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ウルトラマラソンに魅せられた自然派ランナーのブログ

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2023.09.17
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カテゴリ:マラソン


第6回うつくしま、ふくしま。JR(ジャーニーラン)、昨年に続き2回目の参加となります。
一昨年(2021年)の荒川JRにファンランとして千住新橋までランナー達と並走した時、SAJ(NPO法人スポーツエイド・ジャパン)の大会ではスタッフ兼ランナーとしてお馴染みのMYKさんにこの大会の素晴らしさを走りながら紹介して下さいました。
昨年は中間地点のまねきの湯@郡山に着いた時点で固形物を殆ど受け付けられなくなっており、後半は辛い闘いを強いられ、更に先日の同類のスペックであるみちのく津軽では人生初の途中棄権をしてしまい、2つの大会から色々と学んだ結果、今回は制限時間一杯掛けてでも良いので、道中休める限り休んで良いので、兎に角完走する事、そして福島の大地の美しさに触れながら、最後まで美味しく走る事、それを強く意識しながら走る事としました。

大会概要を申し上げますと、福島県浜通りの南相馬を起点とし、阿武隈高地を西へ横断し、福島から中通りを南下、郡山から会津地方を反時計回りに一周して郡山に帰って来るという福島県内を251Km走るJRで、毎年9月三連休に開催され、土曜日16時に出発、月曜日18時に終了となる制限時間50時間のSAJ主催の大会です。


開催目的は、
① 日本の原風景を残した「うつくしま、ふくしま。」の様々な魅力に触れながら多くの人達と豊かな時を共有する事。また、その魅力を広く発信する事。
② 2011年に発生した福島第一原子力発電所の事故による甚大な被害を被った地域の復興に貢献する事。
です。
2018年、第1回の開催時は、地元南相馬市長や地元後援者の挨拶に対して、会場からすすり泣く声が聞こえたというMYKさんの言葉を聴いて、また、どのエイドでも地元の方々が優しく接してくれて感激であったというMYKさんの感想が心に響き、是非とも参加したいという気持ちになりました(MYKさんはしっかりと開催目的を果たされております!)。
コロナ禍前は平塚24時間走と時期が重なっておりましたので、存在すら知りませんでした。
私にとって、二晩の夜通しランはみちのく津軽JRに続いて計4回目であり、どの辺りで眠くなるか想定できる大会ですが、やはり二晩通しは辛いです。

2023年9月16日(土)16:00、舘山代表の笛の音でフルの部137名のランナー(内女子22名)と前半ハーフの部54名のランナー(内女子13名)が南相馬市小川町体育館を出発、いつも一緒に走るISさんやIKさんやHSさん達を見送り、集団の後半部に入り、みちくさで知合いになった川の道コース沿いにお住いの上田在住ランナーHTさん共にお話しながら進み始めました。

先ずは市の中心部へと南下します。

HTさんはみちのく津軽JRでは、蟹田まで来て途中棄権されたようで、やはり高湿度にやられたそうです。
今年11月の南伊豆町みちくさはファイナルという事で、HTさんも勿論参戦されるそうですが、人手不足に因り来年以降開催不能というのが悲しいです。

南相馬中心街の歴史的な建造物のある個所を通過したのですが、話し込んでおりましたため殆ど記憶がございません。

県道62号を左折し、更に南町1丁目を左折し、進路を北へ向けます。

ボリュームゾーンのど真ん中に居りますので、交差点の信号待ちが下手すると1回で渡れない状態になってしまいますので、北進する浪江鹿島線に入ってからはペースアップして少しずつ前に出て行きました。


郊外に出ると蟻の行列の如く遥か先の方までランナーが連なっております。

あの行列の最前線にISさん、IKさん、HSさん、AHさん達が先導して走っているのだろうなと思いながら此方は本来のペースよりやや落とした位の速度で走ります。

稲もたわわに実っており、豊かな大地の光景が広がりますが、稲刈りが終わると一気に淋しい晩秋の風景となるのでしょう。


暫くするとMYKさんの背中が近付いて来ました(16:30)。
先程スタッフ兼ランナーとして紹介致しましたが、スタッフの方は事情があって辞められたそうで、ランナーとしてのみ専念されるそうです。
房総280Kmでは完走は出来なかったもののかなり頑張られた走りを記録を通じて見ていた旨を伝えると、「最初から全距離を完走しようとは考えておらず、行ける所まで行って、止めたくなったら止めれば良い」という気楽な気持ちで走られていたそうで、その言葉がグサリと私の心に突き刺さりました。
この大会完走するためにはその位の気持ちで臨んだ方が良さそうです。
その方が「今」を楽しめそうです。
色々と会話をした後、先に行かせて戴ました。
MYKさん、ありがとうございました!! 急に身体が軽くなりました。

小さな上り下りを繰返し、

目の前には鹿島地区の街並みが広がり、真野川を鹿島橋で渡って街中に入ります。
鹿島町中心街まで来ると、見覚えのある特徴的な走り方のランナーの背中が近付いて来ました。
宇都宮在住のUTさんです。
UTさんとは小江戸大江戸で深夜や明け方に並走する事が多い、超長距離では後半に強いランナーです。
「どうぞ~、先に行って下さい!!」と独特な栃木訛りで返されました。
未だスタート直後なのでかなり抑えられているようです。
本日はオレンジ色のシャツを着ておられ、小川町体育館で声を掛けられた時は見覚えあるのに誰なのか判別付きませんでした。
いつもは独特のピンク色をメインとする装いですので、「ピンクじゃないから判りませんでしたよ!」「あれはもうボロボロになって~、新しいウェア頼んでんだけど~、未だ来なくて~」と独特なイントネーションで返されました。

UTさんの前に出ると、すぐ前に判り易い後姿の女子ランナーが視界に入りました(17:07)。

今までのペースですぐに追い付けると思いきや、中々背中が近付いて来ませんので、少し脚に力を入れて漸く横に並びました。
麺屋こころ大船店の女将MYMさんです。
並んだ時のペースが今の私の身体には丁度良いペースでしたので、暫く並走させて戴く事となりました。
既にご案内致しました通り、MYMさんは私のブログで昨年のうつくしま、ふくしま。の様子を繰り返し読んで下さったランナーで、最早此方が覚えていない事も含め、かなり事細かに頭に叩き入れられているようで、並走中、何度となく私の完走記の内容を引用され、その度に心の中を覗かれている気分になりました。
赤ワインの勉強をされたそうで(ソムリエ?)、私が平均的日本人の約120倍ワインを飲む話をしたら、そのネタだけで暫くの間かなり盛り上がり、自分たちが今大会に出ている事を忘れてしまった程でした(現実逃避?)。

秋の早い日没が近付いて来ました。本日の日の入は17:44です。
潜石交差点を左折して相馬市街地に入ります。
AEON、かっぱ寿司、CAINZ、ケーズデンキ、ヤマダ電機、イエローハット、ツルハドラッグ、コメリと、全国チェーン店が密集しております。

信号待ちに引っ掛かったら夜間装備を装着する予定でしたが、中々その機会が無いままに真っ暗になってしまいました。
次の瞬間私の身体の真横で「ドサーッ!!」という大きな音と共に右脚に接触する何かを感じ、横を見るとMYMさんが地面に横たわっておりました。
すぐに自力で立ち上がりましたが、左膝のタイツが破れているようで、出血もしている様子でした。掌の方は切れておらず、脚だけをやってしまわれたようでした。
話を聞くと初めてではないようで、過去に何度も転倒して、その度にタイツに穴を開けておられるようです。
ロングのランナーは転倒が付き物という位、皆さん本当によく転びます。
後ろから追い付いたランナーに「もう照明点けて下さい」と言われてしまいました。
「あっ、済みません」
丁度良いタイミングでしたので、此処で前照灯、後照灯を頭に装着し、ペンライトを手に持ちました。
津軽の時程ではないですが、本日も湿度が高く(この時点で既に98%)、身体の表面は汗でぬるぬるであり、頭にバンドを装着するのはあまり良い気分ではありません。

ペットボトルの水は全て飲み干しました。思った以上に咽喉が渇きます。
百槻交差点を左折し、宇多川沿いに真っ暗になった道を進んで常磐線を潜り、川を北側に渡るとスタッフに迎えられ、

相馬市フレスコキクチ相馬店(CP1-21.0Km)には18:23着(昨年より11分遅い-1.1Km短くなった事を考慮すると18分以上遅いペース)。

薄揚げ入り素麺、鮭お握り、グレープフルーツ、梨、ファンタグレープ×2杯を頂き、ペットボトルを水で満たし、1回目のトイレ小を済ませ、西に向かって再出発。


津軽に続き、今大会でもスマホにアプリをインストールして、それで到着記録を発信する訳ですが、津軽同様汗で防水ケースに入ったスマホは誤作動を起こし掛けていて、危うくスマホをロックさせてしまうところでした。
また、真っ暗な中、4つの連続する画面に於いて非常に小さな○のなかに大きな指で「プチッ」と押さなければならず、本日は雨は降っていないものの、夜の闇の中でランナーにとってストレスフルな行為となります。
「ピュッ」と計測器に近付けるだけで良い計測バンドの方がどれ程楽か! CPを出て約2分間掛けて歩きながらこの行為を行いました。

気が付いたらMYMさんを含め5人集団となっておりました。
相馬中村城跡の横を通過します。
と、その時、いきなり太陽系第三惑星が私の正面に衝突して来ました!!
「ドサーッ!!」という大きな音と共に白いタイルが目の前に広がり、右脚脹脛が外れました。
周囲のランナーから「大丈夫ですか?」「大丈夫ですか?」と立て続けに訊かれますが、「大丈夫です!」「大丈夫です!」と言い、右手は右足爪先を引っ張って、グイグイグイ~、脹脛が元の場所にはまりました。
幸いコンクリート上でなく、タイルの上でしたので、脚も掌も流血は見られませんでしたが、後からじわじわと右膝頭に痛みが出て来ました。
その点では先程転倒したMYMさんより軽傷です。
「慌てないでゆっくり行きましょう」「はい、ありがとうございます」
決して慌てていたのではなく、足下を注視していなかっただけです。

住宅街を抜けて、国道115号に合流し、右折して福島を目指します。
浜通りから中通りに抜けるためには山を越えなければなりません。
阿武隈高地の国道115号は標高491mを越えます。
相馬は海沿いの街ですので、ほぼその標高を駆け上がって行く形になります。

息を切らさない程度に上って行きますが、湿度の所為か身体が重たく、いつものペースで走ると息が上がります。
民家が途切れると夜の闇に包まれた山の中の一本道となり、坂の傾斜がきつくなって来ました。
地味にきつい坂です。
雲の隙間から少しずつ星が見えて来ました。

再び集落の中に入り、「そろそろセブンイレブンですよ!」と周囲のランナーに声を掛けたものの、中々辿り着けません。
其処からだいぶ進んだ所にある自販機に我々5人組だけでなく、後続のランナー達も例外無く皆吸い寄せられました(19:45)。
「確か昨年は途中にコンビニがありましたよね?」と言って来るランナーも居て、私の勘違いでない事は確認できました。

丸搾りグレープスパークリング(150円)を購入し、そのまま持ち続けて温くて気が抜けたのを飲むのも好ましくないので、その場で500ml一気に飲み干しました。
更にヘッドライトの照明が暗くなって来ましたので、単4電池3本の入替を行いました。

次々とやって来るランナーは例外なく、自販機で飲料を購入されておりました。
そして、此処まで一緒に走って来た5人組は散り散りになり、その中でMYMさんは最も早く此処を発って行きましたので、次のエイドまで追い付くのは難しいかも知れません。

暗い山間の道、自分達の照らすライト以外は漆黒の闇です。
後続ランナー達は遠ざかり、前のランナーも長~い直線以外では見えない状況です。
夜空には沢山の星が広がっており、カシオペア座が示す北極星は右に見え、西進している事を確認できました。

昨年も途中からISさんとTYさんに付いて行けなくなり、暗闇の中単独走となりましたが、今年の方が気持ちに余裕があります。
50時間一杯掛けて良いので完走できれば良いという本来の自分の目標に加えて、先程のMYKさんの「行ける所まで行って、止めたくなったら止めれば良い」という言葉に肩の力が抜けた感じで、今後小さなトラブルが数々襲ってくると思われますが、それら全てを俯瞰的に受け入れられそうで、その点では湿度100%と身体が重く感じる中、士気だけは高いです。

そんな中、徐々に前のランナーの照らす前照灯が近付いているのを感じ、山道が更に傾斜を増す辺りで、前照灯に追い付くと、想定通りMYMさんでした。
「速いですね! そろそろ追い付かれる頃と思っておりました」「暗闇の中、一人で走っていて淋しかったので、頑張って追い付きました」
本音です。。

此処からはMYMさんと並走しました.
「転んだ箇所はその後大丈夫ですか?」「タイツの中で出血しているのかも知れませんが、脱げないし、暗いし、分かりません。タイツと一緒に血が固まらなければ良いんですが……」「時々走りながらタイツを摘まんでは放すを繰り返してみては?」
そう云えば、本日は新月、川の道で寄居で転倒した時も新月、やはり新月の夜は怖いです。

「ロングのランナーに転倒は付き物ですが、転倒しないロングのランナーを二人知っております」「誰ですか?」「一人は男子のISさんで、もう一人は女子のSEさんです」
ISさんは転倒しないことを確認済みである一方、SEさんは未確認ですが、彼女の走り方からすると転ばない筈です。
「えーっ、そうなんですかぁ……、因みにこの大会が終わったらSEさんと飲む約束をしているんです」
「それは楽しそうですね~ 今の転んだネタだけでも十分に盛り上がれそうですね。私も付合いが良いので一緒に転んだとでも伝えておいて下さい」「○○さんネタだけでもだいぶ盛り上がれそうです」

暫くすると激しい山道となり、心肺機能が低下しているのかすぐにゼェゼェハァハァ状態になってしまうので、「先行って下さい」と言いますが、MYMさんもペースを落としたり、一緒に歩いて下さります。
冷静に考えて、普通に走り切れる坂道ではないようですので、苦しいのは私だけではないようです。
更に、暑いという感覚は無いのですが、湿度ほぼ100%で、咽喉が渇きます。

夜の闇の中ヘアピンカーブ、くねくね道を上り続けながら進み、自販機は未だかと思いながら進みます。
気が付くと前に歩いているランナーの背中が近付いて来ました。
「IKさん!!」「○○さん、こんなところに居ましたか! 落とし過ぎですよ!!」 「このペースで十分です」「今回の目標タイムはどれ位ですか? 35時間位ですか?」
35時間とは昨年男子優勝ランナーMAさんでさえ超えられなかった壁、「無理に決まってます!! 私は50時間で完走できれば良いという気持ちで走りますので…… 前のCPでも40位で通過しましたから、この辺りを維持できれば良いと考えております」「スタート直後で集団になっていた訳ですから、今多分15位以内に入っていますよ」「………」
本来ならこの言葉で元気付けられるところですが、はなから順位はどうでも良いと思っている上、心底から50時間で完走すればそれで良いと思っているので、IKさんの励ましの言葉が私の心に全然響かなくて本当に申し訳ないです。
IKさんは、私が人生初途中棄権した第7回みちのく津軽JRにて過酷な環境下、3位入賞で完走したランナーですので、心底から尊敬するランナーです。
是非ともこの大会に於かれましてもIKさんには入賞して欲しいです。

間もなく分水嶺という手前で暗闇の中、煌々と輝く自販機が視界に入り、一緒に走っていたランナー達全員が明るさを持ったその四角い塊に吸い寄せられました。
私も咽喉が渇いておりましたが、先程500mlの炭酸飲料を飲んで腹が膨れましたので、今度はリアルゴールド(140円)という少量の飲料だけで済ませました(21:09)。
津軽の時のように雨は降っておりませんが、湿度100%、疲労が蓄積されて行きます。

最後の急坂を上り切り、東北中央道を潜り、分水嶺を超える頃にはIKさんの背中は見えなくなっておりました。
分水嶺とは言いつつも阿武隈高地ですので、高原の広い地形の中で水が其々の方向に流れ出るのですが(宇多川が東へ太平洋へ、石田川が西へ阿武隈川へ)、西進します。
此処からは集落が続きます。
21時半という時間帯で、周囲の民家が照明を煌々と点けているのを見ると、晩酌をしながら三連休の最初の夜を楽しんでいるのだろうなと、勝手に妄想致しております。

緩やかな下りとなり、ペースも自然と上がります。
歩道を走っていると徐々に草ぼうぼうとなり、真っ暗なので足下が見えない上、草で視界が閉ざされ、気が付いたら地面に泥が広がっており、其処で足を滑らせ「おっ!!」と大きい声を出して、その1秒後に「きゃっ!!」と背後に悲鳴が聞こえ、MYMさんと二人揃って同じ場所で足を滑らせました。
「大丈夫ですか!?」「先に声が聞こえたので心の準備が出来ましたので大丈夫でした」

その先には暗闇の中、ASが見えて来て、伊達市霊山こどもの村入口(CP2-48.4Km)には21:47着(昨年より37分遅い)。

ASに入る前に本日5回目のトイレ大を済ませました。本日は何故かビックリするくらい快便です。決してお腹を壊している訳ではありません。
もつ煮込み、メロン、グレープフルーツ、ミニトマトを頂きました。

今のところ、未だ身体が食べ物を受け付けてくれそうです。
10~20位集団が次々と集結した感じで、その真ん中辺りに居りましたため、IKさんの言われた通り15位前後に居るようです。
気が付いたらMYMさんは発たれており、私も準備できましたので約2分遅れで出発しました。

真っ暗な中、どんどん坂を下って行きます。自分の灯りだけが頼りです。
重たい体重を重力に引っ張られながら、ガンガン下って行きます。
暫くすると前にランナーの前照灯&後照灯が見えて来ました。
同時に後方からも速いペースで前照灯がぐんぐん迫って参りました。
漸く前のランナーに追い付くとMYMさんで、ほぼ同時に後方から追い付いて来たランナーは前半ハーフの上位ランナーである男女二人のランナーで、余力があるのか先に行かれました。

平坦路になると自然とブレーキが掛かり、脚に力が入らなくなりました。
暫くすると相馬市以降初のコンビニであるセブン・イレブン福島霊山店が現れました。
水は前のCPにて調達できましたので、何か冷たい飲料をと思い、好ウーロンマンゴマンダリンを購入(162円-23:12)、その場で飲干し、更に続く坂道を走って駆け上がります。
この辺りは阿武隈川支流である広瀬川流域であり、阿武隈川本流域に入るためには一山越えなければなりません。

先程ワインの話で盛り上がったMYMさんと今度は食べ物の話で盛り上がります。
とある事情から肉が食べられなくなり、今は肉無し食事生活をされているとの事で、私もフレキシタリアン(柔軟ベジタリアン)で自ら積極的に肉は食べない話をしたら、MYMさんは少し違い、その事情に因り、動物界に於ける食物連鎖の中に自身が居られなくなり、今は全く肉を食べない生活を続けているそうです。
ラーメン屋で肉を見られないというのは仕事上問題は無いかと訊いたところ、他人が食べているのを見ている分には平気との事で、兎に角自身が食べない事が重要との事でした。
イスラム教の断食が身体に良いものとして部分的に日常の食生活に取り入れている私にとって、肉を食べる際は(豚肉以外です)儀式に則った形で屠殺・解体した肉しか食べないとするイスラムの食べ方、動物界に於ける食物連鎖の中に入れさせて貰う事に感謝して食べるイスラムの考え方、普段自分は何も考えずに肉を食べてしまっている事に、少し考えさせられました。

緩やかな上り坂が続きますが、MYMさんも私も喋りながら走り続けられております。
道路の反対側を歩いているランナーが居ます。
見るとワラーチランナーTYさんでした。
先程新宿でバスに乗る時に少し話しましたが、もう久しくシューズは履かれていないそうです。
強いランナーですので、上り坂だけ歩かれているのでしょう。

大波城跡を廻り込む辺りで長い上り坂が終わり、下って行く形になるのですが、下り始めて暫くすると福島盆地の街の灯りが見えて来ました。
日が沈んでからずっと山の中ばかり走っておりましたので、街の灯りが恋しく思っておりました。
「街の灯りだー!!」とMYMさんも声を発しておりました。
昨年はこの辺りを総合優勝された女子ランナーHSさんと共に走っておりましたが、HSさんは今回はもっと前に居り、というか私が昨年より遅れており、MYMさんは女子2位に居る事になります。

福島市街に入り、自販機でブラックの缶珈琲(110円)を購入して一気飲みしました(9月17日0:44)。
冷たくて眠気覚ましともなり、量も程良かったです(185g)。
阿武隈川を渡り、正面に信夫山が構える手前で左折、此処からは次々と信号に引っ掛かるようになりましたが、既に信号待ちで休憩できるのが心地良く感じるようになりました。
MYMさん、先程の転倒でやはり流血していたらしく、タイツが傷に付着し、血が固まってバリバリになってしまったようです。


時々歩行者ともすれ違います。
相馬から静まり返った夜の闇の中を約6時間走って来ましたので、感覚的に深夜2時、3時になっているような感覚ですが、未だギリギリ街中を歩く人がいる時間帯でした。
更に歓楽街の脇を通ると、お酒で陽気になられた方々が一定数居られ、土曜の夜を楽しまれているようでした。

正面に福島駅が構える道に入り、駅前を左折、次の信号を渡ると正面にSAJのエイドが視界に入り、福島市福島駅前(CP3-75.5Km)には1:22着(昨年より59分遅い)。

此処には、先程先に行かれたハーフの部の男女ランナー、IKさん、小江戸大江戸200kにて小江戸区間の最後に並走した女子ランナーKTさんが此処に居られました。

IKさんもこの湿度100%に苦戦を強いられているようです。
スマホのアプリから到着記録を発信する訳ですが、汗で防水ケースに入ったスマホは既にロック解除の暗証番号に何桁か数字を入れられており、残りの数字を入れたらスマホが15分間ロックされてしまいました。
MYMさんのスマホを借りて私の到着記録を発信させて戴きました。

丁度、其処には舘山代表が居られたので、早速不便極まりないこの計測ソフトに対してクレームし、「計測バンドでピュッ!」に戻して欲しい旨を訴えました。
舘山代表曰く、計測バンドは非常に費用が掛かるので、SAJの理念に従って参加者が少しでも安価で大会に参加できるよう計測ソフトを開発したので理解をして欲しい旨をお願いされました。
スマホの誤作動に関しても工夫して欲しいという事でしたが、防水ケースに入れてもこのような状態ですので、前途多難です。。
川の道でもこのスタイルで計測される予定との事、計測バンドですと数少ない限られた箇所でしか計測出来ないので、この計測ソフトの方が望ましいとのことでした。

コーラとハイカフェオレ(珈琲濃度が高い?)と冷たいフルーツポンチ(たぶん)を頂き、

出発しました。
すぐに駅前広場の外れにある公衆トイレに入り、3回目のトイレ小を済ませました。
既にハーフの男女、IKさん、KTさんも発たれており、再びMYMさんと並走します。

荒川を信夫橋で渡って南下します。
明るければ右に吾妻山と吾妻小富士のカルデラが望める場所ですが、深夜の闇の中何も見えません。
月が出ていれば山の輪郭位は見えるところであったかも知れませんが、本日は朔です。

少し進むと右側のセブン・イレブンからIKさんとKTさんが出て来て、歩いていたので追い付くかと思ったら、すぐに走り出し我々より速いペースで走り去って行きました。
あのペースで走れるところが羨ましいです。
しかし暫くすると二人共歩き始めました。
津軽の時のように走っては歩きというスタイルで進まれるのでしょうか?
程無く彼らに追い付き、此方は一定のペースで進み、そこに付いて来られるのですが、此方の遅いペースだと疲れるのかすぐに追い抜き、20m先に行っては再び歩き始めます。
伏拝の上り坂に入ると前に出なくなりました。

伏拝交差点で国道4号に出ました。
時刻は2時過ぎですが、幹線道路ですので、大型トラック&トレーラーが行き交います。
そして未だ上り坂は続きます。

約2Km国道4号を進んだ後、右斜めに折れ、福島安達線に入り、緩やかな下り坂となります。
暫くして気付くとIKさんもKTさんも居なくなっており、MYMさんだけが後ろを走っておりました。
「眠くないですか?」「普段仕事から帰宅している時間帯ですので、未だ大丈夫です。多分4時から5時頃に眠気のピークがやって来そうです」「私の方は毎晩22時頃寝ておりますので、今一人で走っていたら強い眠気との闘いとなっていたと思われます」

間もなく東北本線の線路を潜る手前に自販機がありましたので、再びブラックの缶珈琲(100円)を一気飲みしました(2:44)。
冷たくて身体が求めており、眠気も少しは緩和されたと思われます。

東北本線在来線の線路を潜ると松川の上り坂となります。
昨年優勝したHSさんが凄い勢いで走り去って行った所です。今年も順調に女子トップを走られております。
淡々とMYMさんと坂を上っていると、再び便意が襲って来ました。
丁度ファミリーマート福島松川三郷店が現れましたので、MYMさんには先に行って貰いました。
昨日の朝から数えると6回目のトイレ大も快便でした。決してお腹を壊している訳ではございません。

此処からは単独走となります。
深夜なのですぐに睡魔に襲われました。
地味にだらだらと長い上り下りが繰り返されます中、眠気を吹き飛ばすためにペースを上げました。

二本松市に入り、安達まで来ると長い直線道路となり、遥か前方にMYMさんの赤い後照灯が見えました。
一定のペースで進まれている感じです。
此方は眠気防止のためペースを上げて来ましたので、心拍数が上がり、過呼吸状態になり始めました。
間もなく次のCP二本松市智恵子の生家ですので、其処で休憩を取ろうと思います。

安達郵便局前を通過し、次の信号を右折、大黒屋菓子店前の小さな交差点を左折して二本松安達線に入り、少し進むと二本松市智恵子の生家(CP4-94.3Km)には3:59着(昨年より58分遅い)。

此処にはASはありませんので、写真だけ撮って次へ進めば良いですが、脈拍が上がり心臓が破裂しそうなので、此処で休憩します。
丁度此処を発とうとしたMYMさんが私の存在に気付きましたが、再び先に行って頂きました。

智恵子の生家の軒下で仰向けに横たわり、脈を取ると180近くあるのではと感じました。
脈を戻したら少し寝ようと思います。
脈拍が平常に戻るまでだいぶ時間が掛かった気がしましたが、その後もすぐに眠れず、目を閉じたまま1人、2人とランナーに追い抜かれた感覚があり、そんな記憶も曖昧な程、身体も脳も弱っておりました。
精神的にも落込み、もしかしたら今回も再び途中棄権かも知れない、自分はもはや二度と再び超長距離を走る事など出来ないのではと、かなり悲観的に沈み込んでいました

4時半になったら起きようと思い、眠りに落ちる事無く目を閉じていると、更にランナーがやって来ました。
時計を見ると4:30、脈拍も下がったのでもう起きようかと思っていたら、「○○さん、どうされたんですか!?」と、声の主を見るとIKさんであり、KTさんも一緒に居られました。
30分も差を付けていたという事はIKさん達も随分と苦しんでおられる様子、それでも此処で到着記録を送信した後はすぐに走り去って行き、起き上がって歩くのがやっとの私はあっという間に置き去りにされ、未明の二本松の街中をヨロヨロ進んでいた頃は撃沈寸前でした。
僅か数百m行った所にあるセブン・イレブン二本松竹根通り店にて便意を促し、昨日の朝から数えると7回目のトイレ大も快便でした。決してお腹を壊している訳ではございません。
オレンジ果汁飲料を購入の上、その場で飲み干しました(4:47)。

根崎の少し明るい町並みを通過し、竹田交差点を左折、竹田坂を歩いて上り、峠を越えて亀谷坂を駆け下り、亀谷坂入口を右折、昨年睡眠を取った長椅子の横を通過、気が付いたら薄ら明るくなって来ました。
前照灯、後照灯、眼鏡を外し、鞄に仕舞いました。
色々と身に付いていた物が無くなり、身体が軽くなった気分です。
二本松駅入口を通り、明るくなって来た事で身体はやや元気を取り戻した感もありますので、次の本宮まで地味に長い道程も前向きに進む事が出来ました。

須賀川二本松線を南下して行きます。
コンビニも立寄らずに一定のペースに乗れる形となりました。
東北本線の踏切と杉田川を渡ると自販機があり、確かレモン系の炭酸飲料を購入しました(記録無)。
此処から再び緩やかな上り坂となりますが、戻って来た元気で走り続けて行くと、IKさん&KTさんが歩いておられました。
丁度その二人を追い抜くランナーが居て、一緒に追い抜いて更にそのランナーに近付きました。
そのランナーを上り坂で追い抜いたのでしょうか?
「計測バンドでピュッ!」でしたら、この時のランナーが誰であったのか、後から確認は出来るのですが、スマホのアプリではその瞬間を過ぎるとそれが確認できず、非常に不便極まりないです。
昨年はこの辺りで低血糖に苦しみながら進んでおりましたが、取り敢えず今年はだいぶ遅れは取ったものの、身体の方は大丈夫そうな感じです。

本宮市内に入り、昨年妻と共に偶々入ったソースカツ丼の有名店柏屋の前を通過、日曜日の朝既に早朝散歩されていたり、草刈りをされていたりする住民に挨拶しながら進みます。
セブン・イレブンが視界に入り、其処を右折すると、正面に駅が見え、本宮市本宮駅前(CP5-107.7Km)には6:32着(昨年より1時間34分遅い)。


2021年川の道4位のHKさんに出迎えられました。

HKさんは津軽でもきちんと完走されており、今回はスタッフとして働いておられ、頭が下がります。
6回目のトイレ小を済ませた後、うどん、梨、グレープフルーツ、コーラを頂きました。

昨年此処では既に胃袋が固形物を受付けてくれない状態でしたので、うどんを食べられるだけ未だマシかも知れません。

食後少し仮眠を取るべく椅子の上で寝始めると、やたら元気なランナーが現れました。
「眠くて撃沈していましたけど~、やっと復活できました。SAJの提供するエイドの美味しい食事を楽しみに走っております。美味しそうなうどんを頂きま~す」
と、バリバリの栃木訛りの発音で、起き上がって見ると宇都宮在住のUTさんでした。
スタートから10Km地点で先に行かせて戴きましたが、その後途轍もない睡魔に襲われましたものの、何とか全く寝ずに此処まで来られたそうで、恐らくこの後爆発的に前を走るランナー達を抜いて行く事になるでしょう。
それだけ強いランナーであると、私は確信しております。

6分間の睡眠後、本宮ASを出発し、須賀川二本松線を南下します。
寝ている間にUTさん以外のランナーにも抜かれており、走り始めて一人二人と歩いていたランナー達を抜き返しました。
3人目のランナーは福島県在住のOHさんでした。
OHさんはしっかりと走られているので追い付くまで時間掛かりました。
追い付いて、開会式での楽しいお話の御礼を言い、「先ずは郡山までお互い頑張りましょう!」と言って、先に行かせて戴きました。

今のところ空は雲に覆われておりますが、時々ギリギリ雲の隙間を貫いて強い日差しの朝陽が差し込んで来ます。
本日は暑くなりそうですが、津軽のように雨に見舞われないだけ感謝しなければなりません。

五百川が近付いて来ました。
今大会開催直前に橋梁工事のため迂回を要される箇所と判明し、その分1.3Km行程が長くなりました。
田圃の中の真っ平らな道を、本来直線で行ける筈のところ、右折→左折→左折→右折と進みます。
平坦な田圃の遥か向こうにはランナーの姿が見えます。
元のコースに戻り、突当りが豊富稲荷神社となる所で道沿いに右折し、高倉城跡を廻り込むように進みます。

暫くして漸く前を走っていたランナーに追い付きました。UTさんでした。
先に行って下さいと言われますが、平坦な田圃の中、前に居るランナーに近付きたくて頑張って走りましたので、心拍数は最大になっており、ゼェゼェハァハァと煩い状態になっております。
私が追い付いたという事もありますが、前を走るUTさんは意図的にペースを上げ、此方は心拍数を元に戻す暇も無く必死にUTさんに喰らい付いて行きます。
UTさんは今まで眠くても全く寝ないで走って来たので、まねきの湯@郡山にてしっかり寝て休むとの事です。
私も身体が納得してくれるまでまねきの湯では寝るつもりでおりましたので、二人共、まねきの湯を目的地として走り始めました。

基本的には阿武隈川上流へ向かっている訳ですので、福島以降は上り基調ですが、日和田を過ぎて東北本線を跨ぐと下り坂となり、緩やかに郡山盆地に下りる形となり、後はCP6まで約4Km平坦な道が続きますが、この平坦な道が異常に長く感じました。
逢瀬川を渡って郡山中心街に入り、

美術館通りを左折、東北本線を潜った先で地上に上がり、ドン・キホーテの横を通過し、郡山市まねきの湯(CP6-123.0Km)には8:49着(昨年より1時間54分遅い)。

恐らく10~12番目に此処中間地点に入れたと思われますが、スマホのアプリでは後から確認できませんので、その類の情報は分かりません。

建物に入ると丁度風呂から出て来られたMYMさんとすれ違いました。
左膝の転倒怪我の個所が痛々しいです。
此処まで全く寝ずに来られたそうで、前半だけでも素晴らしい走りをされております。

預け荷物部屋から自分の荷物を拾い上げ、休憩室に入るとコース中で見覚えのある2人のランナーが居られました。
UTさんがお風呂に入る前に着替えないと、と言って風呂場の更衣室へ行かれました。
着替えるだけなら此処でも良いのにと思いながら、先ずは促していたトイレ大へ行き、8回目も快便でした。どれだけ沢山身体から固形物が出て来るのでしょうか?

風呂支度して、風呂場へ行き、足を中心に身体をしっかりと洗います。
湿度100%の所為で両脚股間がパンツで擦れて生肉露出となった個所が何よりも痛く、タオルも当てられない程で、お湯を掛けても痛むので、寝湯にだけ浸り、少しだけ気絶してすぐに出ました。
今年もロッカー室の珈琲牛乳(150円)の美味しかった事、身体が此の甘さと味のバランスを求めていたようです。

風呂場から戻ると入れ違いでUTさんがこれから風呂に行くということでした。
「ではお風呂に行って来ます!」「あっ、行ってらっしゃい…」
この後、しっかり入眠できるよう350mlの缶ビールを購入し、渇いた咽喉を一気に潤しながら「アル注」しました。
隣の食堂は閉店中、昨年食べた朝和定食を食べられません。きっと9時で営業終了となってしまったのでしょう。

丁度その時、MYMさんが後半の部をスタートするところで、走る格好で「ではお先に行って来ます!」と言って私の前を通りました。「あっ、行ってらっしゃい…」
少し間が空いてから気付きましたが、風呂場に行くUTさんと同じテンションで素っ気無く見送ってしまいましたが、もう少し心を込めて見送るべきであったと後悔しました。
更衣室の隣の寝室にはマットが6つ並んでおり、先客が4人程居られました。
9:43に就寝、ビールのお陰ですぐに気絶できました。

「ランナーが増えて来ましたので、起きて下さい!! 未だ寝られる方は周辺の広間でどうぞ~!」とスタッフに起こされました(10:45)。更衣室はランナーで一杯でした。
すぐに支度して荷物を預けて8回目のトイレ小を済ませ、チェックアウトを済ませて外に出ると舘山代表が居られました。
「津軽の二の舞にならないようゆっくり進みます」「健闘を祈っております!」
舘山代表のガッツポーズに見送られ、後半の部に出発(10:56)。


眠気はだいぶ取れましたが、身体が重く、夏の日差しのような強い太陽光を受け、更に身体が重たくなります。
本日の郡山は晴時々曇一時雨、最高気温は33℃、真夏日です!!
美術館通りを西進、更にうねめ通りを西進、約3Km走る事になりますので、進行方向左側、つまり南側の建物の影が多い方をさらに日陰を選びながら走りました。

桑野三丁目交差点を右折し、国道49号を北上します。
すぐに国道4号との交差点となり、其処は地下道で越えます。
そして会津若松まで55Kmという気が遠くなるような案内板が見えて来ました。
私の不安は、きっと時間が解決させてくれると思い、先の事はあまり考えず一歩一歩前進します。
逢瀬川を渡り、暫くするとファミリーマート郡山インター店が見えて来ましたので、CCレモン(159円)とガリガリ君(75円)と水2L(110円)を購入しました(11:59)。
CCレモンを一気飲みし、ガリガリ君で体温を下げ、水を水筒代わりにしているペットボトルに移し、残りの水で昨年男子2位のISさんと男子7位のTYさんがやられていたように被り水をしました。
昨年はこの他に男子優勝されたMAさんと仙台在住の35歳の若いランナーYKさん(昨年男子4位、今はSAJスタッフ)も居られ、賑やかな集団となっておりました。

すぐに東北道郡山ICを地下道で越えます。
暫くすると道路の右側(対岸)と左側(私の居る側)に歩いているランナーの背中が近付いて来ました。
いずれもお会いした記憶の無いランナーですので、私が寝ている間にまねきの湯に到着し、短時間の休憩で出て来られたのでしょう。
「暑いですね! ファイトです!」と言って先に行かせて戴きました。
郊外に出た所為か日陰を作ってくれる建物が無くなり、灼熱地獄です。

途中から国道49号の右側に渡り、会津へ向かって進みます。
15Km先の中山峠が中通りと会津の境界であり、太平洋と日本海の分水嶺となります。

安子ヶ島停車場線に入る頃にはすぐ後ろに右側を歩いていたランナーが迫っておりました。
走り&歩きを繰り返すランナーは例外なく、走っている間は私より速いです。
安子島の集落に入ると強い眠気が急激に押寄せ、津嶋神社の軒先にて仰向けに横たわり(13:15)、約5分間気絶しました。

涼しくて気持ちの良い場所でした。

本宮熱海線と合流する所で後ろから来たランナーに追い付かれ、「あれっ! 何処から現れたのですか!?」
今まで前にランナーが見えなかったのに、急に左側から走り込んで来たランナーに驚いたのでしょう。
「彼処の神社の軒下で寝てました」

だらだらと緩やかな上り坂を上って行きます。
地味に長~い坂道です。
少し平坦になった辺りで、昨年ISさんとTYさんが被り水をされていた民家の前を通りました。
昨年は此の辺りから雨が降り始めましたが、今年は今のところその心配は無さそうです。

磐越西線の踏切を渡り、今朝7時頃、橋梁工事のため迂回をして渡った五百川沿いの道を暫くの間進んで行き、伊東園ホテル前にある郡山市萩姫ポケットパーク(CP7-142.3Km)には14:01着(昨年より2時間57分遅い)。
お茶とジュースを頂き、蟹蒲入り素麺を美味しく頂きました。

昨年TYさんが具合悪くて休まれていた木の周りの椅子に横になりました(14:09)。
寝ている間に3~4人程ランナーが到着し、先に行かれました。
14分睡眠を取った後、スタッフに御礼を言って発ちました。

五百川に沿って坂を上ります。
暫くすると、セブン・イレブン郡山熱海町高玉店が前方に現れました。
ASから出てすぐですが、此処は最初から立寄る予定でしたので入ります。
9回目のトイレ小を済ませ、コスタヘーゼルナッツラテ(181円)と水2L(108円)を購入しました(14:34)。
私と前後してCP7を出て来たランナー計3名に「水を購入するつもりなら買わないで下さい。冷たい水一杯ありますので」と声を掛けました。
1人は今は水は要らない、1人はお言葉に甘えて、1人はトイレに入られて声を掛けそびれ、お言葉に甘えてのランナーHHさんのみに水2Lからお裾分け致しました。
HHさん、此処で購入された飲料は檸檬堂ノンアルコール版で、美味しそうにゴクゴクと飲んでおられました。この手があったか……
私も敢えて後味咽喉の渇くヘーゼルナッツラテを飲んだので、残り水をがぶがぶ飲み、最後は被り水してHHさんと共に出発しました。

国道49号は中山峠に向かってきつい勾配の上りが続きます。
HHさんも自然と歩き始めます。
昨年この辺りでは雨本降りでしたが、今年は太陽がギラギラと輝いております。
両脚股間がパンツでギコギコされて赤肉露出なので、雨で濡れたら更に大変な事になるので、晴れている事をありがたいと思わないといけません。

大きな右カーブを過ぎると中山トンネルが見えて来ました。
郡山まねきの湯(標高222m)から中山トンネル(標高523m)まで約300m上がって来ました。

トンネルを抜け、日本海側の新潟に流れ出る阿賀野川流域に入りました。
昨年6月、会津若松の料理屋にて魚介類は小名浜で揚がった物か訊いたら鼻で笑われたのを思い出しました。

平坦で長閑な農村風景が続きます。
トンネルを通過したら急に強い眠気を感じるようになりました。
暫くすると右側に歩道の延長となる形で(車が入らない)コンクリートの平坦な個所があり、前を走っていたHHさんに「済みません。眠いので此処で寝て行きます」と言ったら、元気に走っていると思っていたHHさんも強い眠気を感じていたようで(眠気は伝染する!?)、大きな日陰が2箇所あるので、其々別の日陰に入り、仰向けになって転寝しました(15:51)。
気が付くと8分半が過ぎており、HHさんはもう居らず、代わりに福島在住のOHさんが同じ場所に横たわっておりました。

歩道の雑草が荒れ放題に伸びきっており、走行困難な状況にさせてくれ、時々車道を走ります。
暫くの間単独走でしたが、遥か前方にワラーチランナーHHさんが見え、徐々にその差が迫って来て、漸く追い付けました。

磐越西線線路を跨ぎ、左側に広大な田圃が広がります。
黄金色に実り、収穫間近といったところでしょうか?


湖面標高514mの猪苗代湖に出ました。
すぐに小さなトンネルが現れ、歩行者は遊歩道を通る形となります。

サロマ湖に次いで日本で4番目に大きい湖ですが、

先程から雲が張り出し、何時間か後に辿り着く予定の背炙山の上に雨雲が掛かり、沢山の雨を降り注いでいるのが望めました。

彼処に辿り着く頃には止んでいて欲しいです。
正面に望める筈の磐梯山も雲に覆われて見えません。
後日、神奈川県民打上げ会にて伺ったところ、先頭を行くISさん、AHさん、MYMさん達は激しい雷雨に遭い、HSさんは落雷に危機感を感じて会津若松にて途中棄権されたそうです。

昨年MAさんがソフトクリームを、ISさんがかき氷を食べておられましたレイクサイド磐光という昭和時代のドライブインのような観光スポットにて10回目のトイレ小を済ませ(16:48)、

このタイミングで既にHHさんより先に居た事は確かで、HHさんはレイクサイド磐光のエリアに入ってすぐに何処かに立寄られたようです。
すぐに現れたセブン・イレブン猪苗代志田浜店にて伊藤園ビタミン野菜(114円)とカロリーメイトチョコレート味(119円)と水2L(108円)を購入しました(16:55)。
水を持参のペットボトルに移し、カロリーメイトを水で流し込むかの如くがぶがぶ飲み、それでも半分以上残るので被り水にしては多過ぎるなあとと思っていたら、OHさんが現れたので、「水を購入するつもりなら買わないで下さい。此処にある1Lを超える冷たい水を差し上げます」と言ったら、是非とも欲しいという事でお裾分け致しました。
続けてHHさんも到着し、此方は再び檸檬堂ノンアルコール版を美味しそうに飲んでおられます。その手があったのを忘れておりました……

HHさんと共に走り出しましたが、此処から道の駅猪苗代に至るまでが非常に長く感じられました。
徐々に薄暗くなって行き、更に、暗い雨雲にも覆われ、夜間装備を余儀なくされ、準備している内に大粒の雨が降り始め、私は折畳傘を開き、HHさんは雨合羽があるようですが、少しでも雨合羽の中に気化熱を溜め込まないよう着る事無く、ずぶ濡れになり乍ら進むようです。
磐梯山の裾の方が見えて来て。漸く会津に来た事を感じる事が出来ました。

左側に広大な田圃が広がります。
黄金色に実っております。


野口英世記念館の手前辺りまで来ると更に雨脚が激しくなり、屋根がある所でHHさんと共に雨宿りをしました。
私は傘を差しているので雨宿る必要は無いのではと言われそうですが、強い眠気を感じておりますので、仰向けに倒れて瞬時に爆睡しました(18:33)。
「雨脚が収まって来ましたかねぇ」とHHさんが言われたのですぐに目を覚まして共に再出発、12分半眠れました。

昨年、楽しい一時を過ごせた野口英世記念館前を通過し、折畳傘を畳んでいると、再び叩き付けるような激しい雨に襲われ、野口英世の里郵便局の僅か30cm程の狭い軒先に雨宿りました。
狭いですが、仰向けになり爆睡(18:56)、再びHHさんに声を掛けられるまで約4分気絶できました。

それでもシトシトと雨の降る中、西久保交差点を右折し、翁島線に入ると、真っ暗な中見えない足下に次々と水溜り攻撃を受け、時には足首までジャブンと浸けてしまいました。
磐越西線の線路が近付いてきた所を左折し、猪苗代町JR翁島駅前(CP8-166.8Km)には19:28着(昨年より4時間37分遅い)。


素麺、お茶、コーラを頂いた後、グレープフルーツと特に梨を積極的に頂きました。

内臓疲労が酷かった昨年よりはきちんと食べられている感じです。
滞在中にOHさんを含め、何人か後続ランナーが到着されました。

先に発たれたHHさんを追い掛けるように出発、踏切を渡り、猪苗代塩川線に出て、暗闇の中西進します。
幸い雨雲はもう通過して行ったようですが、靴中浸水したために気持ち悪く、早く靴下を履き替えたいです。

全体的に緩やかな下り基調で身体には優しいです。
一旦、HHさんには追い付けたものの、再び強い睡魔に襲われ、民家の軒先のコンクリートの斜面に横たわり気絶しました(20:10)。
2~3人のランナーが追い抜いて行かれたように感じました。
「大丈夫ですか~?」と言う声に目覚めると、此方もワラーチランナーのTYさんでした。
9分半寝ておりました。
暫くはTYさんと並走しました。

更に前を走る2人のランナーにも追い付き、その先の道の駅ばんだいに皆吸い込まれました。
私は11回目のトイレ小に行き、再び軒先で仰向けになりました(20:59)。
眠いと感じたらすぐに寝る。今回の鉄則です。
その間にランナーが何人か出入りするのを感じ、眠気が薄れたので起きて再出発、12分眠れました。
此処から左折するまで未だ長いと記憶していたのですが、あっという間に左折個所が現れてビックリ、会津若松裏磐梯線に入りました。

すぐに歩道を走っているのに途轍もなく強く張られた蜘蛛の巣に引っ掛かりました。
前に十数人のランナーが居るのに、蜘蛛の巣に引っ掛かるとは道を間違えたかと、真っ暗な中地図を広げて確認。
こういう時、雨がジャブジャブ降っていると最悪ですが、幸いにももう雨が止んでから1時間半位経っております。
間違いない事を確認し、反対側の歩道に渡りました。

磐越道磐梯河東ICまで上りが続き、IC脇にあるローソン磐梯河東インター店に入り、HHさんが愛飲されていたノンアルコール檸檬堂(147円)を購入(21:33)、疲労困憊の今、正に求めていた味でした。
イートインコーナーにて飲んでいるとトイレからTYさんが出て来て、TYさんも食べ飲み始めました(何をか忘れました)。
夜中のコンビニのイートインコーナーにてTYさんが食べ飲みしている横に座る自分、正に2018年川の道フル初参加の時のファミリーマートJA津南町上郷店を思い出しました。
その時の話をするとTYさんも「覚えてます。覚えてます」との事でした。
因みに2018年川の道はTYさんが優勝した大会で、TYさんにとっても記憶に強く残る感慨深い大会であった筈です。

少し元気になったので先に行かせて戴き、ICを過ぎると会津若松盆地へと下って行きます。
国道49号を右折し、会津慈母大観音像の背中側を廻ります。
この辺りは再び歩道が荒れ放題でとても進む事が出来ず、車道に出て走るのですが、国道なのでトラックやダンプカーやトレーラーが頻繁に行き交い、その度に歩道に上がり一時停止を余儀なくされますが、もはや歩道を草刈りする予算も無いのでしょうか?

昨年は西日が黄金色の水田を照り付ける光景を望めましたが、既に時刻は22時で暗闇の中、行き交うトラックの前照灯しか見えません。
暫く進むと2人のランナーに追い付きました。
内1人はMYHさんというSAJの大会に年間数多く参加されているランナーで、どの大会もしっかりと完走されている強いランナーです。
今年の川の道では肉刺と爪剥がれにやられて上田で途中棄権されておりますが、小諸まで上位を走られておられました。

緩やかな傾斜を下る間、並走しておりましたが、平坦になりファミリーマート会津鶴賀店が現れたので、二人には先に行って貰いました。
12回目のトイレ小を済ませ、踝丈紳士靴下(429円)を購入しました(22:56)。
此方は背炙山レストハウスにて履替える予定です。
折角コンビニに入ったのだから何か飲食物でもというところですが、深夜遅い時間帯になって再び内臓疲労に因るムカムカ感が出て来た感じです。
背炙山に登る前最後のコンビニでカップの漬物辺りだけ食べられればと考えております。

暫くして先程の二人と、OHさんともう一人のランナーの計4人が走っておりましたが、ヘッドライトのバンドが外れてしまったので、会津若松駅前の照明&椅子がある所で直すべく、ペースを上げて先に行かせて戴きました。

磐越西線の線路手前の北柳原交差点を左折して国道121号に入り、暫くすると昨年下見ドライブの時に宿泊したワシントンホテルが視界に入って来ました。朝食バイキング美味しかったなぁ~
薄暗くなった中、程無く正面に駅が現れ、会津若松市JR会津若松駅前(CP9-185.2Km)には23:18着(昨年より5時間48分遅い)。


会津バス観光案内所のベンチに座った次の瞬間「うえっ!!」と悲鳴を上げておりました。
ベンチは雨に打たれて、どの個所もびしょ濡れでした。
屋根があるのに横から雨が入り込んで来たのでしょう。
靴下だけでなく、パンツまでびしょ濡れにしてしまいました……

しゃがんだ不安定な姿勢の状態で、ヘッドライトの外れたバンドを直していると、「うつくしまのランナーですか? 色々と食べ物を用意しておりますが、何か食べますか? カップ麺とかもありますよ」と言う声の主を見上げると、一人の女性が大きなビニル袋を2つ両手に抱え持って近付いて来ました。
これから私設エイドをされるのでしょうか?
先の理由で今食べ物を受け付けるのが困難なため、「ありがとうございます。気持ちだけ頂きます。今気持ち悪くて食べ物が入らないのです」と言ってその場を立ち去りました。
すぐにOHさんを含む4人組がやって来られました。

再び国道121号を南下します。
国道121号は、米沢から会津若松、日光を経由して、益子に至る国道で、毎年10月にやって来る南会津への道とも重なります。

深夜ですが、街中にはポツリポツリと人が出ております。
そんな中、停車中の車からとても大きな声で声援を頂きましたが、深夜の町中に響き渡る程の声量で、応援は嬉しいけど、周辺住民に迷惑にならないかと冷や冷やしました。
市役所を過ぎた所で左折、鶴ヶ城の北辺を東進します。

暫く進み、郡山市内に入るまで約55Kmコンビニ不毛地帯となる最後のコンビニであるセブン・イレブン会津東山店が現れ、13回目のトイレ小を済ませ、ノンアルコールの宝酒造辛口ゼロボール(141円)とイカと胡瓜の葱塩サラダ(302円)を購入し(9月18日0:09)、外に座り込んで食べ飲みました。

塩味が美味い!! 甘さ控えめの炭酸が美味い!!

そろそろ発とうかという頃に前照灯が近づいて来ましたので、少し待ってみました。
OHさんで、此処で休憩されるそうなので、「私は背炙山は入口からノロノロと歩いて行きますので」と言って一足お先に行かせて戴きました。
此処から約10Km、この大会最大の要所となります背炙山を雨上がりの霧に包まれる山道を単独歩で進みます。

湯川大町線から東山温泉線に入り、一気に急勾配となり、標高差600mの山登りとなります。
御宿東鳳を過ぎ、其処からは「熊に注意!」とも書かれている山道に入ります。
熊避け対策としては、柑橘系のキツめの匂いのする香水を先程のセブン・イレブン休憩中に身体中に吹き掛けました。
熊は視覚や聴覚よりも嗅覚に敏感で、1Km以上先の匂いを認識できるそうです。

昔、地元の人々がこの山を越えて行商に行く途中、「朝は東から上る太陽を、帰りには沈む夕日を『背中』に浴びながら」家路に就いた事からこの名が付いたそうです。
行商という事はそれなりの重量のある荷物を担がれていた事と思われます。
何故態々こんな山道を通っていたのか、多少遠回りでも今の国道294号を通って山を廻って行った方が楽であったのではと考えてしまいます。

昨年はISさんMAさん先導で緩い坂は走り、急な坂は早歩きで引っ張って貰いましたが、今年は自分のペースでのんびりと歩きます。
しかしながら、暗闇の中白い霧が靄となって前面を覆い尽くし、一本道なので道に迷う事は無いですが、方向感覚がおかしくなりそうです。
眠気もありますので、上下の平衡感覚も狂いそうです。
時々ふらふらっと道の端に吸い寄せられ、側溝に落ちそうになります。

全体の1/3辺り、昨年気持ち悪さを感じ、道の端で嘔吐しました辺りで背後から人の気配を感じました。
遠く先、暗闇の中、3つの前照灯が揺れ動いており、此方に近付いて来ております。
一緒に歩けたら眠気覚ましになりそうです。
しかし追い付かれるという事は今の自分のペースより速い訳で、追い付かれてもそのまま追い越されて置いて行かれる可能性もあり、追い付かれるタイミングを少しでも遅らせるべく、脚に力を入れ、僅かながらペースを上げました。

だいぶ経ってから、OHさんと、先程MYHさんと共に走っていた若いSFさん、道中何度か見掛けておりますTKさんに追い付かれました。
東北道郡山ICを過ぎた所で、「暑いですね! ファイトです!」と声を掛けたランナーだと思われます。
少し脚に力を入れて何とか3人に付いて行く事が出来ました。


OHさんは早朝の犬の散歩で帰宅する直前に酎ハイを飲み、その後ランに出て帰宅前に再び酎ハイを飲むという休みの日は午前中から飲んでいる話をするので、私も普段どれだけ飲んでいるか話をしていたら、SFさんが「そんなに飲まれているのですか~?」と驚いている様子。
「まねきの湯でも寝るためにビール飲みましたよ」「私もです」「ひえー!!」
基本的にロングランナーは大食漢の大酒飲みが多いです。

九十九折りを繰り返し、会津若松盆地を下に見下ろす形になる頃、凄い勢いでヘッドライトが背後から迫って来ました。
そして視界に入って来ると、凄い勢いで急坂を駆け上がって来て、そのまま追い抜いて行きました。
「ナイスラン!!」
後半ハーフの部の先頭ランナーです。
未だスタートから70Kmなので元気一杯です。

暫くすると2人目のハーフランナーが迫って来ました。
MAさんという女子ランナーでした。
小さな歩幅で速いペースで追い抜いて行きました。

その後も更にこれでもかこれでもかという程上り続け、漸く夜霧の包み込む暗闇の中、レストハウスへの道へ左折して入り、スタッフに懐中電灯で照らして貰いながら、会津若松市背炙山レストハウス(CP10-199.9Km)には2:55着(昨年より6時間27分遅い)。


14回目のトイレを済ませた後、メロン、グレープフルーツ、コーラを頂いて、ブルーシートに寝ました(3:15)。

此処まで一緒にやって来た3人も既に爆睡モード、後から来られたワラーチランナーHHさんも眠りに入るところでした。

「行って来ます!」「行ってらっしゃい!」の声で目が覚めると(睡眠時間は44分)、時刻は4時。OHさんは4時に再出発すると言われていたので、予定通りの模様。他にも何人かのランナーが付いて行かれました。
到着時は食べ物を受け付けられませんでしたが、今は行けそうなのでカレーライス小盛と温珈琲を頂き、

急に吐き気を促さないようゆっくりモソモソと(傍から見ると美味く無さそうに)食べていると、女子ランナーが入って来ました。
ハーフの部、女子2位で此処に到着したのは、そろそろ来る筈と思っていたSEさんでした。
SEさんとは前回みちのく津軽JRにて、津軽中里駅で私の生命の蠟燭の灯が消え掛かる寸前にお会いしております。
あの時、いつも笑顔を絶やさないSEさんから折角元気を頂けたのに、それを受け止める事が出来なくて残念でしたが、本日は此処で元気を頂けて出発する事が出来ました。
「ノロノロ進んでおりますので追い付いて下さいね」「はい、後程」

未だ真っ暗闇の中出発しました(4:15)。
この先で熊が出没したので注意との事。
改めて柑橘系香水を噴霧します。
靴下を履替えただけでリフレッシュした気分になれました。

再びノロノロペースで走り始めましたが、熊の恐怖より、足元まで覆っている白い夜霧で行く先の道が見えない事の方が怖いです。ヘッドライトの灯りが遠くまで照らせません。
風力発電の回転翼が回っている音が不気味に響く区域を過ぎ、漸く背炙山から下りて行く得意の下り坂になりましたが、一向にペースを上げられません。
内臓がバテており、身体は重く、脚もカチカチで、身体全体で今すぐこの苦行を止めてくれと訴えております。
それでも下り坂は楽で、永遠にこの下りが続いて欲しいです。

暫くすると後方から前照灯が近づいて来ました。
結構な速度差でぐんぐん近付いて来るので間違いなくハーフランナーのようです。
そして予想通り、「○○さーん!」と呼ぶ声が聞こえSEさんでした。
「やっぱり速いですね」少しSEさんのペースに引っ張って貰うべく、ペースを上げました。
意外と未だ走れそうですが、一応「私はもうヘロヘロなので、どうぞ自身のペースで進んで下さいね」と言っておきました。
夜明けが近付き(日の出は5:22)、普段の起床時刻も間もなくで、身体が少し元気になったのか、少し速いペースでも付いて行けるようになった感じです。

暫くしてワラーチランナーTYさんに追い付きました。
いつの間にか背炙山に到着していつの間にか出て行かれていたようです。
ペースが違い過ぎたのでそのまま追い越しました。

更に平坦な道になった辺りで、SFさんに追い付きました。
「眠いので何処かで休もうと思います」「この先国道を右折して少し行くと、自販機が右側にあって、その前にコンクリートの斜面があって寝るには最高ですよ」と言って、先に行かせて戴きました。
SEさん曰く、「今言われていた自販機分かります」との事。
訊くと、会津若松→背炙山→舟津公園の辺りを少し前に試走しに来られたそうで、此処周辺の自販機の位置等は私より詳しく把握されております。

国道294号に出る頃にはうっすらと明るくなっており、3日目の夜明けを迎えました(5:09)。
日本の原風景を残した「うつくしま、ふくしま。」が広がります。

この頃既にMAさんが先頭でまねきの湯に到着して総合優勝、僅か17分遅れてISさんが2位でゴールされておりました。

二人共、本当に強いランナーです。

そして並走するというよりはSEさんに引っ張られる感じで後ろを追い掛ける感じで走ります。

軽快に脚を運ばれており、ポンポンと優しく垂直に地球を踏み付けて進みます。
「前から思っておりましたが、SEさんて転倒した事ないでしょ?」と訊くと、「一度も無いです」と想定通りの返答でした。
「なんで分かるんですか!?」「足の運びです。ISさんと同じように地面に垂直に脚を下ろされているので絶対に転ばないだろうと思っておりました」
これで一昨晩、MYMさんに話した内容の裏が取れました。

SEさんは内科医で日々の業務も多忙で、毎朝4時起きの生活を続けられており、日曜祝日しか休めないので、津軽もこの大会も日曜日午後に出発するハーフで参加するのがやっとで、川の道も今のところずっとハーフで参加されております。
前回の津軽の直後にも患者さんの最期を看取られたりと、医療現場の第一線にしっかりと従事されているお話も拝聴し、改めて心より敬意を表しました。

自販機が見えて来て、SEさんが少し興奮気味に「あの自販機でおでんが食べられるんです!」「おでん??」
自販機=咽喉を潤す物という概念以外に持っていなかったので、食べ物を食べるという感覚が欠如しており、同調できない自分が居りました。
自販機の手前で合流したTKさんと3人で自販機に吸い寄せられ、私はレモンソーダ(130円)を購入、その場でゴクゴクと飲み切りました。
SEさんは冷おでんの缶を購入し、一塊ずつ頬張っておりました。
見ていたら段々食べたくなって来ましたが、今はそれ程まで胃袋が元気ではありません。
来年のお楽しみにしたいと思います。

その先でOHさんを抜き、更に黒森峠への上り坂でワラーチのHHさんを追い抜きました。
此方は完全にSEさんのペースに引っ張られている感じです。

黒森峠を越えると赤津の集落を通過します。
昔の宿場町のような町の形をしております。

福良中町に入り、郵便局を過ぎた大阪屋食堂を左折して(6:36)猪苗代湖畔へ向かいますが、此処でも峠越えします。


この先湖畔に出ると公衆トイレがあり、其処を逃すと長い区間トイレがありませんので、15回目のトイレ小に立寄ろうと思っていると、SEさんから「この先の公衆トイレって男女兼用でしたっけ?」と訊いて来られたので、「小さなトイレでしたのでそうだったかも知れません」「一足お先に行きますね」と言ってペースアップされ、みるみると背中が遠退いて行きました。

もしかしたらあれが本来のペースで今まで約2時間お付き合いして下さったのでしょうか?
この頃、スタート前にMYMさんと共に声を掛けてくれたAHさん(MYMさんの師匠?)が3位でゴールされました。


緩やかな下り坂を軽快に走っていると、ランナーが一人歩いておりました。昨日、東北道郡山ICを地下道で越えた所で道路の対岸を歩いていたランナーWAさんのようです。
一旦、脚を止めて二言、三言会話してから先に行かせて戴きました。
既にSEさんの姿は直線の遥か彼方で見えない位小さくなっておりました。

猪苗代湖畔に出てすぐ左側の公衆トイレに入り、15回目のトイレ小を済ませました。
昨年此処に来た時は真っ暗で何も見えませんでしたが、本日は猪苗代湖が前面に広がっておりますが、残念ながら磐梯山は望めません。


少し進むと右からランナーが出て来て、其方の方に入って行くと、郡山市舟津公園(CP11-221.8Km)には7:16着(昨年より5時間18分遅い)。既にもぐもぐタイム中のSEさんに引っ張って頂いたお陰で背炙山到着時より、昨年の自分に1時間以上迫る事が出来ました。

昨年は此処で白湯を飲むのがやっとでしたが、今回は明るくなって来た事もありますが、うどん、梨、ファンタグレープ、ハイ・カフェオレ、フルーツポンチ三ツ矢サイダー割(超美味い!!)を頂きました。

SEさんも時間を掛けて色々と食べておられましたので、再び並走させて戴きました。

舟津公園バス停の交差点で歩いていたランナーを追い抜きました。
我々が食べている間にASから出発されたランナーで、一応「一緒に走りませんか?」と声を掛けましたが、「歩くのがやっとですので、どうぞお先に!」「ラスト30Km頑張りましょう!」

郡山湖南線を東進します。
この辺りから雲の隙間から太陽が顔を出し始め、本日も福島の大地をジリジリと温めてくれそうです。
山道に入ると自然と日陰を選びながら進むようになりました。
最後の上り坂となる三森峠への坂を進んで行きますが、地味に長く、地味にキツいです。
昨年は一緒に走っていたSMさんやYKさんを鼓舞しながら進んでおりましたが、本日はありがたい事にSMさんが引っ張って下さります。

この頃、麺やこころ大船店の女将MYMさんが4位ゴールされ、女子優勝ランナーとなりました。自分の事のように嬉しいです!!
一方、郡山で先に発たれた昨年優勝の招待選手HSさんは昨日夕刻会津若松駅にて途中棄権されてしまったようで、後日談では落雷が激しく怖くて止められたそうでした。


暑くなってきた中、しっかりと脚を運んでやっとの事で最後の坂を上り切ると三森トンネルが見えて来て、その手前に現れました。「郡山市街20Km」!!
いよいよゴールが見えて来ました。

1,400mにも及ぶ長いトンネルに入ります。
前回は3時半頃に此処を通過したので道路の交通量はほぼゼロでしたが、今は8時過ぎで、右側の狭い歩道を走っておりますが、正面から次々とトラックやらダンプカーが突進して来ます。
気付くとトンネルの壁面に右腕が触れてしまい、真っ黒な泥が付着しました。

トンネルを出て道端の葉っぱで擦って拭いていると、SEさん「どうされたんですか!?」「壁に腕付けてしまって……」葉っぱで拭いてもあまり綺麗になりませんでした。「水ならありますので使いますか?」「勿体ないです」
優しいお言葉を頂きましたが、かなり暑くなりつつある中、未だ次の自販機までかなり距離がありますので、飲み水を無駄には出来ません。

トンネルを抜けると道はS字に標高を下げて行きます。
山の緑が眩しい位に綺麗で、遠くまで深く緑一色が続いております。

SEさんも写真を撮られており、JRを楽しんでいるようです。

この頃、約24時間前に郡山まで一緒に走った栃木県ランナーUTさんが5位でゴールされました。
後半はUTさんがMYMさんより前に出ていた時間帯もありましたが、後で聞いたところ背炙山にはUTさんが先に入られたのですが、MYMさんは一人で進んでいて怖いし眠いしでしたので頑張って急坂を駆け上がっていたら、前方に灯りが見えたので突進してUTさんに駆け寄られたそうです。
UTさん曰く、背後からとんでもない勢いで前照灯が迫って来られてビックリされたそうです。

UTさんの話題を出すと、SEさんも良くご存知のようで、UTさんを超長距離の世界に引摺り込んだのはSEさんであったそうです。
一般のランナーは100Kmのタイムはフルマラソンのタイムの2.7倍と言われますが、UTさんはその倍数が低く、つまり一般ランナーより長距離が強い。同じ事がSEさんにも当てはまるので、UTさんも超長距離を走れば良いタイムで走り切れると思って強く誘われたそうです。
案の定、小江戸大江戸ではいつも上位一桁に入る圧巻ぶりで、私も強いランナーと尊敬するランナーの一人です。

郡山盆地へと東へ向かって下って行く坂となり、自販機が視界に入りました。
二人のランナーが寛いで居られるのが見えましたが、すぐに走り去って行かれました。
此処で丸搾りグレープスパークリング(150円)を購入し、一気に飲み干しました(9:01)。

後日談では、4位MYMさんは背炙山を出た時にスマホの電池が途絶え掛けており、前を行く3位AHさんと連絡を取り乍ら走っていたのですが、AHさんはもう充電無しでゴールまで行けるとこの場所で判断し、充電池を此処の自販機の横に置いてMYMさんに置き渡ししたという未明のドラマがあったそうです。
この地点に於ける二人の差は約1時間ありましたが、無事バトンパスが出来たそうで何よりです。

斜度が緩くなってきた辺りで、先程見えた二人の内一人のランナーが歩いておりました。
ハーフランナーで、恐らく私が舟津公園ASに入る時に入替わりで発たれたランナーと思われます。
「ラスト走りませんか?」「いえ、ちょっとシンドイです。どうぞお先に」

平坦になると暑さが堪えるようになり、民家や商店の日陰を選ぶように進みます。
本日の郡山は晴時々曇一時雨、最高気温は31℃、本日も真夏日です!!
しかも最高気温を記録したのは10時、今です!!


もう一人のランナーの背中が近付いて来ました。
此方はしっかりと走られておりますので、簡単には追い付けません。
どうやらフルランナーのようで、背炙山を出て以来、フルランナーに追い付くのは8人目です。
昨日会津若松盆地へと下る道で並走しましたMYHでした。
「MYHさん! こんな前に居られたのですね?」「ペースが遅いので背炙山でも休まずに出ました」
私が鼾を掻いて爆睡中に食事だけ摂って行かれたようです。
「ラスト一緒に行きましょう」「キツそうだなぁ」

其処からは3人での走りとなりました。
内臓が疲労し、身体が重く、脚もカチカチで、股間は擦り切れ、足の爪も割れているようで、満身創痍の状態ですが、一番の敵は暑さです。
早くこの苦行から解放されたいという気持ちで一杯の中、私が先頭で気持ち飛ばし過ぎてしまったのか、「ちょっと付いて行けない」と二人から苦情を受けました。私もこのペースでは持たないと感じておりましたが、少し焦ってしまいました。

漸く地平線の向こうに東北自動車道が見えて来ました。
彼処を潜れば久々のコンビニが現れる筈です。
その前に自販機が現れ、3人共コンビニまで持たないという事で飲料を購入、私もレモン風味炭酸水(110円)を購入し、3人で座り込んで休憩しました(10時頃)。
そこに先程歩いていたハーフランナーが元気に走って現れ、「お疲れ様です!」と声を掛合い、そのまま通過されました。

東北自動車道を潜ると、道はVの字に分かれ、道なりに進んでしまうとコースアウトとなりますので、しっかりとコース通りに左斜めに進みます。
程無く右側にファミリーマート大槻三森街道店が現れ、トイレのみ拝借させて戴き、昨日のまねきの湯以来24時間ぶりにトイレ大を済ませ、今回も十分過ぎる位快便でした(10時10分頃)。
便座に座った所為で、立ち上がろうとしても脚が固まり、すぐには走り出せなさそうです。
スマホの地図機能で残り8Kmを切っている事を確認し、二人を元気付けました。

ゆっくりペースから徐々にペースを上げて行きますが、この辺りから街中走行となり、やたらと信号に引っ掛かるようになりました。
あとは新幹線の線路に突き当たるまで東進し、左折して郡山駅前へ入るだけですが、その新幹線の線路は全く望めません。
国道4号を地下道で越えます。
此処まで来て階段の上り下りはシンドイです。
暑い! 早く解放されたい! 新幹線の線路は未だか!

福島県立安積高等学校を過ぎて国道49号と交差する頃には文化通りと名前が変わり、NHK福島放送、麓山公園、けんしん郡山文化センターと過ぎ、漸く正面に東北新幹線の高架橋が見えて来て、長い長い東へ向かう道の終焉となりました。
旧市場通りを左折、MYHさんが道を渡ろうとされましたので、「こっちこっち! 渡ったら郡山駅に吸い込まれる」と誘導しました。
郡山駅を右に見ながら北上し、約24時間前に会津へ向かって走り発った美術館通りにぶつかり右折、東北本線を潜った先で地上に上がる所で、中間地点である1回目の此処まねきの湯で途中棄権となってしまいましたIKさんに出迎えられました。
既に此処に着いてから25時間以上経っておりますので、もう大丈夫という事で一緒に走ってドン・キホーテの横を通過し、郡山市まねきの湯(ゴール-251.4Km)には11:17着。


正式なタイムは43時間17分19秒、昨年より3時間44分17秒遅いですが、SEさんとMYHさんのお陰で舟津公園到着時より、昨年の自分に更に1時間半以上迫る事が出来ました。
6位/137人、MYHさんも同着同タイムとして、SEさんも同タイムとして頂きました。
尚、完走者は50人(内女子12人)でしたので、完走率は36.5%(女子は54.5%!!)と、想定外に多くのランナーにとって苦しい大会であったようです。

ゴール直後にIKさんに皆で乾杯のためのビールを奢って貰いました。
IKさんどうもありがとうございました!!


SEさんは女子2位のため表彰式が続きます。おめでとうございます!! そして引っ張って頂き、ありがとうございました!!

この時、優勝ランナーMAさん、2位ISさん、5位UTさんがわらわらと施設内から出て来られ、我々を迎えて下さりました。皆さんこそおめでとうございます!!

SEさん表彰式が終わると、そこにハーフランナーが飛び込んで来ました。

??
東北自動車道手前の自販機前で3人で休憩していた時、先に行かれたランナーで、その後お会いしていないのでもうゴールされたと思っておりましたが、訊くとVの字に分かれた個所を道なりに進んでしまい、新幹線にぶつかるまでコースアウトしていた事に気が付かずに進んでおられたそうです。

スタートからゴールまでの道中の睡眠時間を積算してみました。
3時間27分!!
フルマラソンを走れてしまう時間、道中で寝ていた事になります。
それ以外にも起きて休憩している(食べている)時間もかなりある訳ですので、どれ位休みながら走ったのでしょう。
その睡眠を含んだ休憩があったからこそ、最後まで走り続けられた事と思われます。
何はともあれ津軽の二の舞にならなくて良かったです。







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最終更新日  2023.11.13 12:48:49
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