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柳亭市馬師匠が「落語協会副会長」に就任した記念で、
何か落語関係のネタを書こう…と考えていて、さっき 急に思い出したことがあった。 その出来事から、すでに3年以上経っているのだが、 いまだに思い出してもおかしい、腹の底から笑った 「ハプニング」が新宿末廣亭であった。 活字にすると大したことない話なのだが、今思うと 「あの事件」をきっかけに、若干寄席通いの頻度が 上がった気がするくらい(笑)、面白かった出来事。 せっかくブログ更新の頻度も上がってきたので(笑)、 今日はこの話で。 http://plaza.rakuten.co.jp/torazou/diary/200804030000/ 上記のブログの下の方に書いてある、08年4月3日の 新宿末廣亭夜席でのこと。 トリが花緑、ヒザ前がたい平、その他白鳥、歌之介、 一朝、圓丈、権太楼という豪華メンバーだったのに、 2階席も開かない普通の入り(7割程度)だった。 いつもの下手側の桟敷席の定位置に陣取ろうと思ったら、 その場所に60歳代と思しき男女5人がいて、仕方なく 桟敷席の後ろの方に座った。 ヒザ前でたい平師匠が上がり、時事ネタを振りだした そのとき! その男女5人が、いきなり立ち上がって帰り支度を 堂々と始めたのだ。ガサガサ音を立てながら(笑)。 たい平師匠は、それを見てすかさず… 「あっ!ちょっと、ちょっと!何で帰っちゃうの!? 花緑兄さん、楽屋入りしたのに!」 それを無視するがごとく、帰る支度を続ける一行。 そしたらたい平師、高座のマイクを掴んで… 「業務連絡、業務連絡!花緑兄さん、花緑兄さん! お客5人帰りました、お客5人帰りました!」 そしたら、私服姿の花緑師が高座に飛び出してきて、 「ちょっと~!何で帰るの!こっちはこれから トリで落語やるのに!」 2人でそのグループに向かって、非難の嵐! この時点で、私を含めた他のお客は大爆笑! そしたら、末廣亭の入口の辺りで、そのグループの リーダー格(?)と思われるオヤジがおもむろに 口を開いた。 「たい平ちゃん、ごめん!俺たち、これから新潟に 帰るんだよ。もうバスが出る時間だからさ」 おまけに「たい平ちゃんの落語聴きたいからさ、 今度新潟に来てよ!」だって。 ったく、田舎もんは図々しい(笑)。 たい平師「分かりました!え~っ、他のお客さま、 これから新潟に帰る、あの皆さんに拍手を!」 わーっ!と笑いながら拍手する我々。 そしてそのグループは末廣亭の外へ…。 そのとたんに…。 「ああやって、途中でお帰りになったお客さまは 無事に家まで到達できない確率が高いんで…」 もう、ホントに笑い転げた。 お客だけでなく、従業員の人も、楽屋の芸人さんも、 全員がドカーン!と、一体になって笑った。 この瞬間、私は「ああ、寄席っていい空間だな」と 心から思ったのだ。 落語という「作品」を噺家が演ることでで、楽しさを 共有することは、どんな空間でも可能だが「その瞬間に 起きたこと自体」を笑いで共有するのは、ホールでは 難しいと思う。 ホールで似たようなことがあったら「単なる事故」に なってしまうから。 たとえ退屈であっても、寄席は私にとって、どんな マッサージよりも「癒される」空間である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.21 23:41:11
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