雪白の月

2016/10/11(火)22:53

久住昌之 、水沢悦子 『 花のズボラ飯 』…… このマンガの、何が 「スゴイ!」 のか、理解不能

漫画・アニメ(346)

★『花のズボラ飯』 久住昌之 (作) 水沢悦子 (画) (2009年~) レンタルコミックにて読了 (既刊2巻)。 レンタルコミックで人気上位だったので借りたのだが、評判が良いから…と読んでみて、ここまで 「つまらなかった」 漫画も珍しい。 大抵のヒット漫画は、 「私には」 面白くなくても、「若い子 (男性) には、こういうのが良いんだろうな…」 とか、ある程度は納得できるのだが、この作品の場合、 「良い」という人たちが、どういう 「層」 (年齢、職業等) なのか、全然、推定できない…。 この漫画のタイトルや表紙を見て、大概の人は、 「手抜きでも美味しいグルメ」 とか 「ギャグ」 とか 「ほのぼの」 とかを期待するだろう。 昔から、 「食」 にこだわった前衛漫画を世に出してきた久住昌之氏の原作でもあることだし…。 しかし、どう読んでも、私的には、グルメ漫画と呼ぶには色々お粗末だし、全く笑えないし、癒やされる感も無かった。 いやいや、そんなハズは…。 『自虐の詩』 (業田義家) だって、前半は苦痛なくらいつまらなかったが、後半は 「なるほど、名作」 と納得がいった。 これも、きっと、段々面白くなるに違いない …と自分を励ましつつ読んだが、苦痛は増すばかり。 1巻を何とか読み終えたところで、 Amazon のレビューを確認してみたら、170 以上のレビュー中、星5つの高評価も確かに 50 近くあるが、星1つの最低評価が同数以上あり、書かれている内容は、私の感想とほぼ一緒。 つまり…、 〇 食べ物が美味しそうに見えない 絵のウマいヘタはともかくとして、肝心のメニューが貧困過ぎる。 手抜き料理でも、何かちょっとしたアイデアで美味しくなる…とかを紹介するならともかく、ただ、「寒い日に肉まんを歩きながら食うと幸せ」 だとか、「サッポロ一番に野菜炒めを載せるとウマい」 とか、誰でも普通に思いつくことばかり、さも大袈裟に描写している。 〇 ヒロイン (花) のズボラさ (汚さ) が、許容範囲外 夫が単身赴任で独り暮らしとは言え、食生活以前に、部屋が汚過ぎ、洗濯物を溜め込み過ぎ。 〇 ヒロインの独白やギャグが寒い、性格的に魅力が少ない 30歳の既婚者という設定の割に、幼い思考丸出しの独白、意味不明の寒いダジャレの連発にゲンナリする。 最悪なのは、他人には厳しく自分には甘い性格。バイト先 (本屋) の奥さんや自宅の隣人を心の中で馬鹿にしながら、美味しい食べ物のお裾分けはちゃっかり戴き、心からの感謝もない。 〇 ヒロインの食べ方が下品過ぎる 多くの人が指摘するように、私の中でも、この作品で最も許せないところ。 大した工夫も無い料理を、頬を紅潮させ、汗とヨダレをダラダラ垂らし、喘ぎながら食べる姿は、 「 (作者が狙っている?) エロチック」 を通り越して 「醜悪」。 大体、赤の他人が飲食する様子なんて、ただですら生理的嫌悪の対象になりやすいものだ。 昔見ていた連続ドラマで、婚期を逸したヒロイン (深津絵里)が、雑然とした自宅で、ワインをグビグビ飲むのが習慣 …というものがあった。 ストーリー自体は結構面白かったのだが、深津絵里が毎回、恍惚とした表情で喉を鳴らしながらワインを飲む様子が、段々生理的に受け付けなくなって、そのシーンになると耳を塞ぎたくなった覚えがある。 今回、この漫画を読んで、私も大概ズボラな女だが、そんな私ですら、 「ズボラで食いしん坊な女って最悪」と再認識した。 潔癖症な人は読まない方が身のため。 2巻で、多少は軌道修正したのか、少しはアイデア料理を作ったり、ヒロインの長所を強調してみたりしているが、後の祭り。 しかも、 「このマンガはスゴイ大賞」 受賞だか何だか知らないが、好き嫌いの割れるこんな作品を、900円の大判コミックスで、過剰な宣伝で売りつけるから、余計に購買者の怒りを買うのだ。 せめて、絵が上手いならまだしも。 既に累計発行部数 50万部だそうが、TBSでドラマ化されるから、益々、売上げ伸ばすんだろうな…。 Amazonのレビュアーの中に、 「買った漫画を、人生で初めて、途中で駅のゴミ箱に投げ捨てた」 という人がいたが、漫画そのものより、レビューの方が余程、笑えた。 【送料無料】花のズボラ飯 [ 水沢悦子 ] 価格:945円(税込、送料別)

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