guinn's booze ...in a mellow tone

2007/12/27(木)01:24

Requiescat in Pace, Joel Dorn

音(195)

 テレビニュースでも大きく取り上げられた、Jazz界の大御所ピアニスト Oscar Petersonの訃報。「あの時代」を生き、もちろん近年も錆び付くことなく第一線で活躍を続けたMr.Peterson。超絶技巧の速弾き、愛らしい笑顔・・・そして、実はNat King Coleばりのボーカリストでもあります。僕はラテンをやってるものや唄ってるものなど、ちょっとひねくれたレコードばかり聴いていますが・・・。冥福を祈ります。  そして、あまり多くは語られていないけれど、とても残念なニュースがもうひとつ。音楽プロデューサー、Joel Dornが17日に心臓発作で亡くなりました。65歳。ラジオDJからAtlantic Recordsのプロデューサーになり、1970年代を中心に、グラミーをとったRoberta Flackの"Killing me softly with his song(やさしく歌って)"などポップ~ジャズシーンで精力的に制作活動をしていました。  僕が印象に残っているのは、なんといっても奇才マルチリード奏者Rahsaan Roland Kirkの"volunteered slavery" "Blacknuss" "Bright Moments"などの諸作と、不世出のボーカリストJimmy Scottの幻のアルバムといわれた"The Source"。Dorn氏は、世間になかなか理解されなかったRahsaanの音楽を世に知らしめたり、Jimmy Scottが長い不遇の時代から再評価されるきっかけ作りにも絡む働きをして、それぞれの自伝やドキュメンタリー番組にもがっつり登場していました。さすがDJ出身、渋い声と思慮深そうな表情が印象的でした。  Joelがいなければ、彼らのような個性的なアーティストたちの魅力が引き出されることもなく、その豊かな音楽が今ほど世に出ることもなかったであろうと思います。プロデュースワークの大切さを感じさせてくれる人がまたひとりいなくなってしまった。そしてAtlantic Records関係では、昨年亡くなった、創始者のアーメット・アーティガン、名プロデューサーのアリフ・マーディンに続くかたちとなってしまった。・・・残念。  冥福を祈ります。

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