恋のような 愛のような

2006/12/29(金)16:18

どうして僕は京都にいるのだろう

 離れて暮らしている。  しあわせそうな、恋人たちが行きかう、黄昏の街を歩く。  僕が東京からいなくなって、二年になって、今年の誕生日には、メールさえ来なかった。ぼくはきみの笑顔さえ忘れてしまった。  きみの人生にぼくは、ふさわしくなろうと、思っていた。  でもそれは僕の愛をもってしても無理だった。  ぼくたちは恋人のような時間を過ごし、それぞれの時間に帰っていった。  僕は東京と一緒にきみを捨てた。  でもそれはきみも同じかもしれない。  東京と京都は、きみにとっては、地の果てなのだから、僕と一緒の人生を、あきらめたきみの、ぼくについてはこれなかったその悲しみをすこし思っても、こうして、二度目の京都の冬がきているだけで、むしろ僕はどうして京都にいるのだろうと、強く感じているのだった。

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