芦辺拓「裁判員法廷」
裁判員法廷有罪、それとも無罪?被告人の運命は、あなたたち六人に委ねられた。いわくありげな裁判員たち、二転三転する評議、そして炸裂する究極のどんでん返し!裁判員制度のすべてがわかる、傑作リーガルサスペンス。芦辺拓さんのミステリはほとんど読んだことがなかったのですが、店頭でこの本を発見し、いつか読もう読もうと思ってやっと読むことができました。来年の5月からスタートする裁判員制度を舞台に、3つの中篇からなるミステリなのですが、登場人物に「あなた」が出てきます。読んでいる最中は自分が裁判に参加しているような臨場感がありましたし、裁判員制度の仕組みも非常に分かりやすく書かれてありました。ミステリとしても裁判員制度の入門書としても非常に面白い小説となっています。「どう考えても被告人は有罪だろー」と思う事件の真相が、弁護士の森江春策によって明かされていく様子は傍聴好きにはたまりませんでした。(まー実際ああいったやりとりはお目にかかったことがないのですがw)これを機会に森江春策シリーズを徐々に読んでみたいと思います!