カテゴリ:前立腺がん
◆◆ 去勢抵抗性前立腺がんに対する前立腺全摘術 ◆◆
前立腺がんが、前立腺に限局していれば、根治療法として、
進行前立腺がんでは、手術する適応はあるのでしょうか?
ふつう、転移性前立腺がんであれば、
全米総合がんセンターネットワーク(NCCN)のガイドライン(上の図)最新版では、
去勢術+アーリーダ 去勢術+ザイティガ 去勢術+イクスタンジ もしくは、 去勢術+タキソテールの化学療法+ザイティガ 去勢術+タキソテールの化学療法+ニュベクオ が記載されています。 また、転移の量が少なければ、という条件で、 去勢術+前立腺への放射線療法
転移の量が少なければ、『放射線療法』という選択肢はありますが、 『前立腺全摘術』という選択肢は、あがっていません。
つまり、転移性前立腺がんの診断の時点で、
放射線療法はOKで、前立腺全摘術がだめなのは、 前立腺がんの周囲への浸潤癒着、
周囲への癒着などがあれば、出血や直腸などの損傷も リスクが上がります。 術後の合併症(尿失禁や、排尿障害など)も心配です。
というわけで、放射線療法はともかく、
一方で、
今まで、考えられていた、
泌尿器科で扱うがんの1つである、『腎臓がん』では、 原発巣(腎臓)を摘除で、予後(生存期間)が延長するといわれています。
しかし、前立腺がんでは、遠隔転移がある場合、 手術する部位が違いますし、
前立腺全摘術の安全性が向上することにより、 進行前立腺がんに対して、行われていなかった、
転移性前立腺がんの患者を対象とした、
前述のように、転移性去勢感受性前立腺がんで、
ましてや、去勢抵抗性前立腺がんの治療に、 というより行ってはいけない治療と考えられてきました。
前立腺がんが診断された時点ではなく、 去勢術治療後に進行した去勢抵抗性前立腺がんに対する
去勢抵抗性前立腺がんの場合、前立腺摘除術は、 前立腺以外に遠隔転移がある場合はなおさらです。 何をいまさら、前立腺全摘術?というわけです。 よくこのブログでも触れている 『個別化医療』『プレシジョンメディシン』は、 最近の前立腺がん治療の新しい考え方です。
今までは、
問題は、転移性前立腺がんといっても、
平均点の高い治療を行うというより、
プレシジョンメディシン、個別化医療とよんでいます。
例えば、 BRCA遺伝子変異陽性、MSI high、神経内分泌がんであれば、 その病態に合わせた、特殊な治療が必要となります。
進行前立腺がん、転移性前立腺がんでみつかっても、 また、転移性前立腺がんでも、去勢術やその他の治療で、 そのような患者さんでは、
転移性前立腺がんでみつかっても、前立腺がんは様々。 治療の効果そしてその効果の持続期間も治療してみなければわかりません。
また、去勢術の効果が切れた、去勢抵抗性前立腺がんになっても、
そのような患者さんの中に、たとえ去勢抵抗性前立腺がんだとしても、
去勢抵抗性前立腺がんに対する、前立腺全摘術が、
どのような患者さんで、前立腺全摘術の効果がでるのか、
詳しくは、電子配信で、紹介しています。
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放射線も1度しか使えないですからね。手術がダメなら凍結療法が一般的になればいいのにと思います。
それと、ニュベクオってやっぱりドセタキセルと一緒が推奨されてるんですかね?薬剤の作用機序から考えたら単剤でも十分に効果は見込める気がするんですけどね。 (2023年12月14日 23時59分35秒)
けんけんさんへ
コメントありがとうございます。 放射線療法後の前立腺には放射線は、さすがに当てると、副作用が強いです。 というか、聞いたことがありません。 凍結療法は、可能性があるかもしれません。 転移性去勢感受性前立腺がんの患者さんに対する、 去勢術+ニュベクオ単剤の治療効果が証明されれば、使えると思います。 残念ながら、効果がまだ証明されていないのです。 ニュベクオは、ドセタキセルと併用できるので、副作用はあまり心配しなくてもいいのかもしれません。 (2023年12月17日 19時51分51秒) |