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玉川レディースクリニック カウンセリングルームのブログ

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TLC鍼灸院のブログ ケろりんさん

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2016.09.29
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カテゴリ:妊娠
こんにちは
カウンセリングルームです
本日は看護師長が記事の担当です
私は助産師です

大学にいた時、もう20年くらい前になってしますが
流産や中絶の看護を専門にしていました
そのころは心のケアといっても試行錯誤状態で
病院では専門的なケアはあまり行われていませんでした

流産も中絶も女性にとってとてもつらい状況
それぞれの女性のおかれた
心理的な状況は異なりますが
ツラく悲しい経験であることには間違いありません

なんとかケアしていくことはできないかとずっと考えていました

流産も中絶もどちらも「妊娠の中断」ですが
今日はそのうち
「流産」のお話をします

皆様は
「流産率」・・・どのくらいかご存知ですか
全妊娠ですと
10~15%くらいといわれています

ご存知とは思いますが
40才を過ぎた妊娠ですと
その割合はかなり高くなります

月経の時期がすぎてもこない
尿検査にて妊娠検査をすると「陽性」がでる
待ち望んでいた方には
このうえない喜びを感じます

初めての妊娠の方だと
「母親」になる喜び
二人目以降の方ですと
「子どもに兄弟ができる、家族が増える」と
様々な喜びに浸る瞬間でしょう

月経が遅れたのに気づき
妊娠検査を自宅にておこない
病院に受診するのが5週から6週くらいのころでしょうか


受診をする時点で
出血や下腹部痛のような流産の徴候の現れている方もいれば
胎児の成長をおっていく中で発覚する「稽留流産」
順調に経過していたが突然おこる出血や下腹部痛の「進行流産」

他にも種類がありますが
切迫流産を除いて「妊婦さん」だった自分が、
突然、妊娠の継続が難しい状況におかれてしまいます

予期できる流産もありますが
流産の症状は突然やってきます
そして病院で告げられる「流産」の診断

受け止めるのはとても難しいと思います
あまりにも突然で
愕然とされる方が多く
自分のこととして受け止められないご様子の女性を
傍らで見守ってきました


多くの方は「喪失」と「悲嘆」というプロセス
という心のプロセスをたどるといわれています
そのプロセスは4段階とか12段階とか
研究者によってプロセスが異なりますが
どのプロセスにも共通するのは

最初に「ショック」を受け
「立ち直る」段階に至るまで
「怒り」や「悲しみ」「代償」など様々な状況をさまよいながら
立ち直っていくプロセスです

流産のショックから癒えるのに
どのくらいの時間がかかるの・・・?
本当に個人差があって何ともいえません

私が患者様に聞いたお話の中で
長きにわたって流産の悲しみの中にいる方として
思い出すのは、一人のご高齢の女性です

その女性は、最初の妊娠が流産してしまった方で
その傷が癒えたことはないと悩んでいらっしゃいました
もう年だから、この気持ちを抱えたまま棺桶にはいりますと
少しほほ笑みながらおっしゃっていましたが
その表情は暗く悲しそうでした


その方は結婚して間もないころ
最初の妊娠が流産でした
その後に何人も子供に恵まれ、
両親や義理の両親も
「次があるから」「よくあることよ」と
悲しんでいる自分をかまってもらえなかったといいます

その昔・・・
カウンセリングなんて存在しなかったし
夫は亭主関白で、
高度成長時代で忙しく家庭なんてかえりみない
自分は夫や家族、両親の世話、家事に追われ
自分のことをケアする暇なんてできないし
友人に「流産」のことを相談するなんて
考えたこともないと、そういう時代だったそうです
一人、ツラかったとお話されていました

この方の妊娠期は「高度成長期」
そのころと今とは社会的な状況が違っていますが
今でも「一人で耐えている」方は少なくありません

現に、ネット上の相談コーナーには
流産の悲しみを訴える女性の話が
たくさんでてきます
「いつになったら癒えるのだろうか」
「夫に話すと【またか・・・】という顔をされる」
「誰にも相談できない」
「心が不安定でどうにかなりそうだ」
「次の妊娠がこわい」
心の支えがなく不安定な状況の女性の声が多数・・・

そんなときには
カウンセリングを受けていただいたいな・・・と思います

「女性の心の重荷をおろすお手伝いをしたい」
と私どもはカウンセリングを立ち上げています
こんな小さなクリニックで
臨床心理士によるカウンセリングのある施設は
多くはありません

ですが、
産婦人科に長く勤務してきて
「一人で苦しんでいる」声を多数聞いてきた中
カウンセリングによる専門的ケアは
女性のライフサイクルにおいて
とても重要だと思っています



患者様から・・・よく聞かれるのは
「話をしただけで楽になるの?」とよく聞かれます
臨床心理士は話のプロです
看護職の私とは一味も二味も違います
場の作り方、話の展開、話し方、表情、言葉の選び・・・
そのどれをとってもすごいなと同僚ながら感じることが多々あります

臨床心理士はカウンセリングでは
皆様のおかれているツラい状況を
細かく細かく聞き、
触れてもらいたくない部分については
さりげなく配慮し、ソッとしていてくれます

「どうやったら楽になるのかしら」と質問してくだされば
皆様の状況にあった心のケアの方法を一生懸命考えます
「こうやれば~」的な
ハウツー本のように簡単に答えを導きだしたりはしません
個々の患者様に合わせたパーソナルケアを行っています

カウンセリングを受けてもらったことにより

少しでも心が軽くなるように
ツラい状況から少しでも改善できるように

そのことを願い私どもは
カウンセリングを続けています


まだ悲しみのど真ん中にいるときは
話すことがツラすぎて
何も話したくない時もあるかもしれません
その時はお話いただかなくてもかまいません

常に皆さまの心の状態に合わせて
傍らに寄り添っていきたいと考えています

流産の経験をした人の数(年間)・・・
現在の日本の出生数が100万弱です
その1割ですから、10万超の数
驚くべきたくさんの女性が流産していることになります

「残念だけどよくあること」で片づけるのはツラすぎます
ご自身の心を強くするだけでは立ち直れないこともあると思います

先ほど
一人の女性のエピソードをお話しましたが
悲しみや喪失感には、個人差があります


ツラいと思ったとき
私どもにご相談ください





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Last updated  2016.10.24 23:55:11
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