2007/05/26(土)10:32
浴室 5
朝のシャワー、つかれるほど体を洗うが、不浄が清められたかは不明である。浴槽に沈んで本を読む。まだ世界は眠っている。本は安寿と厨子王。よみながらナショナルセキュリティを思った。 浴室、そこは比較的安全な場所だったはずだ。ここにいさえすれば、電話もならないし、不意の訪問者もない。 が、着電のあらしと、やはりこんな時間なのに、ドアベルは鳴る。 浴室、そこになにかあるのかというと、咀嚼する幸せの場所なのか、慙愧の念と立ち向かう場所なのか。しかし、不浄の体というのは、その女たちに汚されたということなのか、ふとその想念が浮かんだ、我々はいったいなにを浄化しようというのか、無地のシーツはふたたび洗浄とアイロンを必要とするのに、我々のしわくちゃな情念というものは、どういったアイロンでチェックインした直後のリネンのように回復できるのか、僕は湯あたりして、BLOGをかくために、タオルを肩にかけ、その浴室を出た。