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2005年02月26日
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カテゴリ:ビジネス
辛い人生を送ってきたのね、って人は云う。
自伝書いたら売れるかもね、とも云われる。

実はそんなに苦労した気がしない。至ってお気楽に暮らしてきた。
それは僕の周りにいる人達の血の滲むような努力のお陰だ。
今ならば理解できるのであるが。


何不自由のない生活が一変したのは小学3年のとき。

親が離婚した。

僕は父や母の間をいったりきたり、挙げ句の果ておばさんの家にまで預けられた。
この頃子供ながらにも本音を隠して上っ面だけの付き合いかたを身につけた。
可愛くない子供だった。


僕らを引き取った母親は水商売に身を転じた。
生きるためならば仕方がない。
そんなこと子供心にはどうでもいいことだった。
ただ母親と話す機会が減ったことだけが不満だった。


転校した学校でも独り。家に帰っても独り。
眠れぬ夜は膝を抱えて時計を睨んだ。
母親が帰ってくるまで時を数えていた。

朝は独りでトーストを焼き、目玉焼きを作って食べた。
小さな妹も黙ってもくもくと食べていた。
疲れ果て寝ている母親を起こさぬように。
そーっと。そーっと。


胸にはいつも大きな石が詰まっていた。
決して外れない大きな石。
まるで口から放たれることばを遮断しているかのように。
このまま話さぬ人生が永遠に続くのだろうと思っていた。
それでも生きられるのだ。

トーストを食べて時を数える。それだけ。
例えそれが日課でも生きられるのだ。


ある日、母親の会社の同僚がやってきた。
髪はロン毛にアフロヘア、派手なネクタイ。洋モク。
テレビの世界でしか見たことのない人種だ。

「初めてだな、お兄ちゃん。よろしくなぁ」
真っ黒に日焼けしたアフロの髭さんは人懐こく笑った。
その後ろには眼光鋭いロン毛の男が佇んでいた。
アフロの髭さんよりは幾分若そうだ。
時折見せる笑顔の奥の瞳が優しさを証明していた。

このときの出会いは案外悪くなかった。
むしろ彼らに親近感、それ以上の安心感を感じた。
不思議なオーラを感じた。

話しは面白かった。
どこまでも続く夢と浪漫のおとぎ話。
自由な生き方に憧れを抱いた僕だけのカリスマ達だ。

当時のこの街で一番流行っていた店を切り盛りしていた男達は
凄まじいほどのエネルギーを発散していたのだろう。
年末にもなれば万札が店内を舞っていたという。
本当のことだ。


日曜日には片親の僕らを遊びに連れていってくれた。
店が終わるのが朝方の4時、そのまま車を走らせて海釣りに連れていってくれた。

徹夜で他人の子供の相手をする。
そう簡単にできることではない。

彼らに休みは無かった。
年中無休。当時は流行っている店の宿命だった


正月にはお年玉。
ただ渡すわけではない。

朝までインディアンポーカーで勝負した。もちろんお金を掛けて。
夜が明ける頃に僕が一人勝ちして幕を閉じた。明くる年もその翌年も。
どんなに冷静に考えてもみても僕が勝つわけない。
だってこのときまだ小学生なのだ。

彼らは見事にゲームをコントロールしていたのだろう。
お年玉一つにしても、粋な渡し方だった。


胸に詰まった大きな石はいつの間にか消えていた。

周りの友人達が母親に怒られながら勉強している頃、
彼らから楽しく生きることとは何かを学んでいた。

僕と妹は強く確実に歩き出した。目標に向かって歩き出していた。
迷うことは何もない。ハンディなんかも感じない。
世界のルールは彼らが作っていてもおかしくないと思っていた。


しかし・・・・


時が過ぎ、僕が志望の高校に入学する頃、
アフロの髭さんは静かにこの街を離れていった。
時代の流れはいつだって残酷で鮮やかだ。

僕にとって大きな変革をもたらした張本人は、
夢と浪漫に溢れたお話と、人懐こい笑顔だけを
僕の心に残したまま、この街を去っていった。

一方で、眼光鋭いロン毛の男は僕の第二の父親になった。
まるで自然なことのように。
山奥の湧き水が川にそそいで海にたどり着くように。

どこまでも優しく懸命で真面目な人柄である。
30年近く経過した今も全く色褪せることがない。

すっかりじいさんになってしまったが、
時折見せる笑顔の奥の優しい瞳は健在だ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


この物語はこれで幕を閉じたわけではない。。。


昨年末に、出先の街で偶然アフロの髭さんに出会ったのだ。
身体中に稲妻が走った。

「あの頃はありがとうございました。・・・○○です」

驚愕の表情。堅い握手。そして時を超えた抱擁。
彼の身体全体から大きなエネルギーを感じた。

お互いが涙をながして笑った。。
彼の人懐こい笑顔は時が経ってもそのままだった。


変わったことと云えば、

僕の背が彼を越したことと、
彼が想像できないほどの大物になっていたことだった。









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最終更新日  2005年02月27日 00時51分03秒
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