演 奏 会 の 旅
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元帥閣下
プロからアマチュアまでジャンルを問わず行われる演奏会のレポートを紹介します。
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開催日:2021.10.10(日)11:00開演 場所 :長野市芸術館メインホール(1,292名収容) 宮川彬良×群馬交響楽団 オケパンⅤ ショウほど素敵な商売はニャー!! 0歳からのパントマイム・オーケストラに行ってきました。 プログラム 第1部 オケパン 1.Willkommen(「キャバレー」より) 2.春(Vivardi「四季」より) 3.オー・ソレ・ミオ 4.雨に唄えば 5.クラリネット・ポルカ+クラリネットこわしちゃった 6.花祭り 7.フニクリ・フニクラ 8.トランペット吹きの休日 9.ラジオ体操 10.マック・ザ・ナイフ 11.大脱走マーチ 12.ショウほど素敵な商売はない 第2部 13.アイネ・クライネ・タンゴムジーク 14.ベートーヴェン:エリーゼのために 15.ディズニー:映画「白雪姫」メドレー 16.シンフォニック・マンボNo.5 レポート Willkommen パフォーマーの宮川安利氏と吉岡朋子氏のクロネコの無言演出をじっくり楽しませてもらってから曲の演奏に入りました。ようこそ!の演出でほっこりして、あっという間に宮川ワールドに引き込まれてしまいました。 春 秋に春を聴くのも乙なものだと思いました。打楽器のしっかり効いたアレンジはメリハリがあり、オーケストラらしい華やかで上品なサウンドがとても心地よいものがありました。また曲中ほどに用意されたコンサートマスターの伊藤文乃氏のヴァイオリンソロも大いなる見せ場でした。 オー・ソレ・ミオ 曲調といいテンポ感といい、まったりと癒し120%といった感じで、夢心地のひとときを感じた次第です。 雨に唄えば 小物で雨傘を使った演出がありました。雨は心を沈ませることもあれば、こんなふうに楽しいものにできることもあるのだなと感じたところです。 クラリネット・ポルカ+クラリネットこわしちゃった 群馬交響楽団のクラリネット奏者のお二人がステージの前に出てデュオ演奏を披露しました。その素晴らしい音色に魅了されるとともに掛け合いの妙なども楽しませていただきました。クラリネットを壊しちゃったでは、クロネコたちがクラリネットを綱引きして、上管と下管に分割される際に管体から花が飛び出すというマジックもとびたしてほっこりさせられました。 花祭り 日本全国がコロナ渦で祭りという祭りがもう1年半以上もできていない訳ですが、せめて音楽で祭りの雰囲気を楽しもうということなのかなと思いましたが、忘れていた祭りの雰囲気が蘇ってきた感じがしました。 フニクリ・フニクラ 今度は西洋のお祭り!といった雰囲気でしたが、和楽器のような打楽器が日本のフニクリ・フニクラ!と主張しているようでした。日本風に曲名を直すとフニクリ・フナクラ!というところでしょうか。 トランペット吹きの休日 宮川氏の掛け声とともにステージでちょっとした運動会が繰り広げられました。それにしてもオーケストラの生演奏で運動会というのはこれ以上ない贅沢な企画!と思いました。 ラジオ体操 おなじみのラジオ体操ですが、ステージでは想い想いの体操が繰り広げられました。それにしても、オーケストラでラジオ体操が聴けるというのは、宮川氏ならでは楽しさなのかなと思いました。 マック・ザ・ナイフ 宮川氏の鍵盤ハーモニカでのソロが入りました。同じ旋律が繰り返される短調な曲ではありますが、次々とパートが交代しながら流れるように続く演奏はとても心地よいものがありました。 大脱走マーチ カッコイイ前奏で何の曲かと思ったら。おなじみの大脱走のマーチでした。 ショウほど素敵な商売はない 50分にもおよぶオケパンステージのグランドフィナーレとして堂々たる演奏という印象でした。 アイネ・クライネ・タンゴムジーク 原曲は、モーツァルトのあまりにも有名なアイネクライネ・ナハトムジークですが、宮川氏のアレンジで原曲のイメージをうまく残しつつ、見事なタンゴムジークになっていました。 エリーゼのために 宮川氏よりアレンジについて「もとの曲はもう跡形もありません!」とのことでしたが、聴いてゆくとなるほど確かにいろいろな要素が加えられているが、ベースとなる原曲の枠組みはちゃんと残っている感じで、もうこれは何の曲だかわからない!というふうではなく、原曲を尊重しつつも、さらに発展させた音楽という感じがしていわば新・エリーゼのためにといった趣がありました。 映画「白雪姫」メドレー 本日の公演は、0歳からのパントマイム・オーケストラと銘打っていることもあり、宮川氏が子供たちを大切にしていることがとてもよく伝わってきましたが、演奏の気迫から子供たちに本気で音楽を伝えたいという想いが込められたのがこの白雪姫ではなかったかと思いました。 シンフォニック・マンボNo.5 本プログラムの最終曲でありアンコールを兼ねた曲とのことですが、もともとはアンコール曲のはずだったが堂々とチラシに載ってしまったので、本プログラムの中に組み込まれたという経緯があったそうです。ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」とマンボNo5をして、「同じ5番の曲!」と宣言し、これを同時に演奏したらどうなるか?ということで作られたのがこの曲のようです。もちろん同時といっても並行演奏という訳にはいかないので、どちらかの曲が表に出る感じにはなりますが、それでも完全にどちらかに染まってしまう訳ではなく、気がつくと表と裏が変わっていたりととてもうまくつなげてあるなという印象がありました。 まとめ 昨年10月の宮川彬良まつり舞台音楽ワンダーランドを鑑賞して宮川氏の音楽に魅せられ、今年はパントマイム・オーケストラということで、またまた楽しみにしていた公演でしたが、工夫を凝らした演出で聴衆をあっという間に魅了し、どんな曲でも原曲をはるかに超える「新・○○」にしてしまう宮川氏のアレンジの素晴らしさに感動した次第です。そして今回、6人のキッズスタッフが観客への声がけなどとても頑張っていました。少子高齢化と言われて久しい日本にとっては、こういった若い力の活躍がとても元気づけられるところです。