シロガネやまのレッドの正体

初代では、四天王およびライバルを倒し、
見事チャンピオンの座を勝ち取った主人公「レッド」

しかし、それから３年後を舞台とした金銀において、
彼は表の世界に姿を現さず、シロガネやまの
最深部にずっと立ち続けている。

話しかけても無言、勝負に勝っても無言で
その場を立ち去るだけ･･･。
一体彼に何があったのだろうか？

マサラタウンにいる彼の母親に話を聞くと、
ずっと家に帰らず便りもよこさないままだという。

この謎に関しては、２つの説が挙げられる。

まず一つの説としては、彼はポケモンバトル
ばかりの俗世間に嫌気がさしたのではないだろうか？

チャンピオンとなった彼は連日連夜戦いに明け暮れ、
数え切れないほどのトレーナーたちと戦ってきた。

しかし彼を超えるトレーナーはなかなか現れず、
同じ事を繰り返す日々に嫌気がさしてきた。

「俺を負かしてくれる実力を持ったトレーナーに
会うにはどうすれば良いのだろう･･･」

そこで彼は思いついた。

「シロガネやまには強力な野生ポケモンがたくさん出てくる。
そこの最深部までたどり着ける実力を持ったトレーナーならもしかすると･･･」

こうして彼は山にこもり、強者が現れるのを待つことにしたのである。

彼が言葉を発しない理由としては、連日連夜の戦いで多くの
ポケモンを傷つけてしまったという自責心からくる
ストレスにより、一時的な精神異常を引き起こしていると考えられる。

しかし、この説には問題点も存在する。

山にこもっている間、彼はどうやって飲み食いしていたのか？

戦いが終わった後、なぜ彼は一瞬にしてどこかに消え去ってしまうのか？

これらの問題点を解消するのがこれから論じていく２つ目の説である。

そもそもシロガネやまは通常フラッシュを使用しなければ
先に進めないほどの暗さである。

しかし、レッドのいる最深部なぜか他よりも明るいのだ。
あの場所は「最深部」であって、決して「頂上」ではないはず･･･

加えて、先ほど述べた飲食の有無・一瞬で消える
問題から察するに･･･

彼は既に死んでいるのではないだろか･･･？

幽霊ならば食事をする必要もないし、
一瞬で消えることにも合点がいく。

さらに、最深部があんなに明るい理由としては
あの場所が死者の世界の一部だと考えれば納得できる。

彼は死亡したが、自分よりも強いトレーナーと戦いたい
という想いから成仏できなかったのだ。

そして金銀の主人公と戦って敗れた事により、
満足して成仏できたのだと考えられる。

そう･･･彼はただ純粋に楽しいポケモンバトルがしたかっただけなのだ。

彼は今も、多くのトレーナーたちが成長していく姿を
空の上から見守ってくれている･･･。