10年前の登校拒否
ひなこは、丁度10年前、小学校に入学数ヵ月後から登校拒否になりました。「学校へ行く」という事が当たり前。その当たり前がこれほど難しい事だと思ったことはありませんでした。それが何月から始まったのかは忘れてしまいましたが、何が原因だったのかさえいまだにわからないです。登校時間になると、靴下の微妙な長さの違いに機嫌を損ねて玄関から外に出ない日々が延々続きました。夏の暑い日学校に行くのを拒む娘に腹を立てて、家中の鍵をかけて電気のブレーカーまで落として、家にいるのが嫌になるようにしむけて仕事に出ました。 それでも心配で家に帰ると、汗をかきながら人形遊びをしていました。自分がした事が情けなかったです。子供が閉ざしてしまった心をこういう行為で開けるわけがないのに。 私は悩みに悩んだ末の11月頃、子育て相談に電話しました。「お母さんが、何か迷っている事はありませんか?お子さんは敏感に感じるものです。迷っている心が子供に影響する事ってあるのですよ」「仕事しなければならない状況です。とりあえずの仕事として保険の営業に就いています。でもまったく自分にあっている仕事ではないので辞めたくてしょうがないのに、辞めさせてもらえずに迷っています。時間的に自由な仕事だから、朝出勤してすぐに家に帰り子供についています。フルタイムで働こうにもこういう状況では無理だと思い、悩んでいます。」「お母さんさえ、しっかり前を見据えたら子供さんは大丈夫じゃないかしら?」会った事もない人にいとも簡単に言われました。それがとても心地よく自分に自信を与えてくれました。ご近所の方たちの工夫も素晴らしく有難かったです。お迎えに来てくれて、徐々に行けるようになりました。 もしも、いま同じように悩む人がいたら・・・といつもこの時期になると考えます。諦めないでください。決して体罰などしないで。 今でもあの頃に戻って幼いひなこを抱きしめてやりたいと思います。 ひなこに関しては、それだけに思い入れが深いです。それ以後もいろいろと小、中葛藤の日々でした。が、高校生になって無遅刻無欠席。一番今が楽しい様子です。タイムトラベルというのがあるなら、あの頃の自分と子供に今の状況を教えてあげたいと思います。 しかし、まだまだこの先何があって「こける」かは判りません。