054456 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

T-REXママの日常。

T-REXママの日常。

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2011.02.22
XML
カテゴリ:日常生活


高校を卒業して半年が経った時。
一通の手紙が送られてきた。


letter_1

書道をしていたその人のすごく達筆な字。
お互い中原中也が好きだった。



・・高校を卒業するまで、とにかく人に流されまくっていた自分。
色んなことが怖くて、わずらわしくて、とりあえず人に合わせていた。
今思えば、あの頃は小さなキャパの中でもがいていた。
でもその人は・・
いつもその人だった。




地元を遠く離れてしまっていた。
それを案じているかのようにその人からは何度か手紙が来た。


高校のときから大人びていて・・多分大人だったんだろう。
聡明だったその人に、
何度かの手紙のやりとりで「字が間違ってる」なんて添削されたくらいにして。



それである時、手紙にこう書かれてきた。



校庭の隅 姫林檎の実
もぎって齧る ひどく酸っぱい
夏の匂いと君の匂いが
まじりあったら ドキドキするぜ


時間が本当に もう本当に
止まればいいのにな
二人だけで 青空のベンチで
最高潮の時に


letter_2





・・それを読んだときに、ギターのかき鳴らされるイントロとともに、
高校の校舎に囲われた小さな庭にあったベンチを思い出した。
そこに座って見上げた空は、青が際立って本当にキレイだった。

あの人も多分、そんなときを思い出してるんだろう・・と思ったけど、
その返事をどうやって返せばいいか分からず、
手紙は返さなかった。



今年でちょうど高校を卒業して10年。
あの人も今頃は、社会人になり、結婚もしているかもしれない。
多分私が母になったなんて言ったら、お前に子供なんて育てられるのかよ?と笑うだろう。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.02.22 13:13:04
コメント(0) | コメントを書く
[日常生活] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.