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現代人は知育教育が大好きです。そのため、幼いうちから知育おもちゃを与えたり、色々なことを教えたり、「○○教室」に通わせたりしています。
「何十万円もする知育おもちゃを買って与えた」というお母さんもいます。(後悔していましたけど・・・) テレビも、NHKの教育的な番組なら良い効果があると信じて、ズーッと見せているお母さんもいます。 コンピュータゲームも脳のトレーニングになると思い込んでいるお母さんもいます。 自由に遊ばせることをせず、幼い時から文字や算数を教えている人もいます。 昔よりも教育に熱心なお母さんが増えて来たような気もします。 実際、今では小学校上がった時点で文字が書けるのが当たり前になっているようです。1年生になったばかりなのに「簡単な文字の読み書きなら出来る」という前提で授業を始める先生も多いみたいです。 だからといって現代の子ども達の方が、泥だらけになって遊んでばかりいた昔の子ども達より賢くなったのかというと、決してそんなことはないような気がするのです。 テストの成績に関しては分かりませんが、造形という場で30年近く子ども達と関わってきた私の体験から言えるのは、むしろどんどん子ども達の考える力や、能動性や、工夫力が失われてきているということです。好奇心も弱くなっています。 知識はいっぱいあるのに「考えることや、学ぶことや、やってみることを楽しむことが出来ない子ども達」が増えているのです。文字を読むことは出来ても本を読むことを楽しめないのです。 いろんな点において受け身的なんです。 考えることを楽しむことが出来ない子は、造形活動を楽しむことが出来ません。そして、これは子ども達の科学離れとも関係しています。 今、子ども達の科学離れを食い止めようとして、「楽しい実験」などを色々と体験させるような企画が色々なところで行われていますが、そんなことをしても「考える楽しさ」が伝わらなければ、科学離れは止まりません。 もうすでに確立されている、「仮説実験授業」という「対話を使い、考えることを大切にした授業方法」もありますが、今、色々なところで行われているのはそれとは異なり、「考えること」を抜きにした、単なる「楽しいイベント」に過ぎません。 また、考えることや、やってみることを楽しむことが出来ない子は、科学や造形を楽しむことが出来ないばかりか、大人になってからも「仕事を楽しむことが出来ない」「子育てを楽しむことが出来ない」ということになります。 工夫したり、能動的に取り組むことを楽しむことが出来ないからです。 そして、楽しむことが出来ない人の所には「喜び」も「自由」もやってきません。 楽しむことが出来る子は、追い立てなくても、自分で色々なことに取り組みます。 「学ぶ楽しさ」を知っている子は、「勉強しなさい」などと言わなくても勉強します。 「作る楽しさ」を知っている子は、「作りなさい」などと言わなくても作ります。 小学生頃までは、効率的に教え込まれた子の方が成績も、能力も高いかも知れませんが、「楽しさ」を知ることが出来なかった子は、「楽しさ」を知っている子に次第に抜かれていきます。 実は、子育てや子どもの教育において、一番大切なことは、この「楽しむ能力」を育てることなのではないでしょうか。 そしてその能力が子どもに、精神の自立と自由を与えてくれるのではないかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.27 07:39:55
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