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ウルトラマラソンに魅せられた自然派ランナーのブログ

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2022.09.18
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カテゴリ:マラソン
第5回うつくしま、ふくしま。JR(ジャーニーラン)、初参加となります。
昨年(2021年)の荒川JRにファンランとして千住新橋までランナー達と並走した時、SAJ(NPO法人スポーツエイド・ジャパン)の大会ではスタッフ兼ランナーとしてお馴染みのMYさんにこの大会の素晴らしさを走りながら紹介して下さいました。
昨年は前後半ハーフのみの開催でしたので一旦見送り、というか、エントリー期間に気付けなかったため逃がしてしまい、今年6月、妻と共に1泊3日で下見ドライブをして、福島の大地の美しさに触れ、そして今年エントリー期間を見逃さずに参加に至りました。

大会概要を申し上げますと、福島県浜通りの南相馬を起点とし、阿武隈高地を西へ横断し、福島から中通りを南下、郡山から会津地方を反時計回りに一周して郡山に帰って来るという福島県内を251Km走るJRで、毎年9月三連休に開催され、土曜日16時に出発、月曜日18時に終了となるSAJ主催の大会です。


開催目的は、
① 日本の原風景を残した「うつくしま、ふくしま。」の様々な魅力に触れながら多くの人達と豊かな時を共有する事。また、その魅力を広く発信する事。
② 2011年に発生した福島第一原子力発電所の事故による甚大な被害を被った地域の復興に貢献する事。
です。
2018年、第1回の開催時は、地元南相馬市長や地元後援者の挨拶に対して、会場からすすり泣く声が聞こえたというMYさんの言葉を聴いて、また、どのエイドでも地元の方々が優しく接してくれて感激であったというMYさんの感想が心に響き、是非とも参加したいという気持ちになりました(MYさんはしっかりと開催目的を果たされております!)。
コロナ禍前は平塚24時間走と時期が重なっておりましたので、存在すら知りませんでした。

私にとって、二晩の夜通しランはみちのく津軽JRに続いてであり、どの辺りで眠くなるか想定できる大会ですが、やはり二晩通しは辛いです。

2022年9月17日(土)16:00、館山代表の笛の音で152名のランナー(内女子27名)が南相馬市道の駅南相馬を出発、ISさんと共に「今から走るという緊迫感ゼロですね?」「未だ気持ちの準備も出来ていないです」等々話しながら進み始めました。


先ずは西へ向かって進みます。
暫くすると、私の名前を呼んで声を掛けて来るランナーが居りました。
3年前の横須賀・三浦みちくさマラソンで知り合い(2019年5月25日記事参照)、今年は川の道3日目上田駅前にて並走の上、上田城跡公園にて写真を撮って下さった上田在住のHTさんでした(5月2日記事参照)。
その後、HTさんも川の道ハーフを完走する実力のあるランナーなのですが、今年の横須賀・三浦みちくさマラソンにて前半抑えて走っていたら、あの明らかに設定ミスと思われる三浦海岸の関門に引っ掛かってしまい(5月28日記事参照)、54Kmで終了となってしまったそうです。
その酷い関門ネタを話していたら話に加わって来たランナーが居て、やはり三浦みちくさに参加された神奈川県在住のTYさんで、TYさんは完走できたものの、三浦海岸はギリギリであったようで、やはりあの関門はおかしいと話されておりました。

原ノ町駅を越える跨線橋に間違えて向かうランナーと蟻の行列の如く連なって行くランナー、「そっちじゃないよ~!」の声で皆戻って来ます。
錦町で斜め左に入る箇所を直進して行くランナーと連なるランナー、此処はすぐに合流するので放っておいて、常磐線の線路を越える頃には前から4、5人目位に居りました(16:11)。


南相馬市役所交差点を右折し、此処から相馬へ向かって北へ進みます。
トップ集団というよりは、ズラーっと長く列が出来ております。
近くにはISさんがいつもの通り安定した優しいピッチで走っております。脚をポンポンと垂直に地球に着地させているので転倒しないロングランナーで、見習いたいです。
また近くには2018年川の道優勝ランナーTYさんがワラーチで走っております。今年の川の道は513Kmをワラーチで完走、本当に強いランナーです。

日中の浜通りは28℃と気温が高かった時間帯もありましたが、今はそれ程暑さを感じないのですが、湿気が多い感じで、気の所為か身体が重たく感じます。

軽い上り下りを繰返し、目の前には鹿島地区の街並みが広がり、真野川を鹿島橋で渡って街中に入ります(16:59)。

既に西日が傾いており、秋の早い日没が近付いて来ました。本日の日の入は17:42です。


道の駅そうまの横を通過した辺りで日没を迎えました。未だ明るさはありますので、夜間装備はもう少し後でも大丈夫そうです。
此処で初めて持参したペットボトルの水を1/3程飲みました。思ったより咽喉が渇きます。

妻と下見ドライブに来た時に給油したGS横を通り、潜石交差点を左折し、相馬市街に入ります。
沿道応援もあり、声援に応えました。
AEON、かっぱ寿司、CAINZ、ケーズデンキ、ヤマダ電機、イエローハット、ツルハドラッグ、コメリと、全国チェーン店が密集しております。

いよいよ暗くなりましたので、前照灯、後照灯、眼鏡を装着しました。

百槻交差点を左折、宇多川沿いに常磐線を潜り、川を渡り、SAJのスタッフに迎えられ、相馬市フレスコキクチ相馬店(CP1-22.1Km)には18:12着。

薄揚げ入り素麺、鮭お握り、ファンタグレープ×2杯、コーラを頂き、

館山代表に集合写真を撮って頂き、西に向かって18:17出発。


少し前に2人のランナーが見えます。
内一人はISさんで、この二人の前にも2、3人走っているようです。
相馬中村城跡の横を通過します。妻が興味を抱いていた名所です。
住宅街を抜けて、国道115号に合流し、右折して福島を目指します。
相馬ICの信号で3人のランナーと合流しました。ISさんは更に先へ行かれたようです。

浜通りから中通りに抜けるためには山を越えなければなりません。
阿武隈高地の国道115号は標高491mを越えます。
相馬は海沿いの街ですので、ほぼその標高を駆け上がって行く形になります。

息を切らさない程度に上って行きますが、味噌タンメン&なみえ焼そばのお陰でスタミナは十分、思っていた以上のペースで進めております。
暫くすると後方からかなり速いペースのランナーが爆走して来て、一瞬にして抜き去って行きました。「えっ!?」
私の前を走っていたランナーも次々と抜かれ、皆その速さに驚いております。
あっという間に爆走ランナーの背中は夜の闇に包まれた山の中へと消えて行きました。

坂の傾斜がきつくなって来て、前のランナーに追い付き、更に前のランナーはセブンイレブンへ入って行き、その前方には爆走ランナーに続いて2番手を走るISさんの背中が見えて来ました。
普通に考えればISさんに追い付くのはかなり困難な筈ですが、ISさんはペースを落とされたのか背中が徐々に近づいて来ました。
暫くして合流し、開口一番「一人爆走して行きませんでした?」「あれはジャーニーじゃないでしょ」「短距離走でしょうか?」「絶対に途中で潰れますよ」等々、爆走ランナーネタで盛り上がりました。
今回ISさんは「ジャーニー」という言葉に拘りを持っておられるようで、館山代表にも「もっとジャーニーを楽しんで下さい」といった内容の事を言われたようです。
今まで以上に道中を楽しむ事を目標とされているそうです。
私も川の道は既にその領域に入っておりますが、如何せんこの大会は初参加なので勝手が分からず、余裕を持って走れるのか心配が尽きません。

暗い山間の道、自分達の照らすライト以外は漆黒の闇です。
暫くすると前照灯が徐々に近付いて来て、我々二人の影がチラチラと闇に照らされ、一人のランナーに追い付かれました。
ワラーチのTYさんでした。
開口一番爆走ランナーネタでした。
TYさん曰く、先頭を行くランナーはMSさんという20代のランナーで、山間のアップダウンの激しい100Km大会で7時間台を記録した超速ランナーだそうで、道理であの速さとISさんと共に理解したものの、ISさん「いやいや、でも潰れるでしょう」、TYさん「前半しか持たないでしょう」、私「MAさん(川口の断酒ランナー)が此処に居たら説教するでしょうね。もっと謙虚に走れと」と笑いを誘いました。
後でスタッフから聞いたのですが、元々明日以降用事があって朝一の新幹線で郡山(中間地点)から帰らないと行けなかったようで、124Kmでゴールする走りをされていた訳です。

山道は更に傾斜を増し、ISさんとTYさんに付いて行けなくなり、二人の背中は徐々に遠退き、暗闇の中単独走となりました。
夜空には沢山の星が広がっており、カシオペア座が示す北極星は右に見え、西進している事を確認できました。

暑いという感覚ではないのですが、気温が下がらず、咽喉が渇きます。
夜の闇の中ヘアピンカーブ、くねくね道を上り続けながら進み、東北中央道を潜る辺りではペットボトルの水が無くなりました。
間もなく浜通りと中通りの分水嶺となるアブアブステーションですので、其処で水を購入しようと思います。

分水嶺とは言いつつも阿武隈高地ですので、高原の広い地形の中で水が其々の方向に流れ出るのですが(宇多川が東へ太平洋へ、石田川が西へ阿武隈川へ)、今の所未だ上り坂です。
気が付いたらアブアブの自販機を通過してしまいましたが、すぐ先にも右側に自販機がある事は確認済みですので、気にせずに進みました。下見ドライブした強みです。
予定通りの自販機で水(110円)を購入(20:45)、元々持参していた空の丈夫なペットボトルに移し替え、空になった方はその場で廃棄し、約1/4の水を飲みました。

既に自販機の場所は下り坂に入っていたようで、此処からは当分下り坂が続きます。
6分/Kmを上回るペースで坂を下り、自販機から約4Kmを22分程で走り切り、伊達市霊山こどもの村入口(CP2-49.5Km)には21:10着。


中に入るとISさんとTYさんが丁度食事を終えて出発準備に入っているところでした。
「速いですね~。もう途中で付いて行けなくなりました」「ASに居れば○○さんが来ると思っておりましたよ」
カレーライス、メロン、グレープフルーツ、ずんだ餅、稲荷寿司を頂きました。未だ身体が食べ物を受け付けてくれそうです。


次々とランナーが到着して来た中に、女子1位のHSさんが居られました。
今年初参加の川の道、招待選手として参加されたみちのく津軽JR、いずれに於きましても女子1位で完走された強いランナーです。
川の道ゴール後に女子2位のTYさんと約30分話が盛り上がったという私のリュックを見せて笑いを誘い、席を立ち、トイレを済ませ、出発しました(21:21)。

真っ暗な中、どんどん坂を下って行きます。
後方に動く灯りが一つ二つ見えますので、後続ランナーが居るようです。
重たい体重を重力に引っ張られながら、ガンガン下って行きます。
そして平坦路になると自然とブレーキが掛かり、脚に力が入らなくなりました。

ノロノロ進んでいると、後方から一人のランナーが追い抜いて行きました。
背中に明るい緑色の蛍光色襷を掛けられており、遠ざかって行っても暗闇の中、目立ちます。

続いて二人目のランナーにも追い抜かれ、此方には何とか喰らい付いて行こうと脚に力を入れます。
名前を見るとHSさん(男子)、2016年の平塚24時間走2位のランナーで、3位で一緒に表彰された時、表彰台の上で私が貧血で座り込み、優勝したNYさんは気絶して倒れ、HSさんが支えたりと、唯一元気な姿を表彰台にて見せておりました(2016年9月25日記事参照)。
隣に並び、名前を申し、その時の話をしたら、「覚えている、覚えている」との事でした。
私と同様、この大会は初参加ですが、「ハーフの部で参加する予定でしたので、様子を見て先に進むかも知れませんが、郡山で止めるかも知れません」との事。
今の所、十分にお元気そうに走られており、段々と背中が遠退いて行きました。

今度は上り坂が続きます。
蛍光襷のランナーが坂の途中の自販機で休憩しております。
私も咽喉の渇きを感じましたので、其の次の自販機でリアルゴールドを購入(120円、23:16)、その場で休憩しながら飲み干しました。
その間に蛍光襷ランナーが追い抜いて行かれました。

大波城跡を廻り込む辺りで長い上り坂が終わり、下って行く形になるのですが、下り始めて暫くすると福島盆地の街の灯りが見えて来て、その辺りで一人のランナーが背中に迫って来ました。
女子1位のHSさんでした。
あっという間に飲み込まれ、暫く並走して下さいました。
基本ペースもかなり速い上、長時間走ってもバテない強さ、この距離では殆ど眠くなる事は無く、最後までガッツリ食べられる内臓の強さ、超長距離の世界では無敵の女子ランナーです。
みちのく津軽の話を訊いてみると、おぐにふるさと体験館RPにて1時間半睡眠を取った以外は寝ずに走る事が出来たそうです。
「是非とも来年の川の道では84時間切り(サブ3.5)を目指して下さい」と言うと、ご本人は否定されておりましたが、今一番脂の乗っているHSさんなら十分に達成できる記録であると確信しております。

福島市街に入り、阿武隈川を渡り、正面に信夫山が構える手前で左折、此処からは次々と信号に引っ掛かるようになりました。
HSさん(女子)も自分のペースで進めばもう少し引っ掛からずに済むのではと思ってしまいます。

更に歩行者とも時々すれ違うようになりました。
時刻は深夜0時、相馬から静まり返った夜の闇の中を6時間近く走って来ましたので、感覚的に深夜2時、3時になっているような感覚ですが、未だ街中を歩く人がいる時間帯でした。
更に歓楽街の脇を通ると、大勢の人達が蠢いており、土曜の夜を楽しまれているようでした。

正面に福島駅を望む道に入り、前方を走る蛍光襷ランナーの背中を追って駅前を左折、次の信号を渡ると正面にSAJのエイドが視界に入り、福島市福島駅前(CP3-76.6Km)には0:23着。


先に着いていたHSさん(男子)が休憩されておりました。
此処までの平均ペースは6分34秒/Km、標高491mの高地越え、その後も+100m超の峠越え、2回のAS休憩を入れてのペースですので、少々出来過ぎです。
この先はペースを落とした方が良いというか、恐らく自然と落ちて行く事でしょう。

既に若干の内臓疲労に因る食欲減退が現れ、フルーツポンチと水のみを頂き、


またそろそろ睡魔に襲われる頃ですので、川の道説明会の時に頂きましたガラナエキスを摂取し、誰よりも先に出発しました(0:28)。
駅前広場の外れにある公衆トイレに行きたかったのです。
地べたに座り込んでいた若者達からも「頑張って下さい!」と優しい声援を頂き、大きく手を挙げて「ありがとう!」と返しました。
昨朝の自宅以来、トイレ大が気持ち良い位に出て、非常にスッキリして再出発。

HSさん(女子)は遥か前に行かれ、蛍光襷ランナーの背中は視界ギリギリに見え、後ろにHSさん(男子)が付いて来られます。
荒川を信夫橋で渡ります。
下見ドライブの時は吾妻小富士のカルデラがくっきりと望めた箇所ですが、真っ暗闇で何も見えません。
その先の国道115号を渡る交差点では、車の時は気付きませんでしたが、地下道を潜る形になっており、これが意外と複雑で、対岸に出るまで随分と時間を要しました。

福島市街を外れると坂道となり、徐々にHSさん(男子)の前照灯が近付いて来て、前方に私の走る影がチラチラと暗闇に照らし出されるようになりました。
そのまま暫く、追い抜く事もなく、私の後ろに付いておられました。

伏拝交差点で国道4号に出ました。
時刻は1時過ぎですが、幹線道路ですので、大型トラック&トレーラーが行き交います。
そして未だ上り坂は続きます。

約2Km国道4号を進んだ後、右斜めに折れ、福島安達線に入ります。
暫くすると前方にHSさん(女子)とすぐその後ろに蛍光襷ランナーの背中が見えました。
ペースを落とされたのでしょうか?
此方はややペースを上げて近付いて行きますが、50m背後まで忍び寄った辺りで二人共加速され、背中が小さくなって行きました。

暫くして東北本線在来線の線路を潜ります。
日中はワンマンカーが時々走るだけとなり、やせ細った線(架線もシンプルカナテリーに張替えられ……)となりましたが、丁度今は交直流電気機関車に連なる長い編成の貨物列車が通過しておりました。
在来線を走るJR貨物は元気です。

松川町に入っても更に上りは続きます。
遥か前方にHSさん(女子)の赤い後照灯、だいぶ間隔が開いて緑色の蛍光襷が夜の闇の中浮かび上がっております。
暫くすると赤い後照灯が凄い勢いで遠ざかって行きます。
まるで原動機付自転車が走り去って行くかのようなペースです。
後でHSさん(女子)に訊いたところ、上り坂でも結構余力があり、早く上りを終わらせたかったのでギアチェンジして一気に駆け抜けたとの事でした。

前照灯とペンライトの灯りが暗くなって来ましたので、電池を入れ替えるべく、座り込んで作業をしました。
作業完了すると、途端に明るさが増し、世界が変わった感じです。

深夜になっても気温は下がらず、咽喉の渇きは収まりません。
この日の福島の最低気温は25℃と熱帯夜でした!!
再びペットボトルの水を飲み干し、次のミニストップ二本松渋川店にて新しい水を購入し(108円、2:33)、ペットボトルを満たしました。

直線道路に出て、暫く進み、安達郵便局を過ぎて次の信号(出光GS手前)を右斜めに入り、右側に大黒屋菓子店のある小さな交差点を左折して二本松安達線に入り、少し進むと二本松市智恵子記念館前(CP4-94.5Km)には3:01着。
此処では写真だけ撮って次へ進みます。


根崎の少し明るい町並みを通過し、竹田交差点を左折、竹田坂を途中から歩いて上り、峠を越えて亀谷坂を駆け下り、亀谷坂入口を右折、眠気が強いので自販機でオロナミンCを購入して飲み干し(3:25、100円)、それでも眠く、近くにあった長椅子の上で仰向けになって爆睡しました。

5分程寝たでしょうか?
すぐ横をランナーの足音が通り過ぎて行くのが聞こえ、覚醒しました。
更にもう一人道路の反対側を走っております。
起き上がり、すぐに走り始めました。

すぐ横を通過したランナーは二本松駅入口手前で立ち止まり、眠気を堪えている様子でした。
追い付くとHSさん(男子)でした。
「お疲れ様です」と一言言って先に行かせて貰いました。

道の反対側のランナーとその先で合流し、此方は千葉県在住のランナーSMさんでした。
数々の大会でしっかりと実績を残されているランナーです。

此処二本松から次のCPとなる本宮まで、昔の急行電車で1駅なのに結構距離がある話をしたら、「昔この辺りに住んでいたのですか?」と訊かれました。
「いえ、祖父母宅が宮城県でしたので、小学生の頃毎年遊びに行っていて、東北新幹線が無い時代でしたので、在来線特急ひばり号や急行まつしま号に乗ってよく行きました。もうその家もだいぶ前に無くなってしまいましたが……」
「私も祖父母の家はもう無くなってしまいました」
そんな話をしながら、緩やかな坂を上って行きました。

前方左側にセブンイレブンが見えて来ました。
其処に立寄るというSMさんと別れ、再び一人で深夜の須賀川二本松線を進みました。
ペースはだいぶ落ちましたが、少しの睡眠とたわい無い会話で眠気を掃う事ができました。

杉田川を渡ると、下見の時に長蛇の列が出来ていたあだたらのちちというソフトクリーム屋の前を通過しました。
勿論、未明の4時に人は皆無です。

緩い上り坂で脚に力が入らなくなっているのを感じました。
水分ばかり飲み続けてきちんと固形物が取れていない所為か、ややハンガーノック(低血糖)気味です。
とはいえ、とても固形物を食べたい気分にはなれず、セブンイレブン大玉大山店にてカロリーメイトとオレンジ果汁飲料を購入しました(4:31、192円)。
オレンジ果汁飲料はその場で飲み干し、カロリーメイトは口に入れては水で流し込み、咀嚼力を使わずに1本完食しました。

本宮市内に入り、6月に妻と共に偶々入ったソースカツ丼の有名店柏屋の前を通過し、未だ暗い中早朝散歩されている住民に挨拶しながら進みます。
セブンイレブンが視界に入り、其処を右折すると、正面に駅が見え、本宮市本宮駅前(CP5-109.1Km)には4:58着。


蛍光襷ランナーが先に着いておられました。
干瓢巻、グレープフルーツ、お茶を頂きました。

鉄火巻もありましたが、胃袋が受け付けて貰えなさそうでした。
暫くしてHSさん(男子)が現れました。
スタッフによるとHSさん(女子)は30分以上も前に此処を通過しており、20代ランナーMSさんは約2時間前に通過されたそうです。

トイレ小に立寄り、水をペットボトルに満たし、HSさん(男子)に続いて出発(5:07)。
東の空の地平線が赤みを帯びて来ました。


HSさんは走り出す気配が無いので、須賀川二本松線に出た所で先に行かせて貰いました。
暫く走った後、反射板、前照灯、後照灯、眼鏡を外し、鞄に仕舞いました。
色々と身に付いていた物が無くなり、身体が軽くなった気分です。

本宮を出ると直線道路となり、その突当りが豊富稲荷神社となる所で道沿いに右折し、高倉城跡を廻り込むように進みます。

基本的には阿武隈川上流へ向かっている訳ですので、福島以降は上り基調ですが、日和田を過ぎて東北本線を跨ぐと下り坂となり、緩やかに郡山盆地に下りる形となり、

後はCP6まで約4Km平坦な道が続きます。

道中ジョギング中の若いランナーから「あと一息頑張って下さい」とこの大会をご存知の方からの声援を受けました。
取り敢えず、郡山まねきの湯に飛び込んで、後の事はあまり考えずに身体が求める状態に任せれば良いと考えます。
みちのく津軽の時のようにずっと休まずに走り続けていると2日目の昼前から強い眠気に襲われ、何度も気絶し掛けましたので、今回RPでの休憩は重要視したいと考えます。

逢瀬川を渡って郡山中心街に入り、美術館通りを左折、東北本線を潜った先で地上に上がり、ドン・キホーテの横を通過し、郡山市まねきの湯(CP6-123.6Km)には6:55着。


預け荷物部屋から自分の荷物を拾い上げ、休憩室に入ると何人ものランナーが居られました。
「お疲れ様です」と挨拶しながら、私の前にそんなに居たかなと不思議に思っていたら、皆福島駅前で途中棄権したランナーで、始発電車で福島からやって来ると郡山6:31着なので、歩いて来ると此処には6時45分頃に到着するという流れになりますので、少し前に着いたばかりなのでしょう。
中にはスタートから相馬までトップ集団の中で走っていたランナーも居られてビックリ!!

風呂支度して、風呂場へ行き、足を中心に身体をしっかりと洗い、歯も磨き、温めの一つの風呂にだけ入っていたら、みちのく津軽で長い距離引張って頂き、大変お世話になった弘前在住のMAさんも同じ浴槽に居られました。
福島駅の時点で30分以上後ろに居られましたが、流石は実力派&速いランナー、此処には10分後に到着されておりました。
「予定通り上がって来られましたね」「いえいえ此処で身体を休めてから行きますから」
この後はご飯も食べて少し寝られるそうで、8時半を目安に出発しようとされているようです。
空腹感は無いですが、私もベテランランナーを見習う事にします。
ロッカー室の珈琲牛乳(7:35、140円)の美味しかった事、身体が此の甘さと味のバランスを求めていたようです。

休憩室に戻るとISさんが丁度和定食を食べた所で、安いしドリンクバーも付きますよとの事で、咽喉は渇き切っているので、食堂へ向かいました。
MAさんのテーブルに座らせて戴き、色々とお話を訊かせて戴きました。
フランスに転勤中にコロナ禍ではありましたが、色々な大会に参加する事も出来、アルプスのトレイルランは何箇所も走られたそうで、実際に住んで居られた場所はノルマンディと言うので、私の勤める会社の本社もルーアンにある旨を伝えると、「ルーアン行きました。ジャンヌダルク博物館行きました」との事。
MAさんはノルマンディの西部の方に居られたというので、「モン・サン=ミシェルも当然行かれましたね?」「何回か行きました。一度大潮で完全に潮が引いた時に海岸を走って行きました」との事で、コロナ禍でしたがフランス滞在を満喫されたようで何よりです。
ジンジャエール、烏龍茶、アイス珈琲、ホット珈琲、ジンジャエールと飲み続けましたが、私の和定食(550円)がなかなか出て来ません。
注文するまで7~8分待たされましたが、注文後も出て来るまで12~13分も待たされ、その間にMAさんは食べ終わりましたので、「どうぞ先に戻られて下さい」と気を使わせないように此方から先に言いました。
漸く出て来た和定食は、ご飯を大盛で頼んでしまいましたが、元々内臓疲労で食欲もあまり無く、時間も無くなってしまいましたため、結局生卵には手を付けず、ご飯も半分以上残し、食堂を出て、休憩室にてすぐに寝床に就きました。


寝たのか寝なかったのか判らない約10分の休憩後、出発準備をして、既に退室されたMAさんやISさんを追い、荷物部屋に荷物を置いて1階に下りると、TYさんがワラーチを履いている最中、間もなく上位集団が一斉に再出発しそうです。
上位集団と同じペースで走れる体力は既に無さそうですので、一足お先に出発させて戴きました(8:37)。


美術館通りを西進、更にうねめ通りを西進、約3Km走る事になります。
道路の右側を走りますが、暫くすると左側にISさんとTYさんが現れ、そのまま走り去って行きます。
確かに一緒に付いて行けるペースではありません。。

桑野三丁目交差点を右折し、国道49号を北上します。
ISさん&TYさんは交差点角のセブンイレブンに入りましたので、再び前を行く形となりました。

すぐに国道4号との交差点となり、其処は地下道で越えます。
そして会津若松まで55Kmという気が遠くなるような案内板が見えて来ました。
逢瀬川を渡り、暫くするとファミリーマート郡山インター店が見えて来ましたので、野菜生活Sマスカット(178円)と水(98円)を購入しました(9:32)。

気が付くと、ISさん、TYさんが店内に居られ、其処にMAさんと仙台在住の35歳の若いランナーYKさんがやって来て、賑やかな集団となりました。
YKさんは今朝郡山に向かって来る時にMAさんに追い付かれ、必死に喰らい付いて郡山まねきの湯まで辿り着いたそうです。
ISさんとTYさんは価格がほぼ一緒という事で2Lの水を購入し、被り水をされておりました。

MAさんとYKさんもアイスを食べております。

皆さん、内臓が丈夫です。
本日の福島の最高気温は32℃、真夏日です!!

9時45分頃に出発したでしょうか?
すぐに東北道郡山ICを地下道で越えます。
ISさんとTYさんが先行し、少し遅いペースでMAさんに私とYKさんが引っ張られます。
前方のこれから向かう山々が濃い灰色の雲に覆われており、憂鬱になります。

途中から国道49号の右側に渡り、会津へ向かって進みます。
15Km先の中山峠が中通りと会津の境界であり、太平洋と日本海の分水嶺となります。

MAさんのペースに引っ張られるのはみちのく津軽以来です。
やはり付いて行くのは楽ではありません。
ストライドが長いので此方だけがバタバタしている感じで、息絶え絶えになります。

県道199号に入る頃にはYKさんが遅れ始め、其処からMAさんは速度を上げて、徐々に私との間隔も広がりました。
安子島の集落を抜ける頃には背中が見えなくなりました。
本宮熱海線と合流し、緩やかな上り坂となります。
前方にランナーが見え、その背中が近付いているように見えますが、此処まで一緒にやって来た5人組ではなく、私より前に郡山まねきの湯を発たれたランナーであり、千葉県在住のランナーSMさんでした。
未明にお爺さんお婆さんのお家のお話をした方です。
だいぶペースが落ちているようでしたので、「お疲れ様です」とだけ言って、先に行かせて戴きました。

暫くすると民家の方から名前を呼ぶ声が聞こえました。
ISさんとTYさんが再び被り水をされているようで、「○○さんも一緒にどうですか?」と訊かれましたが、敢えて身体を冷やしたくはなかったので、先に行かせて戴きました。

暫くしていよいよ雨が降り始めました。
この雨は今夜遅くまで続くようです。

磐越西線の踏切を渡り、

五百川沿いの道を進んでいるとISさんとTYさんが背後から現れ、追い抜いて行かれました。
伊東園ホテル磐梯向滝を左折すると足湯のあるCP7ですが、急遽使用できなくなったようで、伊東園ホテル前にASが出来ており、郡山市ケヤキの森足湯広場(CP7-142.5Km)には11:04着。

お茶とジュースを頂き、確か固形物は食べなかったような気がします。

TYさんは具合が悪くて少し休むとの事でした。

私も何かを食べて飲むというよりは、身体を休める目的で座り込み、ISさん、MAさんと共に出発しました(11:16)。
入替りでYKさんとSMさんが到着しました。


五百川を渡り、

国道49号に合流、大した距離走っておりませんが、ISさんもMAさんも入るつもりであったセブンイレブン郡山熱海町高玉店に入り、コスタキャラメルラテを購入し(11:30、159円)、駐車場で飲みました。
この絶妙の甘さが堪らないです。内臓疲労で固形物を受け付けなくなっている分、飲料で積極的に糖類を摂取する必要があるのかも知れません。ISさん、MAさんはアイスを食べておられました。皆さん、内臓が丈夫です。

TYさんも現れ、再び駐車場にて仰向けになって倒れておりました。
11時40分頃でしょうか、ISさんとMAさんと共に出発、TYさんは暫く休むとの事でした。

国道49号は中山峠に向かってきつい勾配の上りが続きます。
段々と私だけ遅れて行き、二人の背中が遠退いて行きます。
暫くすると二人は立ち止まり、「○○さんが先導して下さい」と私を前にやろうとします。
「8分/Kmペースですよ。良いんですか?」
「ジャーニーを楽しむために走っているのでそれで良いです」
「私のペースが身体に悪いと感じたら先に行って下さいね」
と念を押し、雨の中自分のペースで先導します。

中山宿駅の辺りでは本降りでしたが、雨合羽は出しませんでした。
合羽を着ると蒸れて暑さが増しますので、今は未だ外の空気に触れながら走りたいです。

大きな右カーブを過ぎると中山トンネルが見えて来ました(12:18)。

左側を走って来ましたが、トンネル内の歩道が右側にしかないので、道路を横断しようとしますが、結構交通量が多いです。
郡山まねきの湯(標高222m)から中山トンネル(標高523m)まで約300m上がって来ました。

暫くは平坦で長閑な農村風景が続きます。
田圃の稲も実り、収穫間近といったところでしょうか?

一旦、雨は収まりました。

湖面標高514mの猪苗代湖に出ました。
すぐに小さなトンネルが現れ、歩行者は遊歩道を通る形となります。

サロマ湖に次いで日本で4番目に大きい湖ですが、生憎の天気で眺めも今一つで陰鬱な雰囲気を醸し出してさえおります。

正面に望める筈の磐梯山も下半分さえ見えません。


レイクサイド磐光という昭和時代のドライブインのような観光スポットにて休憩を取り(13:05)、

MAさんはソフトクリーム、ISさんはかき氷を食べておられました。皆さん、内臓が丈夫です。
私は強炭酸レモン飲料(140円)で咽喉を潤しました。

ISさんが「ジャーニー」という言葉に語気を強めます。
「いっそのこと三人で白鳥ボート乗って写真を代表に送りましょうか? 『ジャーニーしてます』ってタイトル付けて」と言って笑いを誘って下さいました。
私もこの考えは好きです。入館料支払って野口英世記念館を大会中に見学するのもありかと思います。
5月の川の道で長岡小嶋屋にてへぎそばを食べるのに、順番待ち時間も入れて1時間も滞在しましたので、十分にジャーニーしているつもりではあります。

6月の下見ドライブの時は田植えが終わって程無い頃でしたので緑色一色でしたが、稲穂が実っており黄金色一色になりつつあります。


道の駅猪苗代を過ぎた辺りで急激な眠気が襲って来て、街道沿いに綺麗な芝生が現れましたので、お二人には先に行って貰う事にしました。

取り敢えず、10分程寝ようと思い、仰向けになって30秒、ポツポツと顔に水が掛かると思っていたら、1分もしない内にザーザーと音を立てて雨が降り始めましたので、仕方なく立ち上がって進みました。

数分走ると、野口英世記念館の前あたりでISさんとMAさんが女性二人と立ち話をしておられます。
偶々居合わせた観光客らしく、最初「何かの大会ですか?」と訊いて来られ、超長距離を走るJRである事を告げると、「もしかして川の道ですか?」と、一般人の口から川の道という言葉が出て来たのにビックリ!!
当然話が盛り上がり、其処に私が遅れて到着した訳でした。
うつくしま、ふくしま。の事はお二人共知らない大会でしたが、普通の人以上に興味を持って聴いて下さり、此方も喜んで説明したりで、楽しい一時を過ごせました。

西久保交差点を右折し、県道205号に入ると、弱まっていた雨は再び強くなり、磐越西線の線路が近付いてきた所を左折し、猪苗代町JR翁島駅前(CP8-166.8Km)には14:51着。
此処には館山代表も居られました。


林檎、グレープフルーツ、素麺を頂きました。


素麺は元気良く啜れないので、ぼそぼそと小さく嚙み砕いて頂きました。
暫く列車はやって来ない事を時刻表で確認の上、ISさん、MAさんと共に駅のホームの上で仰向けになって寝ました。

10分余り寝たでしょうか、後続ランナーの到着で目が覚めました。
ワラーチのTYさんではなく、仙台在住の若いYKさんと千葉県在住のSMさんでした。
彼らが食べている間に出発しました(15:19)。


踏切を渡り、猪苗代塩川線に出て、雨の中西進します。
此方の道は下見ドライブ時に下見しておりませんが、全体的に緩やかな下り基調で身体には優しいです。
道の駅ばんだいにて私のみトイレ小に行き、先に行った二人にペースを速めて追い付きました。
そういえば、磐梯熱海からずっと私が楽に走れる8分/Kmペースでお付き合いして下さいますが、慣れないペースで苦痛ではないでしょうか?

その先で左折して会津若松裏磐梯線に入り、磐越道磐梯河東ICまで上りが続き、ICを過ぎると会津若松盆地へと下って行きます。
国道49号を右折し、会津慈母大観音像の背中側を廻ります。


雨が収まると、今度は西日が黄金色の水田を照り付けます。

美しいという感想と同時に、あの夕日が沈むと夜になるという憂鬱感も湧き、後者の方がやや強く伸し掛かって来ます。

緩やかな傾斜を下り尽くすと平坦になり、下見ドライブの時、飯盛山方面へ左折した郷ノ原交差点を直進し、磐越西線の線路手前の北柳原交差点を左折、暫くすると6月の下見ドライブの時に宿泊したワシントンホテルが視界に入って来ました。
「あそこの朝食バイキングの品数、凄いですよ~」とISさんとMAさんの興味をそそります。

薄暗くなった中、程無く正面に駅が現れ、会津若松市JR会津若松駅前(CP9-185.3Km)には17:30着。

駅構内のコンビニにて、水&ドトールカフェオレ(計253円)を購入、水はペットボトルへの移し替え、カフェオレを寛ぎながら飲んでいると、再び雨が激しくなって来ましたので、此処で今大会初めて雨合羽を着用しました。
本日の日の入りは17:42、雨の所為で更に暗さを増した中、出発しました(17:50頃?)。

雨がジャブジャブ降る中、夜の街並みを進みます。
居酒屋の前の行列の脇を通過します。
6月の下見ドライブの時に美味しい郷土料理と地酒を楽しんだ事を思い出します(6月25日記事参照)。

市役所を過ぎた所で左折、鶴ヶ城の北辺を東進します。
暫く進み、郡山市内に入るまで約55Kmコンビニ不毛地帯となる最後のセブンイレブンが現れ、ドトールカフェオレが約半分残っておりましたため、何も買わず、トイレのみ拝借しました。

出発しようとすると、「やっと(MAさんに)追い付いた~!!」という声を上げ、一人のランナーがやって来ました。
郡山まねきの湯までMAさんと並走された仙台在住の若いYKさんでした。
翁島で一緒に居られたSMさんはすぐ後ろを走っておられるとの事。
体調崩したワラーチランナーTYさんは翁島で入替わるかの如くやって来られ、復活されたそうで何よりです。

この大会最大の要所となります背炙山を雨の降る中、YKさんを含め、4人で攻める事となりました。
湯川大町線から東山温泉線に入り、一気に急勾配となり、標高差600mの山登りとなります。
御宿東鳳を過ぎ、

其処からは「熊に注意!」とも書かれている山道に入ります。
熊避け対策としては、柑橘系のキツめの匂いのする香水を先程のセブンイレブン休憩中に身体中に吹き掛けました。
熊は視覚や聴覚よりも嗅覚に敏感で、1Km以上先の匂いを認識できるそうです。

昔、地元の人々がこの山を越えて行商に行く途中、「朝は東から上る太陽を、帰りには沈む夕日を『背中』に浴びながら」家路に就いた事からこの名が付いたそうです。
行商という事はそれなりの重量のある荷物を担がれていた事と思われます。
何故態々こんな山道を通っていたのか、多少遠回りでも今の国道294号を通って山を廻って行った方が楽であったのではと考えてしまいます。

ISさんMAさん先導で緩い坂は走り、急な坂は早歩きで進みますが、ペースが速いのでゼェゼェハァハァと私一人だけ煩いです。
YKさんは苦しみながらも付いて行けています。
段々私一人だけ遅れる形になりますが、皆よりも長い時間走りを入れる事で、何とか付いて行きます。
内臓疲労が蓄積されている中で、更にエンジン全開でタコメーターのレッドゾーンに入りっ放しです。

全体の1/3程進んだでしょうか? 気持ち悪さを感じ、道の端で嘔吐しました。5、6回繰り返しましたが、固形物を食べていないので何も出て来ませんでした。
YKさんも地面に蹲っており、苦しそうです。
これ以上ISさん、MAさんの足を引っ張る訳には行きませんので、「此処からは一人で歩いて行きますので、今まで通りのペースで先に進んで下さい」と言って見送りました。
YKさんも走るのはもう限界との事で、私と共に歩き始めました。

自身の弱さを感じます。
こんな体力で来年以降、川の道でぶどう峠を越えて行けるのでしょうか?
情けなくなって来ます。。

YKさんは取り敢えず一時でもMAさんに追い付けて良かったと喜んでおられます。
YKさんにとってMAさんは走力的にも人格的にも雲の上の存在であるとの事です。

九十九折りを繰り返し、会津若松盆地を下に見下ろす形になり、更にこれでもかこれでもかという程上り続け、漸く雨降る暗闇の中、レストハウスへの道へ左折して入り、スタッフに懐中電灯で照らして貰いながら、会津若松市背炙山レストハウス(CP10-199.7Km)には20:28着。


先に着いて補給も済んだISさん、MAさんは睡眠を取られております。
YKさんも私もまずは寝て休む事としました。

ブルーシートの上で1時間程熟睡したでしょうか?
途中、SMさんが到着し、一瞬だけ横になりすぐに出て行かれました。
馬鈴薯浅蜊シチューを頂きましたが、馬鈴薯はしっかり噛み砕いて飲み込んでいけますが、浅蜊は胃が受け付けてくれなさそうでしたので、エキス分だけ吸い取って、固形物は出しました。


YKさんも出発準備されておりましたが、私の方が先に準備完了となりましたので、お先に行かせて貰いました(22:00発)。

実に1時間半も滞在してしまいました。
雨は止んでいたものの、霧が立ち込めており、ヘッドライトの明かりが遠くまで照らせません。
残りあと50Km、早く終わらせたいです。

山のてっぺんである所為か、気温は低めで、どちらというと寒い部類に入りますが、動いている限り半袖1枚で十分です。

山道を南へ南へと進んで行くと機械の動く音が聞こえてきました。
こんな山の頂上に工場か何かあるのかと不思議に思いましたが、風力発電の回転翼が回っている音でした。

今度はひたすら下り坂で、上って来た道より傾斜は急です。
躓いて転倒しないよう気を付けたいですが、霧で足下をしっかりと照らすことが出来ません。
膝は見えますが、靴が見えません。。

脚は余力がありますが、内臓がバテておりますので、息が切れないようスピードは控えめに進みます。
そうこうしている内に闇の中に自分の影が浮かび上がりました。
後方からランナーのヘッドライトの明かりが近付いて来ました。
勿論、それはYKさんでした。
YKさんの食べっぷりを見ていると内臓疲労とは無縁でとても元気そうに見えますが、やはりシチューの浅蜊を咽喉を通すのは敬遠されたそうです。
「私遅いのでどうぞ先に行って下さい」「いえ、今追い付いたのがやっとでしたので、此処からは引っ張って頂きたいです」といったような会話をし、其処からは並走となりました。

程無く下り切り、平坦な道となりました。此方側の標高差は300mしかありません。
国道294号に突当り右折。
突き当たる手前で国道294号を南下しているランナーのヘッドライトが闇の中に浮かび上がっておりました。
背炙山を先に発たれたSMさんのようです。

前のランナーが見えると、我々のペースも自然と上がります。
程無く、SMさんに追い付きましたが、まねきの湯、背炙山とRPを短時間の休憩で出て来られている所為か、かなり弱っている様子で、「脚を殆ど使い切った」とも言われております。

自販機が現れ、麦茶(120円)を購入(23:00)、急激に睡魔が襲って来ましたので、自販機の前のコンクリート上に仰向けになって寝ました。
二人には先に行って頂きました。

自分の鼾の音で目覚め、寝ていた時間は5分程でしたが、覚醒し、眠気を感じずに再び走り出せました。

暫くすると、闇の中に揺れ動く白い明かりが視界に入って来て、それが段々近づいて来ます。程無く二人に追い付きました。
特にSMさんの方が弱っている感じで、「先に行って下さい」と言いますが、「歩きを入れながら進みましょう」と言って、緩い上り坂では歩いて進みます。

黒森峠を越えると赤津の集落を通過します。
昔の宿場町のような町の形をしております。

福良中町に入り、郵便局を過ぎた大阪屋食堂を左折して猪苗代湖畔へ向かいますが、此処でも峠越えします。

湖畔に出ても只の暗闇でやって来た感ゼロです。
昼間であればとても良い景色なのに残念です。

下見ドライブ時にも立寄った公衆トイレに寄り、少し進むと前方に明かりが見えて来ました。
郡山市舟津公園(CP11-221.8Km)には1:58着。


JRをしていると、ASはオアシスなのですが、残念ながら食欲ゼロです。
饂飩を1杯頂きましたがボソボソっと少しずつ噛み砕きながら咽喉を通します。

飲み物は温かいお茶を飲みたいところですが、温かいものは珈琲のみで、珈琲も飲めなさそうな具合でしたので、白湯を頂きました。胃腸に優しく美味しかったです。
二人はいかにも美味しそうに饂飩を啜り、SMさんは3杯も食されておりました。
他の二人より先に立ち上がり、歩き始めました(2:13発)。
すぐに二人が追い付いて来ましたので、其処から走り出しました。

猪苗代湖から離れ、三森峠へ向けて山道を上ります。
此処が最後の上りとなります。
脚が終わりつつあるというSMさんを励ましながら進みます。
内臓もやられているようで力が入らないそうですが、緩めの上りではやや遅れつつもしっかりと走りで付いて来ます。

そして三森トンネルの手前に現れました。「郡山市街20Km」

いよいよゴールが見えてきた一方で、CP11から僅か8Kmを1時間半近く掛けてしまいました。

トンネルを抜けると郡山盆地へと東へ向かって下って行く坂となりました。

皆スイッチが入り、特に若いYKさんは元気になり、歌を歌いながら下り坂をどんどん先に進み、背中が遠くなって行きました。

そして、斜度が緩くなってきた辺りで、暗闇が少しずつ明るくなってきました。
本日の日の出時刻は5:23、3日目の夜明けを迎え、再び皆元気を取り戻した感じです。

SMさんも遅れずに付いて来るようになりました。
一方で今度はYKさんの方が失速し始めました。
脚を使い果たしたとの事で、「先に行って下さい」と言いますが、ゴールまであと15Km、「もう上り坂はありませんから、時々歩きを入れながら進みましょう」と言って進みます。
「コンビニに寄って元気になりたい!」と言いますが、最初のコンビニは東北道を潜った先のファミリーマート(6月の下見ドライブ時、高速に乗って帰る直前に立寄った)で未だ8Kmもあります。


時刻は5時を回り、現時点で既に女子ランナーHSさん、昨日長い事ご一緒させて戴きましたMAさんとISさん、川の道でご一緒させて戴きました広島在住のTTさんがゴールしており、我々は5位におり、次の8位はワラーチランナーTYさんで、CP11に4時過ぎに到着しておりますため、TYさんが余程飛ばして来ない限り順位の入替りは無さそうです。
私は内臓疲労は酷いものの、脚が残っておりますので、今此処でペースアップして単独5位でゴールする事も出来ますが、此処は是非とも3人で5位同着したいところです。
交差点で信号待ちの度にYKさんは蹲っております。最早脚に力が入らないといった様子ですが、「あと2時間すればこの苦行から解放されますよ」と言い、少しでも長く走れるように声を掛けます。

間もなくファミリーマートとなる東北道を潜る辺りで、雨がザーザーと降り始めました。
本日も降ったり止んだりとなるのでしょうか?
此処で今回初めて折畳傘を差しました。

ファミリーマート大槻三森街道店にて私はトイレのみ拝借させて戴き、一番弱っているYKさんは駐車場に座り込み、何かデザート系の物を美味しそうに食べておりました。内臓が強くて羨ましいです。
私は水すらも受け付けられなくなって来ました。
スマホの地図機能で残り8Kmを切っている事を確認、「残り僅かです。最後まで走り切りましょう!」と言い、二人を元気付けました。

雨は止み、傘を折畳みました。
3人で走っていると地元ランナーが「何かの大会ですか?」と声を掛けて来ました。SMさんがこの大会を丁寧に説明して下さり、そして予定通り驚いて下さり、暫く並走しながら沢山の元気を頂きました。

交差点で信号待ちの度にYKさんは生まれたての小鹿の如く、両手両膝を地面に付けて信号が変わるのを待ち、そして何とか立ち上がり、私とSMさんの激励で走り出します。

漸く正面に東北新幹線の高架橋が見えて来て、長い長い東へ向かう郡山湖南線の終焉となりました。
旧市場通りを左折、郡山駅を右に見ながら北上し、

昨日の朝会津へ向かって走り発った美術館通りにぶつかり右折、東北本線を潜った先で地上に上がり、ドン・キホーテの横を通過し、走り切った二人を写真に収め、SMさんは私を撮って下さり、

郡山市まねきの湯(CP12-251.3Km)には7:33着。
正式なタイムは39時間33分02秒(5位/152人)、SMさん、YKさんも同着同タイムとして頂きました。
尚、完走者は51人でしたので、完走率は33.6%と、想定外に多くのランナーにとって苦しい大会であったようです。

ゴールと同時にSMさんは地面に蹲り、YKさんは倒れ込みました。

二人共、素晴らしい走りを見せてくれて、その姿に心底から感動しました。
最後までご一緒させて戴けて幸せです。

丁度、本日未明の0:42にゴールして見事優勝されたHSさんが、ゆっくり宿泊し清々しい顔でチェックアウトして出て来られましたので、表彰式を始める事となり、我々も汚い姿のまま、館内にいる上位ランナーが出て来るのを待ちました。
2位のMAさん(男子優勝者)、3位のISさんが出て来られ、お互いに祝福し合いました。
「昨日は長い事、ノロノロペースに付き合わせてしまい、申し訳ございませんでした」と言うと、すかさずISさんから「ジャーニーを楽しみましたから」と返って来ました。
先ずは1位~3位の3人が表彰され、

4位の広島在住のTTさんは入浴中なのか、出て来られませんでした。
そして我々3人、5位同着(男子4位同着)を表彰して頂きました。
男子は6位まで入賞ですので、我々3人ギリギリ入賞枠に入る事が出来ました。

もう帰られるHSさんを見送り、地元名物ソースカツ丼を食べたいISさんに郡山駅でも食べられる旨を伝え、MAさんは疲れている筈なのに、既にスタッフと成り代わっておられました。







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最終更新日  2022.11.20 08:58:00
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