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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

理趣経は勉強しないで下さい!

常識的に考えれば真言宗の常用経典である「理趣経」を勉強して
真言宗に対する理解を深めていただいているので、感謝しても
いいと思うのですが、実際はそう思う真言僧はいないでしょう(苦笑)

それには真言僧の理趣経に対する複雑な思いがあります。

まず、真言宗で理趣経の占める位置を考えますと、

本尊様に読経するときが理趣経。

法事・葬式を始めとする仏事も理趣経。

さらに僧侶が集まって行なう法会でも
ほとんど理趣経を中心とした理趣三昧。

さらに普段から行なう修法(行)も
理趣経を元にした理趣経法。

という具合に理趣経しか知らなくても僧侶が出来る?(笑)
理趣経さえ出来れば僧侶が出来る?(笑)
というような状況です。

一方他の宗派では理趣経を使用しない宗派がほとんどです。

したがって「理趣経は自分たちのお経」という思いが
真言僧には強いと思います。

さらに高野山などでは「理趣経」を読むためにわざわざ行を
しなければなりませんので、信者の方が理趣経を読経すること
にも抵抗を持つ人が少なくありません。

また、理趣経の内容は一部には「性の経典」とも
言われるように誤解を招く部分があり、そこから
希代の邪教といわれる(そうではないという意見もあります)
「真言立川流」が生まれています。

理趣経は教えの内容が書かれているスートラではなく、
修法(行)を行なって理解できるタントラと
いわれていますので、経典解釈だけでは理解できないと
ほとんどの真言僧が考えているのではないでしょうか?

それゆえ真言僧のわがままかもしれませんが

「在家の方はあまり理趣経を勉強しないで下さい。
(勉強するなら僧侶になってください)」

というのは真言僧の本音ですね(苦笑)

多少でも理解していただいたらありがたいです。


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