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教えない教育実践日誌

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2004.09.27
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カテゴリ:よもやま話
「絵本の読み聞かせ」はあちこちで学力を上げる方法として推奨されているみたいですね。みなさんの書き込みを読みながら、そんなことを思いました。

今日、本屋さんで手に取った教育書にも、そんなことが書いてありました。「親は子どもが本に触れる環境作りをすべきです。親が本を読んでいる家庭というのが理想です」と書かれた後に、「でも、自分は本を読まないけれど、子どもは本好きに育てたいという場合がありますね。その場合有効なのは読み聞かせです」

あのね、と思わず突っ込みそうになりました。立ち読みなのに…

親が本を読むのが嫌いなのに、子どもは本好きにしたい?子どものことを言う前にまずは自分でしょ!

なんか、こういうのがとってもダメなのです。自分のことを棚に上げて、子どもをなんとかしようと言うのが…

そりゃ、気持ちはわかります。

私はずっと体育は苦手で2ばっかりでしたから、子どもはなんとかスポーツをさせたかったですよ。

でも、「好きじゃない」のを無理にさせようとするのはおろかです。だいたい遺伝子というものがあって、私の子なんだから、体育が5のワケはないです。

せいぜい嫌いにならないように気をつけるのが関の山。

(娘は大学生になって心底ホッとしているようです。体育は必修じゃないからね。)

話がそれましたが、学力云々はともかく、本を読むのに抵抗がない子どもというのは、身の回りに本がたくさんあるというのは言えるような気がします。

子どもが小学校になって私が目をつけたのは図書室でした。

図書室で本をたくさん借りてくれればあまり本を買わなくてもいいかも…という姑息なねらいもありますが、生徒だった頃、私にとって図書室は、知らない本に出会うための大事な場所だったからです。

はじめての参観日に、ついでに図書館ものぞいてびっくり。絵本はほとんどなくて、同じ本がズラッと40冊…

どおりで子どもが借りてくる本が何とも面白くない本ばかりだったわけです。図書室に面白い本がないだもん!

小学生は絵のついた本を読まないという先入観でもあったのでしょうか。

そのあたりから私はじわりじわりとPTAに足を突っ込みはじめました。

正解は「誰も本の選び方を知らなかった」なんです。司書とは名ばかりの事務処理の人がいて、本の購入は教師に任されていて、先生も何を買って良いかわからないから、めんどくさくなって、教科書に出てくる本を、40冊…図書室で授業をするためだったのでしょうか…

何度か図書室に通って偵察をする度、がっかりでした。しかし、一介の母親が、先生に向かってこんな本を入れた方がいいですよって言えるわけもなく、一計を案じて、レポートを書きました。

この中では思いっきり書きましたよ。「本を読むことは学力向上につながる」と力説しました。それから、読み聞かせのことも…

その下に「よい絵本」のリストをつけました。絵本が特にひどかったので…

この計画は結構うまくいきました。先生方も気にはなっていたんでしょう。何でも、タイミングよく図書券の寄付があったとかで、リストがそのまま通って、図書室に絵本が入りました。

年度初めに3年くらい書いたでしょうか、この推薦本のリスト。最初は自分の知っている本、子どもが好きなのを確認済みの本を並べればよかったのですが、だんだん困って、知り合いの絵本やさんに相談しました。

子どもの本だけを扱っている本屋さんがあって、私は子どもに絵本を買ってやるときはそこに連れて行っていたのです。

だって、子どもが「これ買って」って選んでくる本を、次々「それはダメ」って言いたくないでしょ。ダメな本というのは明らかに商業ベースで発行されている本のことです。ゲームのキャラクターを使った本とかね…

その絵本やさんには、オーナーの方針でそういう本は一切置かないのです。だから、どの本を選んでもOKでした。

その絵本やさんのオーナーに、子どもの図書室を見てくれるように頼み込んだのです。「こりゃひどい!」ということになり、彼女を司書に紹介して、購入業者に加わり、推薦本を持ってきてくれるようになって、図書室はどんどん変わりました。

椅子と机だけだった図書室の一角に、子どもが座ったり、寝そべったりして本が読めるような空間を作ったり、絵本を並べる本棚を表紙の見えるものに変えたりして…いまはどうなっているでしょうね。

私がお世話になった絵本やさん「花の小人」は数年前閉店してしまいました。オーナーは大学講師になって、絵本を通して幼児教育を教えているようです。

書きながら、「図書室をなんとかしたい」と思っていた自分を若かったな~と思います。





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Last updated  2004.09.28 00:29:31
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