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バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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カテゴリ:映画/エンタメ
 ジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』、ようやく観ました。もうずっと手元にあったのですが、なんかもう一つ手が出なくて。
 一応アーサー王伝説をモチーフにした映画の中では、広く流布しているイメージに忠実(サー・トマス・マロリー『アーサー王の死』に基づく、と銘打っているだけあって)ということになっています。
 確かに、アーサー誕生から聖杯探求、そしてアーサーの死まで、長い長いお話を丁寧に網羅しようという試みには脱帽。でも、いかんせん無理があるんだろうなぁ、やっぱり。しかも、確かに忠実で正統派な作りなんですが、後半いきなりちょっとシュールというかキッチュになる。なんなんだろう、この落差。ダイジェスト的に見えてしまうのも、基本的にはアーサー王の物語を知っている人向けに作っている感があって説明を割愛している箇所が多いからでしょうか。
 ともあれ、大泉洋似のアーサーに、なで肩のランスロット卿、円卓の騎士で字幕に名前が挙がるのが、これにパーシヴァル卿くらいで、ガウェイン卿なんか会話の中で名前が出るものの、なぜか円卓の騎士解体の火付け役になる汚れ役に。ムムム???逆に、大概名前すら出てこない“意地悪・ケイ卿”が、なぜか最後までいいヤツに描かれている&結構出番多い、という点では珍しい作品かも。
 もちろん、アーサーを破滅させるモルドレッド卿も出てきます。これがクールでダークなハンサムボーイ…なんだけど、なんで古代ローマのグラディエーター風甲冑よ!?しかも、黄金の変な甲冑(笑)。
 不良中年風マーリンもなかなかイイ味出してましたね。一般的なマーリンのイメージって、多分この作品のマーリンが近いのではないかと。あぁ、そうか。アーサー王伝説に、おとぎ話のように馴染んでいる文化圏の人々にとっては、アーサー王とランスロット卿の関係より、アーサー王とマーリンの関係の方がメジャーな軸なんだなぁ、とこの作品からも痛感。ランスロット卿に、物語上必要な程度以上の思い入れを抱くのは、きっと西欧世界ではマイノリティなんだろうなぁ。ある種“萌え”の文化。
 本作品、一点個性的なのは、聖杯の解釈。聖杯の意味、力、そしてその仕えるところは何か。この映画ではガラハッド卿ではなくパーシヴァル卿が聖杯探求に成功するのですが、聖杯に対する彼の答え=監督、およびアーサー王の用意した正解、というのがユニークでした。順当に考えれば納得なのですが、ついキリスト教的な解釈に馴染んでしまっていると、ちょっと出てこない答え。つまり、教化主義的でも哲学的でもない。思弁的でもなく、とても個人的なこと。聖杯の謎を、パーソナルな心的空白、虚無感や疎外感で説いたのはかなり果敢な試みではないかと思います。(了)


(DVD)エクスカリバ-

「旅から、音楽から、映画から、体験から生死が見える。」 著書です:『何のために生き、死ぬの?』(地湧社)。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。





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Last updated  2008/09/16 02:27:52 PM
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