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2012.06.07
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カテゴリ:映画
 もっと見なきゃなと思いつつ、昨日は久しぶりに映画館で映画を見ました。ヒューマントラストシネマ有楽町にて、『星の旅人たち』を鑑賞です。フランス西部からスペイン西部まで続く、およそ800キロに及ぶ「カミーノ巡礼の路」を歩む人々を描いた物語です。

 主演はマーティン・シーン、製作・監督・脚本・共演にシーンの実の息子エミリオ・エステヴェスという、父子によって出来上がった私小説的作品です。マーティン・シーンというと、『地獄の黙示録』や『ウォール街』での演技が今でも強烈に印象に残っています。余談ですが、『黙示録』のワンシーン、物語の冒頭のほうでシーンが演じるウィラード大尉が任務待ちでヴェトナムの安宿の部屋に閉じこもっているシークエンスがありました。密室に隔離されたような状態で大酒をくらい次第に自分を見失い、全裸で踊り出した末に側にあった姿見の鏡面を素手で割り、血まみれになった手を見ながらうずくまり発狂するという場面です。驚いたことにこれは演技・演出ではなく、即興により偶然に生まれた映像だったことが後のメイキングで判明します。先の見えない撮影スケジュール、マーティン・シーンという俳優人生の現状と将来、そんな様々な不安材料が重なるなか、コッポラ監督によって、シーン自身の内面をあぶり出すべく罵詈雑言を浴びせられながらキャメラが回っていたのでした。つまりあのシーンはドキュメントであり、手を真っ赤に染めた鮮血も本物だったのです。

 『星の旅人たち』の原題は、"The Way" と極めてシンプルです。シンプルだからこそ様々な意味を含んでいることにもなります。巡礼の路そのもの、人の生きる道、生き方、生き様といろいろ考えさせられます。「人は人生を選ぶことはできない、ただ生きるだけ」とは、シーン演じるトムの息子ダニエル(エステヴェス)の言葉。巡礼の旅に出る決意をこんな台詞にして父に残し、彼は旅の途中で事故死してしまいます。近年息子と疎遠関係にあったトムはダニエルの遺骨を手にしたときに、息子の志半ばで終わった巡礼の路を歩む決意をします。息子の歩いた道、歩きたかった道をこの目で確認し、また同時にこれまでのトム自身の人生、これからの生きる道を考える作業でもあったでしょう。

 この作品の楽しみかたは、いろいろです。旅で出来上がる人間関係、ロード・ムーヴィとしての移動感覚、近年のハイヴィジョン映像にはないフィルムの手触り感の温かさ、BGMで選ばれた曲、世界遺産を含む荘厳な風景、ワインと料理を通じて感じるスペイン文化、などなど様々な材料がここには含まれています。特に僕は、移動中に使われるBGMの選曲が気に入りました。エステヴェスと同世代だからかなあと思います。中でもジェイムズ・テイラーの "Country Road" 、アラニス・モリセットの "Thank U" は場面にぴったりといい感じで流れます。"Thank U" という曲は、デビュー曲で一気にスターダムに上がってしまったモリセットが、二曲目を作る前に自分自身を見つめ直すためにインドを単身で旅して出来上がったナンバーです。裸の自分をさらけ出したような内容で、まさに今作品にぴったりです。


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最終更新日  2012.06.07 11:39:32
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