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日系企業に勤めるロボット修理士から感動のお話を聞きました。
この方が家に帰ったのは昨晩で、14日振り。8月8日の台風直撃を受け、正にその現場に飛んで行って、顧客の工場を回り、ロボットの一部分を浸水でだめにならないように取り外しに行ったのです。 工場は大体郊外にあり、被害が酷く、臭かったと言います。動物の死骸がそのままなのです。 道路は浸水で見えず、田んぼに落ちると、どこからともなく住民が集まって来て、押し戻してくれたそうです。 市内のホテルに帰っても水は出たり出なかったりで、水が出るとスタッフがすぐさま全室を回り、浴槽に水を貯めておいてくれ、工場の社長も、自分達にも満足にない食べ物や飲み物を分けてくれたと言います。 閉鎖されて、こんな中来られるのは、ジャーナリストか家族がいるか何か、必ず大切な理由がある者と知っているんだそうです。台南の人達を助けようとわざわざ困難な場所に来る方、それを自分も大変なのに、助ける地元民達。どちらも素晴らしいと思います。 お話を伺った方はチームのリーダーでしたが、取り外したロボットを保管しに、何度も台中には戻ったそうです。ちょっと寄り道すればすぐ会える家族の顔を見たいな、と思っても、それをしたら、限界の状態で働き続けているスタッフ達の不満が噴出して来るだろうと我慢して台南へ戻り、高い緊張感を維持したまま任務を遂行したそうです。 会社にとっては、お客様が倒産しては、売り先が減ってしまいます。 だから当然と言えばそれまでなのですが、大型台風が直撃している中、自分のロボットを守る為に、遠くから駆けつけてくれた会社に対し、どれほどの感謝、感激だったでしょうか。 あちこちに散らばるスタッフとは常に連絡を取り、安否の確認をしていたというから、リスクはあったでしょう。何かあったら無謀と言われたかもしれません。 ただ先日の日記に書いたように、被災地に消費期限切れの食べ物を送るような善意と比べたら、これが本当の救済なんだと思います。 台湾でも中小企業には力があります。 仕事さえ続けられれば、自力で立ち直っていける人達を、救おうとしたこの方々の話を聞いたら、「地上の星」が聞こえて来ました。 「どうしてそこまでやれるの?」と聞くと、「会社の慣わしだよ。今までの災害に対してもそうだけど、会社は今回の被害に対して、修理を無料でするんだよ。すごい金額になるはず。だからスタッフも残業代はおろか、出張手当も出ないけどこういう時は一丸となって取り組むんだ」。 技術の高さだけが、世界でもほぼトップのロボットメーカーを支えているのではないんですね。 血の通った組織、理想と使命を共有できるプロフェッショナル集団でした。 台湾のおじさん達の像が、プロジェクトXの日本のおじさん達とダブって見えました。M お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009/08/29 01:45:43 PM
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