2006/05/14(日)12:18
愛のような恋のような 第200回
貴之は東京からいなくなった、クリスマスの翌朝のフライトで。あれから2年になる。私は彼に愛されているという確信がもてなかった。
狸穴坂で彼のタクシーを降りるとき、最後のHUGをされた。彼はバックシートにすわったまま、わたしをもう一度だけ見てドアは閉まった。
それが最後だった。
霧雨の朝がくると、私のBEDで、眠っていた貴之の寝顔を、彼のいないBEDで思い出す。
いっそのこと、あの夜、彼のその唇にKISSすれば、こんなことにならなかったのかもしれない。
あるいは、いちどだけ私を抱いて、やはり彼は東京からいなくなってしまうの?
私の愛はうすくて、彼をささえることは、できなかった。
彼のメールアドレスに、成人式の写真を送った。
ひとめ みて ほしいと 思った。
貴之
元気でいるの?
夢はかなったの?