ちびとら７の徒然なるままに‥

空手を習い始めて１年半の上の娘（小４）が
初めて対外試合に出た。

朝から、「きんちょうする～」と言って食欲も減退。
「どんだけ喰うんじゃ～～ッ！」というくらい食べるのに。
（体格は、るいそう＝羸痩、つまり、痩せすぎなのだが…）

うちの上の娘はほんとに落ち着きがなく、へなちょこ。
で、水色帯の７級に上がったばかり。

試合は小さい子から始めるので、うちの子の順番は
試合開始から２時間半後。
その間も、落ち着きなく、「お腹が痛くなって来た…」
「吐きそう…」などとのたまう。

初戦の相手の子は女の子で身長は同じくらいだが、
体格がよく、黄色帯だ。（６級か５級）
おまけに鋭い目つきで、娘の周りをうろうろ偵察？に来る。


いつまで経ってもふにゃふにゃの娘に、景気づけに、
「よし！１試合勝ったら、あそこの○ニーズで帰りにご飯、食べよう！」と私。
娘：「ホント？！」
私：（食べ物に釣られおって…）
　　「んで、２試合勝ったら、ステーキ食わしてやる！」
娘：「え～～～！ホントッ？！」
私：「３試合勝ったらステーキの上にイクラを乗せてやるッ！」
娘：「うん、がんばる…」


まぁ、１試合目にあの頑丈そうな女の子にボコられて終わりだろう…


言葉で慰めてもあまり効果がない。
仕方ないので、心身のウォーミングアップも大事かと
手首にシャツを巻いて、ハイキックの練習の相手をしてやった。
頑強な母で良かった…（自分のことだ）

自分の出番が近づき、「はい、Ａクラスの子はここに並んで～」と
言われると、娘はその列にへたり込む。
周りの子は、うきうきさえしているように見える。
前の男の子と隣の女の子（初戦の相手）が娘を覗き込んで、
「水色帯って何級なの～？」と明るく聞いたりしている。
道場によって、帯の色が若干違うのだ。

娘は身体を曲げて、「８級…」と答えるのがやっと。
おいおい！　７級に上がっただろ～！　少しは威嚇しておけよ～！
母（私）が後ろから、娘を威嚇しながら囁く…

いよいよ会場に入ると娘はさらに身体を折り曲げて、
「お腹が痛い…」と言い出す。
ダメだこりゃ…

仕方ない。試合に出るだけでも怖いんだから…
ヘッドギアを着けるとはいえ、女の子は少ないし、極真だ。



結果は・・・


１試合目は、強そうに見えた女の子は、パンチもあまり出ず、
結構、簡単にハイキックが入って勝利。

２回戦目は、ひょろっと背の高い緑帯（４級、３級）の男の子だったが、
初戦の勝利で少し自信が付いたのか、パンチもキックも出て
あれよあれよという間に１分が立ち、これまた勝利。

ハイキックの練習をしておいて良かった・・・

３回戦は胴の太いがっちりした男の子で、これまた緑帯。
でも前半はハイキックが数本入り、押していたが、
後半、接近戦に持ち込まれ、みぞおち２発入って泣きながらダウン。
負けてしまった・・・

師範に蘇生術を受けるほどの騒ぎになったが、少し苦しくなっただけで
あとずっと泣いていたのは、痛かったからよりも負けたから、らしい。
でも、３位の賞状をもらった。

へなちょこだと思っていた娘が、初めての対外試合で
３回戦まで行ったのは、心から褒めてやりたいと思った。。



劇団に入って演技やダンスを習い、
体育クラブでラグビー等をやり、
書き方で字を習い、
空手をやっているが、
何をやっても、「そこそこまで」しか行かず、
やる気ものれんに腕押しの感があった。
母親の私が消化不良を起こしそうだった。

どれも親が押し付けでやらせているわけでなく、
本人が「どうしてもやりたい！辞めたくない！」というので
続けている。

が、空手は別だ。
よくある、“親の夢や思いを子どもに押し付けようとする”、
空手に関しては、紛れもなくコレだ。

まぁ、本人も好きで週２回以上通っているが、
私自身も、空手だけは辞めさせたくない。
私自身が通学や通勤の帰り等に、怖い思いをし続けて来たので
絶対に護身術として身につけさせたいのだ。


なので、娘が不安に押しつぶされそうになりながらも
己に勝って二勝をあげたことは、これまでの９年半の人生の中で
最も嬉しい出来事であった。


あれから娘も少し自信がついて、さらに稽古に気合が入った。
師範からも「試合を経験して強くなったな」と褒められたそうだ。


試合帰りのご飯はと言うと…

娘自身が興奮覚めやらず、接近パンチ攻撃を前蹴りで避けられず
負けた悔しさで食欲が減退。
ピザ２切れとスープだけ飲んだ。

食欲の落ちた目の前の娘が、一回り大きく見えた。


帰りに自宅の最寄の駅に着いて、
「今日、ママはとっても嬉しかったよ～。ケーキ買っちゃるッ！」
と言って誕生日でもないのに、苺のデコレーションケーキを
買ってやった。

帰ると、食欲も戻って、下の娘と一緒に喜んで食べていた。


今後の課題は、接近戦に持ち込みたい男の子相手に、
下がって後ろ蹴りをどうタイミングよく入れるか、
というところか。

アマゾンで、黒帯女子大生の道場の稽古ＤＶＤを注文した。