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MATU

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2014.11.03
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八月の蜂起

八月の蜂起
佐藤賢一



「僕ひとりなら、どんな世のなかでも妥協できる。リュシル、君とだったら、今に満足することだって、きっと難しくなかったろう。けれど、もう子供がいるんだ。子供というのは、未来なんだよ」

こんなおかしな世のなかを、そのままにして押しつけるなら、僕は息子に恥ずかしいと思わなければならないんだ。
「子供のことを思うほど、僕は未来に寄せる意志を譲れなくなるんだよ。子供には素晴らしいフランスを残したい。それが父親の、父親にしかできない愛し方だと思うんだよ」

「いいか。敵に勝とうと思うなら、大胆に、もっと大胆に、常に大胆に」
これしかない。そうすれば、フランスは救われる。かかる言葉でダントンが演説を結んだとき、大袈裟でなく議場の空気は炸裂した。
言葉にもならない声を張り上げたとき、そこにいたのはフランス人ばかりだった。ああ、フランス人ばかりだった。ああ、ブルジョワもなければ、サン・キュロットもない。ジロンド派もなく、蜂起の自治委員会もなく、あるのは祖国の同胞として、ともに戦おうと心を燃やす、ひたむきな人間ばかりなのだ。





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最終更新日  2014.11.03 18:50:40
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