2006/11/24(金)21:52
とある職人さんのぼやき
夜10時過ぎ、ワンコの散歩のために建築中の分譲地を歩いていた。
こんな時間でも例の突貫工事をしている現場のいくつかは電気がついて作業していた。
遅くまで毎日大変だな~・・・
なんて思いながら見ていたら、その現場の職人さんが声をかけてきた。
その職人さんはよく我が家のワンコと遊んでいたそうで、すっかりなついていた。
「今日は頭きて言っちまったぁ。」
と突然言い出した。話を聞いてみると、次々に突貫工事で作業を進めなければならず、現場の人たちはそれは大変なのだそうだ。無理な完成予定に無理やり作業を合わせなければならず、若い現場監督が職人を怒鳴りつけ、怒鳴られせかされた職人はいい加減な作業しかしない。それを周りは見てみぬふりをする。
そんなことの繰り返しにいい加減頭にきてしまったそうだ。
「こんないい加減な仕事をしてお客さんに見せられるのか!!」
「どんなに急いでいても人間相手の仕事だ。怒鳴りつけりゃいいなんてわけがない!」
「言われりゃ夜中だって仕事をするよ。でもそういう末端の苦労をハウスメーカーのやつらはわかってるのか!」
「こんなやり方にはついていけない!」
ということらしい。
この分譲地の中だけでも次々あっという間に家が建ち続けている。
まだまだたくさん建築予定の土地がある。
あと何度こんな家の建て方をすることになるのか・・・。
無理やりな納期で外壁だけでも2~30人の職人を投入して一気にやらせたりするそうだ。
納期を厳守しなくてはいけないことに苛立っている現場監督はものすごい態度で職人さんたちに接するそうで、周りもイライラピリピリしてあちこちで刺々しい言葉が飛び交い、最悪な状況になってしまうそうだ。そりゃぁそうだよね・・・。
この職人さんは見ていると、みんなに声をかけ、ユーモアを忘れずに仕事をしている感じだった。
でももうこの分譲地の仕事には来たくないそうだ。このハウスメーカーの仕事はどこも同じような感じで、いろんな現場で同じようにうんざりして現場を移ってきたという。
みんなやれと言われれば寝ないでだって仕事をするよ、でもそういう苦労を少しでも労う気持ちがハウスメーカーの人間にはない。お客さんに自分たちの顔を見せて腕を見せることのできる仕事をしたいのに、到底無理だ。
人間同士の仕事じゃぁないよ、これでは・・・。
としみじみ言っていた。
上棟から半月で完成したモデルハウスを始めとして、すでにいくつかの家が建っている。
どこの現場もみんな朝早くから夜の夜中まで仕事をしていた。
どういう気持ちで仕事をしているのかなぁと、この職人さんの話を聞いて考えるようになった。
うちが上棟の時に施主の言葉として夫が言った言葉がある。
「現場の皆様にはぜひ元気で気持ちよく作業をしていただきたい」
気持ちよく作ってもらった家は気持ちの良い空気に満ちているんじゃないかなぁ。
刺々しい言葉と怒号の飛び交う中で作った家は・・・・・・・。
そんなことを考えたできごとでした。