人生相談
記録を破る晴天高温続きの夏が過ぎたとたん、台風の連続到来で、秋の夜長を味わう風流も消えてしまいました。そしてそんな台風のため、山の食べ物がなくなり、多くのクマが冬眠を前に人家近くに出没し、人は襲われ、クマは殺されてしまいます。ケガをされた方はお気の毒ですが、そうまでしてエサに捜さなければならないクマが可哀相です。「クマにどんぐりを!」と愛護団体の呼びかけで山のようにどんぐりが集まったそうで、同じような想いの人々がいることを知り、少しホッとしています。それにしても、なんだかいろいろなことがチグハグです。この原稿を書いている最中に、今度は地震です。「オットット、オットット! 震源地はどこだ!! 新潟だ!!」電話回線はパンクしてしまっているようで、友人につながりません。日本シリーズを楽しむつもりが、地震情報に乗っ取られました。本当に何がどうなっているのでしょう。先月、そういえば、私のところに、ある女性歯科医が相談に来られました。年齢42歳、バツ2、子どもなし。美人です。私は”太木数子”になったつもりで聞きました。「何の相談でしょう」「先生の講演聞いて、女も開業できるんだと勇気づけられました。 私、開業したいんです。 それと、先生にお会いしたかったのです。」「ところで、あなたはあと何年働けますか? 開業にいくらかかると考えていますか? 子どもも家族もいなくて、ひとりきりの孤独に耐えられますか? 結婚願望はありますか? 今、預金はいくらあるのですか?」「エッ・・・・・・」そして”太木数子”は答えたのです。「今、42歳ですから、とりあえず20~30年は働けるでしょう。 しかし、後半は目も悪くなり、疲れやすくなり大変ですよ。 開業資金も最低3000万円は必要です。 しかしそれは当面のことで、運転資金、家賃、 スタッフの給料を考えると、それ以上になりますよ。 それに、家族も子どももいなくて、何のために借金に追われるのですか? ”何のために働くか”考えましたか?借金を返済しおわったら、もう老後の心配ですよ。 それも老後まであなたが生きれいればの話で、開業というストレスで死んだらどうするのですか。 それほど、いざ開業してみると後悔の連続です。 それより、今の勤務医としての立場を確立し、一生懸命働いて、いっぱい預金して、いろいろと楽しいことにお金を使ったほうがいいと思いますよ」私は自分のことを女性歯科医たちの応援団長と豪語してはばからぬほど、いつも「頑張れ、頑張れ」と言っています。でもそれは、「開業しなさい!!」と言っているわけではありません。多様化している世の中で、働く女性として、いかに自覚を持ち、しっかりと生きているかが大切であり、開業することが目的ではありません。むしろ、結婚生活を維持したい、結婚をしたいと考えているうちは、決して開業はしないことです。結論から申し上げれば、”女でも開業できる”ということではなくて、”私だから開業できた”ということです。”太木数子”は時々、”みのもんこ”にもなります。最近は男性の歯科医の方にも「オヤ?」と思う方が増えました。45歳、独身、父親とふたり暮らし。面接にセーター姿で現れました。「ところで、電話口ではモゴモゴした話し方でしたが、いつもそうなのですか?」「あの時は起きぬけで、それに僕は低血圧なのでモゴモゴしていました」「でしたら、起きぬけに電話をかけないことですね。 それに今もモゴモゴなさっていますよ。 もう少ししっかりとした話し方をマスターして、出直してください!」暇な私は採用面接が大好きです。どなたか「我こそ!」と思われる方、ぜひ採用面接(人生相談)にいらしてください。”太木数子”か”みのもんこ”がタダで楽しく話しに乗ります。ついでにひと言。私は決して恐い人ではありません!というわけで、ただ今、歯科医師、歯科衛生士を募集中です。くわしくはホームページをご覧になってください。さて、今回で私の連載は一応お休みすることになりました。今まで楽しみにしていてくださった多くの方々に心から感謝し、お礼を申し上げます。またどこかでお会いできますことを楽しみにしています。「ホームページで逢いましょう」