babsとbeboとフジサワで
こないだの週末は実家に帰ったついでに藤沢をぶらり。好きだった「おから」が美味しい居酒屋さんがなくなってたり(板さんは近くで別のお店をはじめたらしい)、新しい立飲み屋が出来てたり(あまりソソられず入らなかった)。そして去年いっぱいで閉店した東急ハンズと同じビルにある大型CDショップも来月でクローズとか。SEIBUもマルイもなくなった。そして映画館も。その後それぞれ新しい商業施設やマンションになったりしてるんだけど、どうも前向きな街の変化というようには感じられない。そのぶん地域のbarやcafeではライブやDJイベントなどで内側から盛り上げていこうという心意気が感じられて、頼もしかったりもするのだけれど。 上述のCDショップでは、在庫処分のためか、各ジャンルでワゴンセールが。輸入&国内盤新品が500円なり。あまり期待せずにジャズとかワールドミュージックの箱を漁る。定番モノやボサノバ系などはやっぱり定価を崩してないなぁ。ジャズで安くなってるのはスムーズジャズとか無名ピアノトリオものとか。やたらハリー・コニックが揃ってたり。 そんななか「ややっ!」とうなりつつ手に取ったのはこの2枚。"Weird Lullaby / Babs Gonzales"(1997 blue note)と"El Arte del Sabor / Bebo Valdes Trio"(2001 blue note)。両方とも永く愛聴できそうな良いアルバムでした。Babs Gonzalesはバップ・ボーカリストの第一人者。シュビドゥビなスキャット(器楽唱法)で、一流Jazzmenと渡り合う。1947年から1958年までの録音を収めた本作に参加しているミュージシャンは、Wynton Kelly , Sonny Rollins , Art Pepper , J.J.Johnson , Jimmy Smithなどなど・・・。バップ・コーラスというと、シャガレ声でこれでもかと汗を飛ばしながらグイグイ押しの強いところを聞かせる・・・というタイプの人が多い気がするけど、このBabsさんは飄々とした雰囲気でなんというか小粋でhipなスタイル。アルバム通して聴いても飽きない、というのはこの手の音楽では貴重かも。ほんとに楽器のような感覚で耳に馴染む歌声ということかな。 もう一枚のBeboさんはキューバ出身のピアニスト。1918年生まれ。べーシストは何とBeboと同い年のCachaoさん。コンガのPatatoも1926年生まれ。録音は2000年。年齢は音楽とは関係ないけど、やっぱりすごい。そしてモチロン音も。この豊潤で気品が感じられる響き。キューバ独特の哀調と明るさが表裏一体となったサウンド。説得力・音の存在感が違いますわ。3人ともDVD "calle 54"でその姿を見ることが出来ます。感動的です。 今回のセールに感謝。ショップがなくなるのは寂しいけど。