう。笑と思っていたら、会議シーンの直後に、現場作業員から映像がスライドしてセブンガーの後ろ姿を足元から映すカットが映り、子供が見ても迫力を感じるんじゃないかなぁ?と思える絵つなぎがされていて、なんかよく分からないけど感心してしまった。素人目に、だけど。そして、先に書いたようにゴモラは目覚め、ウルトラマンZとの戦闘が始まる。特筆すべきは、やはり今回初登場のベータスマッシュ。赤いマスクがウルトラマンとしては新鮮で(ゼアス以来?)かっこいいと思う。がしかしそれ以上に、今回ベータスマッシュにタイプチェンジした瞬間、自分の頭の中に稲妻が駆け抜けた。放送開始前から思っていたことだが、このベータスマッシュというのは、かの円谷ヒーローによく似ている。顔面の作りが。あぁそうだったのか。冒頭のギガス戦は、セブンでもウルトラファイトでもゴッドマンでもない。「赤いあいつ」のパロデイだったのだ。…なんて勝手に憶測しながら笑った。その後の、ベータスマッシュのマッチョぶりによるプロレスマッチは、まるで「怪獣プロレス」と呼ばれた昭和特撮を受けての敬意あるジョークにも見える。こうして終了した今回のミッション。その背後には既に説明した通り、ストレイジの予算会議というサブテーマが存在した。なんのための予算なのかというと、ファーストシーンで語られた2号機ロボの開発予算である。その2号機ロボが次回いよいよ起動するらしい。ちなみに終盤で「いつかウルトラマン以上のロボットを人間が作れるかもしれない」みたいなセリフがあった。真っ先に浮かぶのはウルトラマンダイナに登場した人造ウルトラマン=テラノイドや、ウルトラマンノアを模倣したダークザギである。ウルトラマンZには、裏で暗躍する裏切り者の影がチラホラ匂う。その予感が当たるかは分からないが、今回サラリと語られた「ウルトラマン以上のロボットの開発」が、今後の伏線となるのか否か。そんなところも楽しみのひとつ。いやぁ~、ウルトラマンZ、久しぶりに面白いウルトラマンだな!!