カテゴリ:異文化
ソルボンヌは20人前後のレベル別のクラスで、各クラスの担任の先生が授業を行っていた。
授業の進め方も、使うテキストも担任の先生によって違った。 冬学期の担任ミレーヌ先生の授業は3~5人のグループで、あるテーマにそって会話を作り、みんなの前で発表するというのが多かった。 これ、発想力とか表現力、そして人前で発表したりするのが、あまり得意ではない典型的日本人の私には少々辛いものがあった。 ある日、それは皆の前で発表ではなくてクラス全員でお店屋さんごっこだった。 二人一組になって、一人は店員、一人は客を演じるのだ。 これは、会話はもちろん、数字や男性・女性名詞の勉強にもなる。 でも、まさか30歳にもなろうかというのに、お店屋さんごっこをすることになろうとは夢にも思わなかった。 私はPatisserie(ケーキ屋さん)の店員をすることになった。 典型的日本人の私にはいらっしゃいませ、とかごくごく普通のことしか言えなかった。 そして客役のクラスメイトたちもごくごく普通に「Gateau au chocolaを一つ 下さい」とか言うのかと思っていた。 でも世界の各国のクラスメイトたちは違った。 勝手に客である自分の人物設定ができあがっているらしく、 「Bonjour!! 今日はの息子の誕生日なんだけど、お勧めのケーキはどれ?」とか「家は5人家族なんだけど、どの大きさが丁度いいかしら?」とか予想もしていなかったことを言い出した。 しかも、その口調は何だか演技が入っている。 さらに、みんな楽しそう。 ちなみにクラスメイトたちは最低でも18歳。私よりも年上の人さえいた。きっと年は関係ないんだと思う。これって、きっと文化の違いなんだと思う。日本人はこういうの苦手なんだと思う。日本人は人前で演技とか、ちょっと恥ずかしがる傾向にあるでしょ? 今では良い思い出ですけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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