2007/02/08(木)20:09
蒼井上鷹「二枚舌は極楽へ行く」
二枚舌は極楽へ行く
「オレの愛する妻を殺した犯人がここにいる。犯人には密かに毒を盛った。自白すれば解毒剤をやる」「え、え、まさかオレを疑ってないよね…え、苦しい、ウソ、まじ!?」袋小路に入った主人公と、思わず一緒になって手に汗にぎる「野菜ジュースにソースを二滴」ほか、短編掌編合わせて12編の傑作コージーミステリー。「情けない男の滑稽さを書かせたらピカイチ」と、デビュー単行本が各紙誌で取り上げられ、ノリにノッている著者が贈ります。話題になった、あの各編ごとの「参考文献」も健在。また、それぞれの作品間にビミョーな繋がりを仕掛けてあります。そちらも併せてお見破りを。
蒼井さんの一作目「九杯目には早すぎる」のようなブラックな短編が多く、個人的に満足。
「ラスト・セッション」の完成度には目を見張るものがあります。短編なのがもったいないくらい。
参考文献や作品同士のリンク等、細かい仕掛けも好印象~
長編は正直いまいちだったのですが、短編書かせたらやはりうまい作家さん!
短編って印象に残りにくいんですが、この人の場合結構覚えてるんですよね。
「ブラックだけど読みやすい」という、今までにあまり読んだことがなかった作風のせいかもしれませんけど。
次回作も期待していいんじゃないでしょうか。
ブラック好きには文句なしにオススメです!