2017/01/08(日)15:39
三割 。。。
2015年のユーキャン新語・流行語大賞に、トリプルスリーという言葉が ありました。野球で、「 3割30本30盗塁 」の事で、攻撃分野( 打力、 走力 )において隙の無い好打者であることを、証明するもの。
2015年シーズンで、山田哲人と柳田悠岐の二人が、トリプルスリーを 達成しました。日本プロ野球での達成者は、2002年に松井稼頭央が達成して以来 13年ぶり。また複数人達成は、1950年に岩本義行と別当薫が達成して以来、65年 ぶりのことで話題となったわけです。山田は昨年2016年もトリプルスリーを達成、 2年連続及び複数回のトリプルスリー達成は、日本プロ野球史上初の 大記録。
この記録がどれだけすごいかというと、あの鉄人川上哲治は1950年、 あの天才長嶋茂雄は1958年に、いずれも本塁打1本の差でトリプルスリーを 逃したのです。特に長嶋は一塁を踏み忘れて、「幻の本塁打」となった1本が あったために、記録を逃したという話も有名。
さて話は変わって3割という数字に関連した、面白い記事を目にしました。 それは、おみくじに凶が入っている割合が、3割だというのです。一般的に、おみくじは 大吉、吉、中吉、小吉、末吉、凶、大凶の順。
おみくじは、平安時代の比叡山延暦寺の天台座主である、良源が創始者と言われて います。そして、江戸時代徳川家康の側近として知られていた、天海大僧正 ( 慈眼大師 )の夢枕に、その良源が現れます。
( 信州戸隠山明神に観音籤を納めてある。これで吉凶を占えば、願いに応じて 禍福を知らしめるであろう。)
このお告げで授かった良源の観音籤 100枚をもとに、おみくじを普及させ 神社に広がったとのこと。この観音籤は100本中、大吉を初めとする吉が69本 あるのに対して、凶は31本。
すなわちおみくじの3割が、凶なのです。
東京の観光スポット浅草寺でも、観音籤のいわれに従って、100本のうち 吉70本に対し凶は30本。すなわち、3人に一人は凶を引き当てる勘定。 それゆえに、浅草寺は凶が出やすいとの噂もあるそうです。
凶を引いて頭にきて、またおみくじを引きなおすのは、ご法度。 ここは発想の転換で、プロでも3割を打つのは至難の業。そこでおみくじ、3割 しかない凶を引き当てたのは、春から縁起がいいわい!!と。
数字をどう捉えるか、あの長嶋茂雄も打率3割について、下記のような面白い 事を言っています。
コーチという立場から発言すれば、われわれ野球界で打撃の道を歩むものは、 まだまだ甘いと思う。これまで打撃は三割を打つことが目標といわれてきたが、 三割ということは十回打つうち、7回は失敗してもいいということだ。
十回のうちたった三回成功すればいいなんてことは、ほかのスポーツ、いや、 あらゆる社会の仕事のうえで適用することだろうか。 この世の中は、たった 一回でも失敗すればもう終わりということのほうが多いはずだ。
それを考えると、野球は甘すぎる。
『伝説の長嶋茂雄語。』(小林信也・編/小学館・刊)
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