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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8383)
カテゴリ:詩のきれはし03
すっぴんにジーンズのジャケットを羽織って 坂道を登る いつものように大股で 強い春風に吹かれながら 高台の公園 どこより空に近い公園 そのてっぺんに造られた 石の円盤の上に座って こんな強い風にも雲ひとつ飛ばされてはこない 一面の空色を見ている 昔 僕はここをモチーフにして 時間を越える話を書いた 今の僕は 時間と 空間と あと何を越えればいいのだろう ああ イヤホンははずそうか こんな無粋なもの きっとあなたは好まない ここは随分遠くまで見渡せる けどあなたの町までは見えない そっちの方角には うっすらと山の影が浮かんでいて その山を越えたって まだまだ遠く この空から 宇宙から見れば 距離とさえ呼べないほどのなんてことない距離 なのに 越えられないだなんて 笑い話みたいだ あ 人が来たからそろそろ行こうか ここは僕だけの場所じゃないんだから それに寒くなってきたし 風が強すぎるよ 髪なんかとっくにボサボサで 自慢の触角もどこに行っちゃったやら のどが渇いたな あなたの真似してコーヒーでも飲もうか そんなことをしてみたって 意味はないんだけど でも 空に近いこの場所は まさしくあなたに近い場所だと思った あなたの場所のひとつは いつだって ここにあるんだよ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.02.15 11:38:43
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