カテゴリ:食の安全
まるで狂牛病にかかって狂ってしまったかのように暴走し続けた小泉背権が、アメリカに投げつけてきたBSE牛というモー毒をはいはいと言って受け入れ、私たち日本人の食卓が恐ろしいことになりつつあることは誰もが知っていることだろう。下も舌も欲も肥えた背権の人間には、へたれ牛の肉は相当に旨く感じるらしい。連中は異常プリオン味の虜になって、食べ過ぎた結果、小泉改革の中身と同じように脳みそがスカスカになってしまったのだろう。でなければ、「全頭検査は今後一切しない」と言っているアメリカからの牛肉の輸入の再開などするはずがないだろう。 さて、ここでは食品の安全について語っていこうと思うが、食の危機というのは、当然BSEだけじゃない。その他の危険な食品が現在、その危険性に対する国内の認知度が低いことをいいことに、野放しにされている。 今回取り上げるのは、マーガリンやショートニング(パンや洋菓子に使用する無色無臭の加工油脂)に含まれている「トランス脂肪酸」だ。 マーガリンといえば、「植物性油脂を使用」「乳脂肪を使用したバターよりも低カロリー」などという謳い文句のため、「ヘルシー」「健康上良いもの」というイメージを持っている人も少なくないはずだ。実際、私も最近まではそう思っていた。 しかし、そのマーガリンに多く含まれている「トランス脂肪酸」というものが人間の体に悪影響を及ぼすものらしく、すでに一部の週刊誌などではそのことが報じられていたのだ。 古い記事だが、トランス脂肪酸について易しくてわかりやすい説明が載っているので、ゲットウェルというホームページから、トランス脂肪酸についての説明を引用しておこう。 (引用開始) ■トランス脂肪酸とは? トランス脂肪酸とは、現在広く行われている製油法の過程で生じる”狂った脂肪酸”(異常で不健全な結合)で、脂肪の分子中の炭素と水素の結びつきに変化が生じたもの(炭素の二重結合の場所で炭素と水素の結びつきが正常な結合であるシス結合と違う)です。 役に立たないばかりか体に害をもたらす悪玉の脂肪。 自然な形であるシス型の脂肪酸分子は蹄鉄型をしているのに対し、トランス型は直線的な型をしている。 脂肪酸は細胞膜の構成要素になっているものですが、細胞膜の中にトランス型が紛れこむと細胞膜は弱くなり、その結果としてさまざまなトラブルを生ずるといわれています。 分子構造の変化した自然にはない”狂った脂肪”のトランス脂肪酸は、熱によって生じるので、溶剤抽出法による高温下の食用油製造過程でも当然生じます。(使い古しの天ぷら油にも生じる) さらにトランス脂肪酸の生じたそういう植物油を原料にして水素添加して造るマーガリンやショートニング(味付けのないマーガリン)ではいっそう増えます。 不飽和脂肪酸は水素の不飽和な箇所があるために反応しやすく、それだけ生理的な活性が高い脂肪酸ですが、その代わり不安定な脂肪酸でもあり、老化、酸化しやすく日持ちが悪い。 そこで現代の多くの食用油では日持ちを良くするため、水素が不飽和で足りない箇所に化学的な技術を使い強引に水素をくっつけており(水素添加)、マーガリン、ショートニングなどもこの方法で造られています。 そしてこういう水素添加(硬化)、部分的水素添加(部分的硬化)の過程で、体には好ましくないトランス脂肪やその他の有害物が生じてきます。 トランス脂肪は身体の細胞の細胞膜の中に入り込み、細胞膜及び細胞の働きを狂わせ、また体内でビタミンなどの栄養物質を食い荒らしたりします。 また、このトランス脂肪がガンや心臓病の大きな原因になることは、数多くの研究で明らかにされており、オランダの研究では、精製油に含まれているトランス脂肪が、飽和脂肪酸と同様に悪玉コレステロールといわれる低比重リポ蛋白質を増やし、善玉コレステロールの高比重リポ蛋白質を減らす、と指摘しています。 前者は心臓病を誘発し、後者は防ぐ要素になるものです。 日本の食用油、マーガリン30余種を分析(カナダ。SGS研究所)した結果では半数以上のものが問題製品でした。これらは実は使い古しの天麩羅油よりも古い油脂製品(「トランス脂肪酸」が使い古しの天麩羅油よりも数10倍も多い)ということが分析結果からはっきり判るものでした。 「危険な油が病気を起こしてる」より ☆トランス脂肪酸の危険性について、詳しくは『危険な油が病気を起こしてる』をお読み下さい。 ☆驚異の食品マーガリン 『この驚異の食品は、窓際に何年も置いて光や空気、自然にある細菌その他にさらしても少しも変化しない。カビも生えないし昆虫が卵を産みつけることもなければネズミが食べることも、ゴキブリが寄ってくることもない。』 植物油や魚油は、融点(融ける温度)が低い不飽和脂肪酸が多いため、常温では液体です。 これに対しラード、ヘッドといった融点の高い脂肪は常温では固体です。(飽和脂肪酸) 多くのマーガリンの原料は植物油ですが、植物油そのままではあのように固体の硬い脂肪にはなりません。 そこで水素添加をして飽和脂肪酸に変化(硬化)させています。 全面的に水素添加せず、反応を製品の目的に会わせて途中で止めるのが部分的水素添加(部分的硬化)で、現在、この方法がマーガリンに限らず食用油を含めた多くの脂肪食品に対して使われています。 ※多くのマーガリンは部分的水素添加により製造されていますが、これに対し完全水素添加(不飽和脂肪酸の不飽和な個所の全てに水素を添加して完全な飽和脂肪酸にしてしまう)した製品も出ています。 これだと脂肪酸の分子構造の中の全ての炭素にいっぱいに水素が付いて、分子構造上もトランス脂肪酸ははできなくなります。 しかし、この完全水素添加では水素を添加する過程の中で有害な脂肪の”かけら”の発生や、触媒として使われる金属触媒の残留の可能性も指摘されています。 下記のアメリカなどの新しいマーガリンは、この方法は採られておりません。 (中身に含む脂肪酸の組合せとか造りを変えている) ☆トランス脂肪酸はいや! ○アメリカでは同国心臓病協会推薦のTransfat free(「トランス脂肪酸」なし)とうたった新しいマーガリンがスーパーの店頭に目立ち始めたようですが、残念ながら日本ではまだ発売されておりません。 ○米マクドナルド-調理油切り替え遅れ和解金9億円支払い 米ハンバーガー店チェーン大手マクドナルドは、フライドポテトなど揚げ物に使う油を健康に配慮した新タイプに切り替えると発表しながら実施が遅れたことを同社が適切に公表しなかったとされる訴訟で、和解金など計約850万ドル(約9億円)を支払うと先月(05年2月)までに発表しています。 マクドナルドは2002年9月、心臓疾患の原因になると指摘された「トランス脂肪酸」を減らすため、調理油を03年2月までに新しいタイプに替えると発表しました。 ところが、実施が遅れたため03年2月に遅れの事実を公表しましたが、米国の健康問題活動家らは03年、消費者への告知が不十分だったとして損害賠償などを求め、カリフォルニア州の地裁に提訴していました。 こうしたトランス脂肪酸の害について、日本ではほとんど認知されておらず、トランス脂肪酸含有量の表示義務もないため、全く野放し状態です。 前述のマクドナルドでも、日本での調理油切り替えの発表は未だにされておりません。 ※トランス脂肪酸は、役に立たないばかりか体に害をもたらす悪玉の脂肪で、各国で、有害さへの認識が高まり、欧米諸国ではある一定以上の「トランス脂肪酸」を含む製品を販売禁止にし、アメリカでも冠状動脈疾患の危険因子となるとして、06年1月までにトランス脂肪酸含有量の表示を義務づけられる事になりました。 ※日本でも次のような警告の文章がやっと出ましたが、下記のような緩やかな表現にとどまっています。 【第6次改訂 日本人の栄養所要量】 (厚生省) 『「トランス脂肪酸」は、脂肪の水素添加時に生成し、また反芻胃の微生物により合成され吸収されることから、反芻動物の肉や乳脂肪中にも存在する。トランス酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDL-コレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が増加すると報告されている。』 (引用終わり) トランス脂肪酸は、食用人工油脂の業界では「トランス酸」と略されることもあるようなので、興味のある人は両方を検索エンジンにかけてみるといい。 しかし厚生省(当時)は何故、トランス脂肪酸の危険性をオブラートに包んでいるのだろう?未だトランス酸についての認知度が低いことを見ても、この告知は無意味だったのだ。実際、厚労省のHPを渉猟しても、この当時の警告文から表現が更新されたという形跡は見つからなかったのだ。アホか。何のために厚労省は存在しているのだ? ちなみに上の引用文で触れられている『危険な油が病気を起こしている』という本は、ジョン・フィネガンという人が書いた本だ。(訳者は今村光一氏)この本の一部を引用しておこう。 (引用開始) 「欧米諸国ではこの危険なトランス脂肪酸について上限値を定めていて、それを超えるものは販売禁止になり、たとえ超えていなくてもトランス脂肪酸の含有量の表示義務を定めています。」 が、日本では未だ未対策。日本で販売されているマーガリンの大部分には多量のトランス脂肪酸が含まれ、欧米では販売禁止か、商品にはならない品物、特に生協の「コーンソフトマーガリン」や雪印「ネオマーガリン」には13.9%、13.8%ものトランス脂肪酸が検出されている。小岩井マーガリンは0.1%以下。 我々が誰でも使っている食用油(なたねサラダ油、コーンサラダ油など)にはトランス脂肪酸が1%以上含まれ、これはトランス脂肪酸を含まない使い古した食用油(何回も使用した)よりも古いことになる。米沢製油の「無添加なたねサラダ油」が最悪で8.5%。 (引用終わり) また、上では触れられていないが、トランス酸は、花粉症、アトピー性皮膚炎、そして腸の難病といわれている「クローン病」を引き起こす原因のひとつであることが確実であり、さらに、痴呆を促進しているのではないかという見方も出てきているらしい。 花粉症・アトピーとトランス酸の関係については『AllAbout』という医学情報サイトが詳しい説明をしており、痴呆との関係については、『日経メディカルオンライン』に詳しい記事があるので、両方をリンクしておく。ただし、後者はあくまでも疫学的アプローチでの調査研究の報告なので、個人的には少し疑っている。 さて、こんな怖いトランス酸、果たして摂取しなくて済むものなのだろうか?次回は、この点について記事を書こうと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
トランス酸怖いですね。
植物油はその実態を知ったら恐ろしくて使えなくなると聞いたことがあります。それ以来我が家では不飽和脂肪酸の油を使用しております。 マーガリンは久しく使っていなかったですが、そんなに恐ろしかったとは。 (2006.07.11 11:20:42)
>es9-ジョージさん
コメントありがとうございます。トランス酸は怖いものです。しかし今の日本人の食習慣では、私も含めてトランス酸をある程度摂取せざるを得ない状況にあります。どの程度の危険性までを容認し、どの程度の危険を排除していくかを決めていくのが、難しくかつ求められている問題意識だと思います。 不飽和脂肪酸の油を使うようにするとは、よい心がけですね。そういった消費者意識を持った方が増え、日本の食環境が少しでもよい方向にいくきかっけになればと思います。 (2006.07.13 00:46:47)
最近ベジタリアンを気取って、植物油以外使わないようにしていたんだが・・・。
(2006.07.18 22:19:35)
2011年現在
日本は食品安全健康重視に遅れています トランスファットの表示義務なしです 外国で使用できないものを食材にして出来た 食品を製造しています。 日本の大手食品メーカーが率先して改革すべきでしょうが、ショートニングやマーガリンが多用されています。 (2011.02.20 15:04:55) |
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