彼の実家に行ったときのこと。
彼~元旦那さまのお父様の長兄宅に
一度だけ訪問したことがあった。
大きな山が背後に連なる
広大な敷地のど真ん中にある田舎の屋敷。
田畑を持つ 豊かな農家だった。
お父様の長兄の その息子が継いでいるので
まだ若いお嫁さんが 数種類の大皿の料理を作り
集まった親類たちに 嫌な顔一つせずに運んでいる姿が
私には とても印象的だった。
しばらくして 誰かに
「裏山にでも行ってみたら?」
と言われ 退屈だった私は
痺れる足を さすり~ひきずり~
大きく開け放たれたままの玄関の隅に置いてあった
女性物のサンダルをちょっと拝借して~
まだ新婚間もない 元旦那さまと
栗の木が植えてあるという 裏山に
ゆっくりと~曇り空だけど 散歩することにした。
栗の実がたわわにぶら下がった 古い大木を
都会育ちの私は~
生まれて初めて見たような気がする。
歩いてると そこかしこに落ちているイガを
何気に 彼が両足で 踏みつけていた。
「あら。栗を足で踏むなんて 随分お行儀が悪いわぁ」
やはり 玄関においてあった
男性用のサンダルを突っかけて来た彼の その行為・・・
食べ物を 足で踏む姿なんて
私は見たくないと思って 目をそらせたが
「こうやって 栗の実を取り出すんだよ」
器用に 両足でイガを踏みつけると~
パックリと割れたイガの中から
大きな栗の実が 三つも、中から顔を出した!
「わぁ~!!すごい!栗ってこうなっていたのね~」
足で踏んで 栗の実を剥くなんて
お行儀が悪いけど
長靴で踏み開けるのが普通だよ と言いながら
いくつもいくつも見つけては
栗の実をポロリと剥いては 拾っていた。
こんなところで
栗の初体験?をするとは 思ってもいなかったけど~
その後に もっと
もっと 思いも寄らないことがあるとは
このときは 夢にも思っていなかった・・・。
つづく・・・
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