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"tomoraku"の徒然

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September 15, 2020
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カテゴリ:LIFE



⬜️人気のないダチョウ研究に没頭する激ヤバ博士だったのに、 感染症問題でめちゃめちゃ注目されてきた学長

↓↓↓

ダチョウの卵から抗体を取り出し、 感染症予防に寄与する研究で注目を浴び続けてきた塚本康浩教授は、この4 月から京都府立大学学長に就任した。

鳥類の免疫学や感染症を研究し、獣医師としても知られる塚本学長だが、 大学運営を担い、学部生と大学院生も 受け持つ教員でもあり、研究者として 起業家で事業家としても注目を集めている。



地方にいながらにして研究成果を大学発ベンチャーとして社会に発信し、 産学連携でも巨額マネーを生み出し新しい事業を作り出す。


直近では、ダチョウの卵から新型コロナウイルスの抗体を抽出し、ウイルスを不活化する抗体成分を染み込ませたマスクやスプレーなどの商品化で、ウイルスの感染力を抑制し感染予防 に貢献する時の人だが、過去にも新型インフルエンザから始まり、SARSコロナウイルス(重症急性呼吸器症候群、SARS: severe acute respiratory syndrome)、MERSコロナウイルス (中東呼吸器症候群、MERS: Middle East Respiratory Syndrome)、エボラ出血熱などでダチョウ
抗体を用いた感染予防でも話題をさらってきた。




⬜️鳥好きの少年がダチョウ抗体で注目されるまで

小さいころから鳥好きでスズメやインコ、ニワトリなどの鳥を飼っていた康浩少年は小学校 6 年生のとき、桜文鳥を死なせてしまったことがきっかけで獣医の道を目指した。

1994年 に大阪府立大学農学部獣医学科を卒業し、1998年からダチョウに憧れて観察を始め、ダチョウ牧場「オーストリッチ神戸」のダチョウ主治医に就任。

ダチョウは不潔でも、ちょっとしたけがでも、病気でも死ぬことがほぼなく、60年も長生きする。

長寿の秘密は、驚異的 な免疫力と回復力で感染症に強いからではないかとダチョウの免疫力の高さに気付き、本格的にダチョウ抗体の研究を開始。

以後の研究でダチョウ抗体は、ウイルスやバクテリアなどの病 原体を不活性化する能力が高いことを発見し、ダチョウの抗体を取り出すことに成功した。

2008(平成20)年7月2日付で、「ダチョウ抗体を用いた鳥インフルエンザ防御用素材の開発で京都府立大学発ベンチャーのオーストリッチファーマ株式会社を設立(JST大学発 ベンチャー創出推進研究開発成果を事業展開)」 と国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) からプレス発表された。

研究内容は、超大型鳥類であるダチョウを用 いた新規有用抗体の低コスト・大量作製法の開発。

および、がん細胞における細胞接着分子の機能解明とその臨床応用化、高病原性鳥インフ ルエンザ防御用素材の開発だ。2009年の産学官連携推進功労賞表彰では、ダチョウ抗体を用いたマスクを開発した事業展開が評価され「文部科学大臣賞」を受賞するなど、 産学連携においてはもちろんのことJSTとも関係性が深い。




塚本学長は、「起業にあたり30代の半ばころからJSTさんから2億円以上の支援をしてもらい、 命の恩人ですよ。

あれがなければ単なる鳥好きのおっさんで終わっていました(笑)」と当時を振り 返る。

一般的に、抗体は、ウサギやマウス、培養細胞などから生成されることが多いというが、1gあたり 数億円もする。

ダチョウの卵から取り出す抗体は1gあたり10万円程度で、通常1年かかるところ、 2週間ほどと短期間で採取可能とあって、安価なワクチンを素早く、大量生産でき新興感染症のパンデミック(感染症の爆発的流行)に有効的な対応がとれる。

オーストリッチファーマは、当初3年で2~3億円を目指す計画だったが、ダチョウ抗体の生成と販売を主軸に、わずか5年ほどで末端売上高200億円の経済効果を生み出し、あっけなく目標をクリアした。



ダチョウは年間100~120個、一生だと3,000~5,000個産卵し、採取できる抗体量はマウスのおよそ4000倍で、マスクにすると1個の卵から採取する約4gの抗体で4~ 8 万枚分に相当 するという。さらにダチョウ個体を犠牲にすることなく卵から抗体を採取できるのも魅力だ。

また餌は、主にモヤシと牡蠣(カキ)の貝殻で餌代は安く、不潔のままでも問題ないことから飼育の ための施設代も抑えられるなどビジネスにおいて他者を寄せ付けない利点を兼ね備えている。

「当初、JSTのプロジェクト期間は3年の予定でしたが、JSTの新技術説明会やバイオ系のフォーラムなどでプレゼンテーションし説明すると、当時は抗体への関心が高かったことと、抗体を短期間で作り提供でき、企業もそれを利用して短期間でビジネスに生かせるとあって、たくさんの企業が集まってきてくれました。

それで1年半ほどで軌道に乗り、うまく行き過ぎた感があります」と塚本学長。



⬜️学生時代からビジネスで学費や生活費を稼ぎ、米国にも進出

失礼ながら鳥に夢中になった姿と、特定のものに強い愛着を示す人にありがちと勝手に想像し、人とのコミュニケーションが苦手なのかと偏見に満ちた思いから、ビジネス面でのことを根掘り葉掘り聞い ていくうちにその偏見は見事に打ち砕かれ自省しきりになった。

聞けば、大学の学部生のとき、日本画の販売画廊をやっていて、ファックスで注文を受けて生活費を稼いでいたという。

「バブル時代で絵の横流しです(笑)」と塚本学長は自嘲気味だが、起業気質は当時から備わっていたようだ。

大学院生時代には日本学術振興会の特別研究員にもなったため、兼業が認められないことでいったんその会社を清算したが、獣医師としてアルバイトがてら往診専門の有限会社を 立ち上げた。

「フリーの獣医師で、獣医のドクターXですよ(笑)」と話す。

しかし終盤は研究活動に集中しなくてはならなくなり兼業が厳しくなったのでまた会社を清算したのだが、2社とも利益を出し生 活費や研究費に充てていたというから驚きだ。

東京目黒のケーキ屋で時給600円、東京湾の岸壁で作業着にヘルメットをかぶり寒風の中、輸入品のアルミのインゴットや銑鉄、ガット船から降ろされる砂利を検数する取っ払いのアルバイトで生活費 を稼いでいた筆者とは発想が違い打ちひしがれる。

オーストリッチファーマは3社目の起業で、事業を展開するにあたり関連する事業、例えば抗体を活 用した食品が軌道に乗れば社員に独立・起業を促し、アメーバ方式の会社が10社ほどあり協力関係を築く。

利益相反など大学という制約と京都府という自治体運営の大学であることからの企業活動は、立場上極めて制約が多い。

オーストリッチファーマは、抗体の生成と販売という大学の研究成果の事業化しかやってはいけない。

もちろんだが立場上から塚本学長はそれらの経営に関与せず、報酬も得ていないし子会社でもない。

ビジネス社会でのつながりで得た人間関係によって、起業文化を醸成させることも怠らない。

さらに塚本学長は、米国にも会社を持っていて、研究者でありながらビジネスパーソンとしてもバランス感覚を持っている。



また、塚本学長は、米国にも進出している。

エボラ出血熱ウイルスを不活性化するダチョウ抗体の開発に成功したことがきっかけで、米国陸軍の 感染症医学研究所と共同研究を行うためや、ハーバード大学の関連病院で、ダチョウ抗体を用いた院内感染予防(クロストリジウム・ディフィシル菌感染症のダチョウ抗体を用いた予防効果があるかどうか) の治験をするためボストンに会社を設立した。

それぞれ米国法人との契約には米国に会社が必要だった からだ。

今後は、アリゾナにダチョウ牧場を作り、投資家が多くいる米国で事業を拡大させたいという。


⬜️バラエティー番組ではいじられ役も

テレビ朝日の「激レアさんを連れてきた。」は、激レアな体験をした人をゲストとして迎え、衝撃的な 実体験を聞くバラエティー番組だ。2018年10月8日、当時は深夜帯で放送された「人間界に背を向けてあらゆる鳥たちに人生を捧げた結果、ダチョウについて、200億円を生み出す世界初の大発見 をした人」に出演していた塚本教授を偶然目にした。

番組MCでテレビ朝日アナウンサー弘中綾香さんとお笑い芸人オードリーの若林正恭さんに加え、ゲ ストは女優の広末涼子さん、お笑い芸人ずんの飯尾和樹さんが、おもしろおかしく出演者をいじりながら紹介する番組だった。

別の番組の収録中(2015年)にダチョウに足を蹴られて骨折したことも紹介されるなど、衝撃的ないじられ方が印象深かった。

驚いたのは、塚本学長が理系の学者でありながら、 類まれな話術と間の取り方で、芸人並みに番組を沸かせていたことだった。


前職では仕事に必要だったことから常に身近にあった新聞や雑誌は今の仕事の環境下にはなく、情報アンテナの範囲や種類は狭くはなったが、仕事に関連する情報を得るためジャンルを問わずに、ネット ニュースやテレビ、屋外・交通広告などのメディアを個人の嗜好とは無関係につい見入ってしまう。

長年の仕事からくる癖のようなもので、生活の一部で職業柄の 悲しい性だ。

今年になってテレビ東京「ガイアの夜明け」(2020年 3月10日放送)の「見えない敵と闘う~“新型コロナ”に 立ち向かう企業~」、毎日放送『情熱大陸』(2020年6月 7日放送)の「人生をダチョウに捧げる男 感染症予防の可 能性を探る」、2020年7月4日放送の「激レアさんを連 れてきた。」では再登場する塚本学長の姿が目に留まった。

番組タイトルは「人気のないダチョウ研究に没頭する激ヤバ博士だったのに、感染症問題で今めちゃめちゃ注目されている人」である。

ドキュメンタリーはいいとして、バラエティー でいじられる姿に好感を持った若い世代の視聴者も多くいた ことだろう。

そこで気になることが一つあったので、バラエティー番組で散々いじられていますが気にならないのですかと投げかけ てみた。

その問いかけに、「全然気になりませんよ。吉本の お笑い文化で育ってきて、大阪人独特の間が何となく身に付 いているのだと思いますよ。プロの芸人さんとしゃべること ができるのはめちゃめちゃ面白いですよ。“ボケ”て“つっ こまれる”のは至福の喜びです」と即答した。

京都生まれで 大阪府立大学に在学しそこで教員もしていたことから、関西 のお笑い文化とともに生活してきたことが根底にある。

骨折したのもバラエティー番組の収録中のできごとで、お笑い芸人品川庄司の庄司智春さんが、番組 の企画でダチョウは何キロで走れるかを調査するもので、ダチョウを追いかけ回していて興奮したダチョウから演者を守らなければならないからと事情を明かした。

「関節が複雑骨折してしまい、軟骨が飛んでしまっているのでいずれ人工関節にしなくてはなりませんが自分の足を使える限り使って、5年くらいしたら人工骨に取り変えますよ」とあっけらかんとしている。

聞けば、肋骨が折れたり、羽が顔に当たって鼻骨を折ったりなど普通にあるという。

塚本学長の人の良さと許容量の大きさがビジネスでも人を引き付ける魅力のようだ。

番組に出演することで研究のことや、 大学を知ってもらう機会にもなり将来の受験生にも京都府立大をアピールできる。

「出演するとマスクの 売り上げにもつながりますしね」と商売人の一面ものぞかせた。



意外にも高校時代は純文学を学びたい文系だった塚本学長だが、やはり鳥好きだったので大学は理系 に進んだという。

そのうえで塚本学長は、「京都府立大でも文系で尖った研究をされている先生もいま すし、研究も産学連携も文系理系と分ける必要ありません。

人の役に立ってこその学問ですから。

例えば抗体を抽出して製品化するにしても、化粧品や薬なら薬事などの法律といった専門外が絡んできます。

だから応用トレーニングは必要です。

民間企業が何を求めているか常に考えながら進めていかなくては なりません。

昔は、大学がカネカネというと叩かれましたが、学生も教員も起業や企業文化を理解し、お金を回せるようにならなくては。

海外の研究者の周囲には、起業家や投資家などたくさんの人種が取 り巻いているので日本の研究者とは政治力が違います」と話す。

ダチョウ抗体は、熱にも耐え、酸性、アルカリ性どちらにも強く様々な製品への応用が期待され、誰にも注目されなかったダチョウの研究は、折に触れて幾度となく注目され続けることだろう。(産学連携ジャーナル)






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Last updated  September 15, 2020 12:14:35 AM
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