読書:『地下墓地』
書名:地下墓地著者:ピーター・ラヴゼイ/山本やよい訳出版社:早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)ページ数:574p発行年月:2004年12月ISBN:9784150747220本体価格:980円(税込 1,029円)読了は18日だが、こちらで。ああそうそう、本筋と関係ない感想を先に書いておくと、この文庫の「解説」は読んだらいけません。バカ評論家(とあえて言う)が次の作品『最期の声』について触れており、「こんなこと、次作を読む前の読者に向かって書くな!!」と叫びたくなる醜態を演じている。私はたまたまこっちをあとで読んだからいいようなものの、シリーズを追いかけている読者は順番に読んでいくはず。ほんの数行だろうが次作を読む前にこんなこと読まされたら、読書の楽しみ半減じゃないかバカ!!!!!ミステリ愛好家と思えないルール違反だ。書く奴も書く奴だが、そのまま載せる編集者も大たわけだ。というわけで、「解説」は決して読まないでください。さほどたいしたこと書いてないしね。では本筋へ。あらすじ ダイヤモンド警視は、遺跡の地下で発見された人骨の身元照合に奔走していた。現場付近で『フランケンシュタイン』が執筆されたことを突き止めたマスコミが「怪物の仕業か!?」と煽るため、早期解決を目指したのだ。だが、骨董商殺人事件を捜査中のウィグフル主任警部が殴打され、昏睡状態に!生死の境を彷徨う同僚に代わり殺人犯も追ううち、ダイヤモンドはふたつの事件の間に不可解な繋がりを見いだし、真相に迫っていく。山本やよいさんの翻訳はイイなぁ。さておき、やっぱり読んでなかったよ、この作品!!この間、『最期の声』の感想日記で、それ以前の作品紹介を書いたときに「これは読んだ覚えがない~」と思っていたんだよね。なんで飛んだかもだいたい予想がついてるんだけど、個人的なことなので書かない(笑)。この本を読んでいた一週間は本当に毎日がシアワセだった。(つまり、読んでいて楽しかった)ダイヤモンドがインタビュアーをやりこめちゃうところとか、あれもこれも滅茶苦茶面白かった。最後のクライマックス部分なんか何度も読み直してしまった。いや~、どうやって過去の殺人と、骨董商の殺人がつながるのか(あるいはつながらないのか?)、これがわからないんだよね。ラヴゼイはこういう部分を隠すのが実に巧い。おかげでキース・ハリウェル同様、ダイヤモンドの推理の飛躍についていけず、キースと一緒に説明を求めて本にかじりつくように読む羽目に陥るのだった(笑)。な~る~ほ~ど~ね~。そして履歴書を当たるアイディアにも脱帽。ああ、面白かった。↑もうこれで十分。ぜひ自分で読んでみて(できれば『最後の刑事』『単独捜査』などを先にお読みください)。ダイヤモンド・シリーズの中でも秀逸な出来映え。▼この本はこちら。6時間くらい。