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大学が休みに入って、ぼちぼちフランス語の勉強を続けていますが、今年はできるだけフランス映画を見ようと決めています。
桜坂劇場にフランス映画がたくさん来ることがわかったから… 聞き取りには、なかなか良い練習になります。 と言うわけで、今日選んだのは『灯台守の恋』 フランスの西のはずれ、ブルターニュの島の灯台のお話しです。 フランスというと思い浮かべるのはパリですが、実は地方には違った文化がたくさんあって、このブルターニュも独特のケルト文化を持っている土地です。 日本人が思う「フランス人」って、個人主義で、オシャレで…と思うけど、田舎に行くと本当に泥臭い人間関係があるんだそうです。 舞台が1960年代だからなおのこと。負傷して兵役を除隊になって、灯台守を志願してやってきたアントワーヌは、「よそ者」扱いされるのです。 アントワーヌが下宿することになった家には、灯台守のイヴォンがお母さんと妻と暮らしています。その妻マベと恋に落ちてしまう… 許されぬ恋…しかも、はじめはかたくなにアントワーヌと親しくなろうとしなかったイヴォンは、二人で灯台守をする間に、次第に心を開いていく。 アントワーヌは限りなくおだやかで優しい性格。 何とかして、この気持ちを抑えようと下宿を変え、マベから遠ざかろうとするのに、革命記念日の夜、マべを抱いてしまう… それを見ていた男がいて、告げ口をしてしまう。 二人きりの灯台で、イヴォンとアントワーヌが向き合わざるを得ない現実。 大波が洗う灯台のデッキで、二人の争いと、海にさらわれそうになったアントワーヌを、必死で助けようとするイヴォン。 すべてを波が洗い流して、はかない恋が終わる。 たった2ヶ月灯台守をつとめただけで去っていくアントワーヌ。 そして彼は作家になったらしい。 何十年もたってから、この話は本になって、イヴォンとマベの娘に届く。 二人が亡くなってしまった後に、思いも寄らない恋物語として。 もしかしたら、自分の本当の父親はアントワーヌかも知れない。 父と母と、その恋人。 人の人生には必ず物語がある。どんな作られた物語よりも尊い物語が。 そして、マベという女性の人生に、誰かの言葉を思い出しました。 女は、結ばれぬ恋であっても、それを心に持ちながら一生を生きることができる。 「マディソン郡の橋」もそんな物語でしたね。 駆け落ちという手もあるんだけど、女たちはそれを選ばない。 現実に家族を捨てて出て行った女たちを私は何人か知っています。 それが幸せな選択だったのか、端で見ている私にはわからない。 でも、思いを心の奥に押し込めて、家族を壊さないマベの生き方は、もしかしたら、女性はこうあってほしいという、男の人の望みなのかも知れないと、ふっと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.02.20 22:40:38
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