恋のような 愛のような

2005/03/19(土)16:29

レールデュタン

女優系(67)

 もちろん彼が嫌いではなかった。  けれど二人目の子供が懐妊してからSEXは拒否した。  私は正妻の立場だった。  彼のフェラーリでプロポーズされたとき三年で離婚する予定で承諾した。   財産の相続の問題があったので、彼の子供を生む決意を固めた。   予定通り3年で別居し、告訴した。  養育費、生活費で9000万円になった。  いま娘たちは20歳になった。  夫は激務で結婚後10年で死亡した。心臓。  数ヶ月して保険会社から8000万円振り込まれた。  彼とは婚前交渉はなかったが、男性経験は人並み以上だった。  別居していた36ヶ月の20ヶ月は妊娠していたが、  かれとの性行為は20回程度だった。  性行為一回が約100万円という計算もできる。  私は若い頃愛しているからという理由で無料のSEXをしたりされたりした。  ある日気がついた、愛とSEXは関係がないことに。  そして彼らが安価なSEXを恋愛と呼んでいることに不思議な感覚を持った。  美辞麗句はいい。私は女に生まれそれを強要される。  男は女を求める。  ではSEXはなにか?種の保存でしかない。  その機能を大人たちはさまざまに利用する。  ある女性SEに職業上の交渉で女を武器にした経験はあるかと聞いた。 「あたりまえじゃん」  清楚な笑顔で彼女はそういった。 「出会ってから半年はさせちゃだめよ」 「うん、なんで?」 「かるくおもわれるよ」  出会って半年以内でする男はかるくないのか?  彼女の記憶は強烈で、散々男と楽しんだ挙句、親会社の幹部候補に嫁いだ。  私はそんなはらぐろい女です。でもいつからそうなったのかなあ?  まあ 女をやってるから資産が増えたけど、  それはそれでハエのような男たちがうるさくなった。  暇になった私はあまり京都にいない。イタリア フランスが多い。  かといって恋愛をしにいくわけでもない。  あまり日本人が好きではない、性格には西洋の感覚のほうが好き。    職業は詩人だが、それで利益はでない。  出版社を2つ所有しているが、実業家ではなく、亡夫の遺産の一部だ。  実家は田舎で、父は公務員をして普通に暮らしていた。  お見合いで母と結ばれた彼は幸せな人生を送っていた、私が生まれるまでは。 「なんであんなやつと結婚したの?」母に聞いたことがある。 「失礼ないいかたねえ」  そんなこんなで私はさっさと奨学金つきで  東京の女子大にいったまま実家にはかえらなくなった。  あえていうならば大学デビューのPTSDだろう。  私はぼけぼけ2年くらい社会人や学生たちのいいおもちゃになっていた。  いいおもいもしたが、やすいおもちゃだった。  それらの恋愛が私の青春というなら、  高校のときわかれた地元密着がたの雄介と結ばれて  母のような安定した幸福を感受すればいい、見飽きた顔の雄介と。  弱気になるとそれをおもった。  今気になってるのは二人の娘たちの恋愛模様より自分の毎日だった。

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