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カテゴリ:書籍
●あらすじっぽいもの●
話の中で1番スポットライトを浴びます医者は、妊娠中絶の業に悩んでいます。 元はといえば人を救う為になったはずの職業、それが今やただの人殺しに変貌した自分が奪ってきた命に対する罪の意識、彼の精神的疲労は周りには愛想の悪い中年としか映りません。 そしてそれと対極に居る外国人。 ただ人を愛する事しか知らないがために、苦しんでいる人を見かけると彼は本当に1人1人を助けようと努力します。 他のキャラは社会で言えば普通な生き方をしている方なのでしょうが、皆どこかにひた隠しにしているようなものを持っています。 罪に押しつぶされそうになる人とそれを救おうとする人、そして自分の罪からは全く目を背けてしまっている大勢の人々、この3つに分けられた登場人物たちは妙に生々しく、読者である自分がどれに位置するのかを炙り出されそうで、途中から読むのが少し恐くなりました。 それでも先を読まねばと思ったのは、自分の中にある罪を少しでも直視しようという心の動きだったのではないかと。 断じて明るい本ではありませんが、私と何か似通ったものを感じてもらえたらなぁと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/12/14 10:08:40 PM
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