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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

只者ではない

只者ではない

先日高野山へ行かれたという檀家さんがやってきました。

「先日高野山へ行ってきたんですよ」

「そうですか」

「ツアーで行ったんですが、個人で行くのと違って、
案内人さんがついて貰ったんですが、
説明してもらうと違いますね。」

「それはよろしかったですね」

「知らないことなんかを教えてもらうと、
有難味が違いますね」

「それは、それは」

「私は、拝む時に手を合わせる角度の意味なんか
知らなかったんですよ」

「???」

「拝むときに、手を斜め上45度へ向けますけど、
あれなんか意味を聞いてなるほどと思いました」

「???」

「そんなの教えてもらわないと判らないですからね」

「私もそれは聞いたことありませんが(汗)」

「え~そうなんですか?案内人さんに
教えてもらったんですが・・・」

「いや~知りませんね(汗)」

「説明しましょうか?」

「ぜひお願いします(汗)」

「神様は神棚でもそうですが大体上にいらっしゃいますよね、
そして仏様は仏壇がそうですが、前にいらっしゃいますよね。
だから上の神様と前の仏様を一緒に拝むように、
合わせた手を斜め上45度に向けるそうです。」

「???」

「いや~そんな意味があるとは、感心しましたね」

「あの~・・・
 言いにくいことですが・・・」

「はい?」

「そんな意味は無いと思います」

「ええ~」

「キリスト教とかでは神様は上(天)にいらっしゃるかも
しれませんが、日本の神様は至るところにいらっしゃるので
別に上というわけではありません。神社だって前を拝むのでは?」

「う~ん」

「それに仏教では神様は仏様が姿を変えて神様として現れる
という考え方をしますから、神様と仏様に違いはありません」

「ええ~そんなんですか!」

「ええ、ですから手を45度に向けるという意味は
ないんですけど」

「じゃあ、それは嘘!」

「いや~嘘とまでは言いませんが・・・
真言宗の考え方ではありません」

高野山にいたころの話ですが、よく高松からやってくる
先達さんがいらっしゃいました。

先達さん曰く

「ここのお寺は、讃岐の菩提寺です。
つまり、皆さんのご先祖さんが眠られているお寺です。」

「ですから、自分の家に帰ってきたように、
ゆっくりくつろいでください」

「ここで、給仕をしてくださるのは、ここのお寺で
修業している学生さんです。学生さんも忙しいので
ご飯を早く食べて、早くお風呂に入り、
早く寝て、早く休ましてあげてください」

お気持ちはありがたいのですが、
なんか違和感が・・・

さらに、今は亡き、金剛三昧院の執事さん。

私がそのお寺に入ったころ、

「先日考古学者が来まして、このお寺の経蔵からは国宝級の
軸が3本見つかりました」

そう、お参りに来られた団体客の皆さんに
説明されていました。

へ~なるほどと思っていたのですが・・・

一年後も

「先日考古学者が来まして、このお寺の経蔵からは国宝級の
軸が3本見つかりました」

二年後も

「先日考古学者が来まして、このお寺の経蔵からは国宝級の
軸が3本見つかりました」

三年後も

「先日考古学者が来まして、このお寺の経蔵からは国宝級の
軸が3本見つかりました」

私はついに尋ねました

「考古学者が来たのはいつの話なんですか?」

「まあ、それはええんじゃ」

「・・・」

最終更新日 2008年12月17日


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