演 奏 会 の 旅

2021/10/15(金)23:59

地域ふれあいコンサートVol.64 塚越慎子マリンバ・コンサート(ピアノ:武本和大)

​​​​​​​​​​開催日:2021.10.13(水) 19:00開演 場所  :川西公民館 大ホール サントミューゼのアーティスト・イン・レジデンス 地域ふれあいコンサートVol.64 塚越慎子マリンバ・コンサート(ピアノ:武本和大)へ行ってきました。 プログラム 1.ハチャトゥリアン:剣の舞 2.サン=サーンス:動物の謝肉祭より白鳥 3.アンダーソン:タイプライター 4.ステンスガード:サルサ・メキシカーナ(マリンバ・ソロ) 5.ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー 6.納所弁次郎(佐久間あすか編曲):うさぎとかめ 7.ピアソラ:エブリビオン 8.モンティ:チャルダッシュ 9.(アンコール)トルコ行進曲 レポート 剣の舞 オープニングは、塚越氏が会場後方からマーチング木琴を背負って演奏しながらの登場となりました。まさにサプライズというべき演出で、強烈な印象づけになりました。そして演奏後に音楽と距離についてのお話があり、移動で距離が変わるということは、デュオ演奏するにはけっこう大変だとのことで、塚越氏から伴奏のピアニスト武本氏へのリスペクトがありました。 動物の謝肉祭より白鳥 今年に入ってからサクソフォーン、チェロ、ヴァイオリン、吹奏楽、オーボエといくつかのリサイタル・コンサートで何度も聴いてきた白鳥ですが、ついには打楽器のマリンバで聴くことができました。打楽器だけに弦楽器や管楽器ではない音の切れがあって、とても新鮮な感じがありました。 タイプライター 突然ステージに運び込まれたタイプライター・・・。何かと思ったら、なんとタイプライターで演奏するとのこと!これには驚きましたが、塚越氏が所有する3台のタイプライターの中で、一番音が大きいものを持ってきたとのことでした。短い曲ではありますが、タイプライターを打ちながらの合いの手のベルもはまっていて、思わず釘付けになりました。 サルサ・メキシカーナ 2020年の自粛期間中に何かしなくては!とのことから、塚越氏はマレット6本持ちを習得したとのお話がありました。一般的には6本持ちはしっかり持ってしまうため、きまった調の演奏しかできない不便さがあるとのことですが、カナダのマリンバ奏者が6本持ちで自由自在に演奏する様を見て、その奏者からメソードを得ることができたから実現したということもあったそうです。そしてこの曲では、左右の足首に鈴と木の実(カラカラと乾いた音がする)をそれぞれ巻きつけており、手は6本持ちでマリンバを叩き、さらに足を踏みならして鈴や実の音を入れるという、まさに全身を使った充実の演奏となりました。 ラプソディ・イン・ブルー ピアノの見せ場が3回ほど入る特別アレンジでの演奏となりました。実際この見せ場がかなりボリュームがあり、長いカデンツァがいくつかあるという感じでした。このあたりは、塚越氏が武本氏にロングカデンツァ入れるようにお願いしたそうで、マリンバコンサートと銘打ってはいますが、このピアノソロの瞬間はピアノリサイタルになっているかのようでした。 うさぎとかめ もしもしかめよ~のおなじみの曲ですが、とてもジャジーな編曲になっていて、先日の宮川彬良氏ではないですが原曲は跡形もありません!といった感じのノリノリのうさぎとかめになっていました。 エブリビオン 塚越氏は、コロナ渦前はアルゼンチンにまで演奏に出かけていたとのことですが、そこはピアソラの本場だけになるほどという感がありました。そしてピアソラで最も有名なのはリベル・タンゴとのことではありますが、塚越氏がとてもこだわりを持って大事にしているのがこのオプリビオンとのことで、しっとりと聴かせていただきました。 チャルダッシュ こちらも今年はヴァイオリンでの演奏を何度か聴いてきたので、親しみ感があり、マリンバでどんなふうに演奏するか興味津々なところがありました。演奏は、マレットをだんだんと硬いものに変えているようでしたが、最も驚いたのは一番の弱奏部でマレットの持ち手の部分を使って鍵盤を叩いていたことで、とても繊細な音なので耳をすまして音を聴くような感じになりますが、この雰囲気がたまらなく良かったです。 トルコ行進曲 ジャズ風トルコ行進曲といった感じですが、最後は賑やかに楽しいアンコール曲の締めとなりました。 まとめ コンサートのオープニングのサプライズ入場から度肝を抜かれ、タイプライターでの演奏。マレット6本持ちの全身フル活用の演奏。ピアノの充実したカデンツァなど、初めて耳にしたり目にしたものもたくさんあって、1時間があっという間という感がありました。塚越氏は2021年のサントミューゼレジデンスアーティストということで、これから地域ふれあいコンサートがもう一公演とアナリーゼワークシッョプ、そして最後にリサイタルがあるので、大いに楽しみなところです。 ​​​​​​​​​

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