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2004.11.30
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カテゴリ:ロバの耳
丁度二年前のこの時期でした。

大学を出てからかれこれ15年以上過ぎ、細々と年賀状だけの付き合いの同級生の一人だった彼女から、いきなりメールをもらい、あまり懐かしくて、誘われるまま会いに行きました。

夜間部でしかも工学部だったので女性は少なく、仲のよいクラスだったので、大学祭や冬休みのスキーなど、大人数で遊ぶときは当然彼女もメンバーでした。

年賀状も挨拶一行書く程度だったので、彼女が誰でも知っている大手メーカーに就職して営業として順調に成績を伸ばし昇進も約束されていたものの、過労で倒れて心臓を悪くして退職に追い込まれ、ようやく外資に再就職できたところだ、という話を初めて聞き、私もいろいろ職場に恵まれない時期だったので大いに意気投合し、その日は楽しいお酒になりました。

その時点で、気になったことは一つだけありました。同じクラスでいつも彼女と一緒に遊んでいた、彼女の親友の悪口です。いつも明るくて誰にでもやさしい彼女がそんなことを言うとは思わず、かなりびっくりしたことは覚えています。

困ったのはその後でした。頻度はそれほど多くはないものの、数日に一度、けっこう長文のメールが来るし、また会おうという誘いも来ます。当時私は忙しい部署におり、夜は大学院で修論を書いている真っ最中で、そうたびたびプライベートで人と飲んでいられる状況ではありませんでした。会えないとなると、さらにまた長文の結構深刻な相談メールのようなものが来ます。

在学中でさえ、よく一緒に遊ぶ仲間内だったものの、お互い良い友人の一人でしかなくて15年以上も会うこともなかったのに、いきなりべったり寄りかかってこられたような気がして納得がいかなかったし、さらに辛かったのは、彼女があまりにも変わってしまったことでした。

自分の病気を嘆き、無理な仕事を押し付けた上司を恨み、大企業を退職して外資で病気を隠して働く辛さを吐露する、そういったものは、私には重過ぎたし、一方的に何かを期待されているようで不快でした。さらに、彼女からは何かネガティブなエネルギーが放射されているような気がしてそれを浴び続けるのは耐えがたく、申し訳なかったけれど彼女との付き合いを絶ちました。

もう連絡をとろうとは決して思いませんが、それでもこの時期になると彼女のことを思い出します。辛いこともあるかもしれないけれど、人を恨んでも仕方がないし、失ったものを数えてもどうしようもないんです。今何ができて、何がしたくて、どうしたら自分が楽しいのか、自分が人に何をできるのかを考えられる、昔のような前向きで明るい彼女にいつか戻ってくれることを遠くから祈ります。





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最終更新日  2004.12.01 22:07:53
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