赤い靴下を履いた虎

2007/12/15(土)00:02

いいがかり

阪神(652)

そろそろ各選手の今年1年を振り返ろうの企画をチャッチャと終わらせたくてしょうがなくなってきてるんだけど、今日も看過しえない話題が入ってきたのでそちらの話を。 MLBの薬物汚染疑惑について徹底調査していたジョージ・ミッチェル上院議員の報告(通称ミッチェルレポート)の禁止薬物を使用していた選手の実名発表の中で、我らが頼れるブルペンアニキジェフ・ウィリアムズの名前が含まれていたことで、阪神だけではなく日本球界に衝撃が走った(ジェフ以外にもリグスとカブレラの名も上がっていた)。同レポートによると阪神在籍時の04年の12月に禁止薬物の販売で逮捕された元メッツの球団職員からステロイド系の薬物を購入したとされている。メジャーの情報も一応は日々チェックしているので実名発表がされるのは知っていたけど、対岸の火事だと思っていたものが以外にも身近なところにまでその火の子が降りかかってきてしまって非常に困惑している。 球団はこの問題について即座に記者会見を開いて、06年の5月と7月に受けたドーピング検査ではいずれも陰性を示しているし「我々はジェフを信じている」と話、近日中に結ばれる来季契約についても「影響はない」と言い切った。この06年に検査でシロだったというのはファンを一定程度安心させてくれるものではあるけど、レポートで問題となっているのは04年の12月でこの検査の時期とはちょっと間が空きすぎているから、ここから直ちにジェフが完全にシロだとは必ずしも言い切れない。 ただ、04年といえばジェフはオーストラリア代表としてシドニー五輪に参加しているわけで、そこでももちろんドーピング検査はされていたはずだから04年の夏の時点でもジェフはシロだったはずだ。薬物使用をやめてどれくらいの期間が経てば検査で反応を示さなくなるのかは全然知らないけど、04年もシロで06年もシロだとするといったい何時薬なんかを使っていたのか非常に疑問だと思う。シロだと断定できる06年や07年(NPBでも薬物検査が導入されていた)のジェフのパフォーマンスを見れば、ジェフがそういった不正に手を染めなくても素晴らしい成績を残すことが出来る投手であることは十分証明されている。 大体、このリポートにおいてジェフが薬物を使用していたとされたのは、小切手の写しと元メッツ球団職員の証言の二つを根拠にしているんじゃないかと推測される(詳しくは同レポートの内容を見たことないのでわからないけど)。でも、小切手にはいちいち何の支払のためだとかは書いたりはしないんだから、ジェフの小切手があるというのはジェフが何らかの支払をしたということは証明されるけど、それで直ちにステロイドを購入したことを証明するものではない。さらに、ジェフと言えば日本では最強リリーフトリオのJFKの一角を担う最高のピッチャーとして名高いけど、むこうではぶっちゃけて言えばメジャーでは芽が出なくて極東の島国くんだりまで出稼ぎに行っているほぼ無名の投手でしかないはずなわけで(特に04年当時は)、他にも名だたるメジャーのスタープレイヤーを顧客にしていた(はずの)この元職員が3年も前にした無名の選手との取引のことをホントにしっかり覚えていたのかはかなり疑問があると思うし、この証言の信憑性というのはかなり怪しいとみるのが普通だろう。 そもそも、禁止薬物をしようしていたとして名前が挙げられたボンズ、カンセコ、ジアンビー、ボーンらの次にジェフの名前が続くと大体の人はなんとなく違和感を抱くんじゃないかと思う。正直他は筋骨隆々でいかにもな感じはするけどジェフはそれらとは明らかに一線を画しているわけで、そこからもホントに薬なんかを使っていたのかと疑問を感じざるをえない。 以上のことからすると、ジェフがステロイドによって不正にパフォーマンスを向上させようとしていたなんていうことは信じるに値しない単なる流言飛語でしかないんじゃないかと思う。 ただ、ステロイド(筋肉増強剤)ではなくてグリニーと呼ばれる興奮剤の一種(去年まではメジャーでも普通に使用されていたと思う)はもしかしたら購入していたのかもしれないというのは否定は出来ないかもという気はしないでもないけど…。

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