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カテゴリ:書籍紹介
村上春樹著「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋)を読んだ村上春樹といえば「ノルウェーの森」とか「1Q84」で有名な売れっ子作家だ。 その彼がトップランナーということを知らなかったし、ほぼ毎日のように10キロ以上を走り、夏にはトライアスロンにも出場するようなアスリートだとは思っていなかった。 書店でおかしなタイトルのこの文庫本を手にとって、何ページか読んでみて、その辺のことがわかり、読んでみようかと購入した。 タイトルの「走ることに・・・・・」というのはどうやら彼の敬愛する作家、レイモンド・カーヴァーの短編集「What We Talk About When We Talk About Love」からの引用と書いてあるのだが、レイモンド・何チャラ?・・を私は知らない。 この本によって、村上春樹が作家になるまでの経歴や、作家になってから送っている生活が非常に良くわかった。 彼も書いているように、作家につきまとう我々の勝手なイメージは、
といったところ。 しかし彼の生活はそんなイメージとはどうやら180度逆のもの。
いう非常に健康的なものだ。 33歳頃からランニングを初めたらしく、既に30回ほどフルマラソンを完走している。 トライアスロンにも本気で取り組んでいて、近年は必ず夏に1度出場しているようだ。 自分もたかだかここ2年ほどだが、走っている。 ランナーはランナーのことが好きだと思う。同じ苦しみや楽しみを知っているもの同士、必ず気が合うと思っている。 ランニングは誰にでも受け入れられるスポーツではない。 勝敗があるわけでもなく、サプライズも少ない。チームメイトもいなければ、盛り上がる場面もない。 ただただひたすら自分の限界を少しづつ高めていって、決められた距離を少しでも早くゴールすることが目標。周りにはライバル達が走っているものの、実は出場ランナーというだけで、「敵は唯一自分」という考え方の人が殆どだろう。 この本を読んで売れっ子作家の村上春樹も同じ趣味を持つ仲間という風に感じられた。 彼の著書の独特の言い回しが、ノンフィクションのこの本にも随所に見て取れて面白い。 ランナーなら皆が感じている感情を実に上手に表現してくれていて楽しいしうれしい。
ランナーはみな読むべき本だと思うが、ランナー以外は読まなくていいかもしれない。 今年の目標をフルマラソン1本完走としている自分にとっては凄く凄く刺激になる楽しい本だった
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Last updated
2010.06.25 06:48:43
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