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文庫本ですが600ページ近くある大作です。
江戸末期から明治にかけて日本を訪れた外国人が残した 文献から、当時の日本の文化や風俗を考察した本です。 外国人の目を通した日本の良さを、これでもかという位に 繰り返し書かれてありますが、同時にその背景を冷静に 分析する目を持おり、単なる日本賛美や懐古趣味に陥る ものではありません。 まず読んで感じたのは、その頃に日本を訪れた外国人の 中には日本の良さを驚くほどと高く評価すると同時に、 自分たちが持ち込んだ文明というものによって、日本の 良さが確実に失われるということにある種の罪悪感を 持っていたということです。 その頃の日本は豊かではないものの、多くの人が満足し 楽しんで生活できる社会でした。 そして、その頃にこれらの良さが失われてしまったものの 実は今でも多くの人が満足し楽しんで生活できる社会が 残っていると考えられます。 そしていまここにある良さについても、これから失われ る方向に社会が変わりつつあります。 その頃の外国人が、必ずしも人を幸せにしない文明の 流入を止められないものとして諦めていたように、我々も 今の社会が進みつつある方向が、人を必ずしも幸せにしない と感じながら、ただ諦めて見ているしか無いのだろうか。 そんなことを考えさせてくれる本でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年02月28日 13時23分43秒
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